コラム

2007年04月16日

チープ革命はどこまで進むのか

CNET
 無料写真プリント・サービスのPriea
について報じている
Prieaでは、プリントに入る企業広告による収入でプリントから配送まで全て無料なのだそうだ
チープ革命の一端のビジネスだ

プリントを見るのは不特定多数ではない
しかし、広告収入で消費者向けサービスが無料にされている
チープ革命もここまで来たのかと思わされる
これではデフレのリスクは解消しない

チープ革命はどこまで続くのか
一つの鍵は景気に左右される広告需要にあるのかも知れない
不況の波を越えたところで、持続可能なチープ・サービスが確立するのだろう
posted by 浜町SCI at 18:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

「総合取引所」構想はどう実を上げるのか

本日の日本経済新聞朝刊1面トップは「総合取引所」構想だった
東証が以降する持株会社の下に
 ・東京工業取引所
 ・東京穀物取引所
 ・東京金融先物取引所
を統合し、将来的には電力・排出権等の取引もカバーしたいという
海外の主要取引所に対抗できるよう、「各取引所の枠組みを超えた商品設計」を実現させるのが狙いのようだ
狭い「証券取引所」という枠組みだけでなく、広い「取引所」という範疇でもグローバル競争が進んでいることの証左だろう

課題は、どのように実を上げるかにある
持株会社の下に4つの取引所をぶら下げたからと言って、それがすなわち効を奏するわけではないだろう
極言すれば、今だって日本政府という下に4つの取引所が存在するのである
持株会社の下に統合するのは、政府内の縦割り行政の弊害を取り除くためだということでもないだろう

組織の改革は魂をともなってこそ生きる
実のある組織を設計し実現してほしい
posted by 浜町SCI at 08:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 気になる投資環境

2007年04月14日

監査法人のあり方の検討を

みすず監査法人が実質解体する
日本経済新聞では、
みすずの会計士百人余りが監査業界から流出する
観測があることを報じている

監査業界も慢性の人材不足だ
よく言われるところでは、
 難関の試験を通って会計士になっても
 弁護士のような社会的ステータスはなく
 金融機関より給料は安く
 仕事は多忙を極める
ということ
こういう構造に、監査業界の不祥事の原因の一端があるというのは、あながち誤りではないだろう

根源は、監査法人が監査される側から雇われているという構造だ
これを解決しないことには、発行体と監査法人の馴れ合いは解消し得ない

社会的コストは増加するかも知れないが、ここで一つの提案をしたい
証券取引法(金融商品取引法)上の監査業務については、証券取引所が監査法人を雇うという仕組みはどうだろう
1. 証券取引所は、上場各社から簡単は方法で各社の監査業務の負荷を推定
2. 証券取引所は負荷から計算される最高入札額を発行体から徴収
3. 負荷・最高入札額を開示した上で、監査法人各社での入札を行う
4. 応札上位2-3社の中から発行体が監査法人を選択
もちろん、現行のように、監査法人が固定化しないためのルールは継続する

1の負荷測定は難しいだろうが、1期・2期と続けるうちに、過去の落札額を参考にすれば精度は上がっていくだろう
上記のような(少し乱暴な)仕組みにすれば、監査法人は発行体におもねることなく監査業務を遂行できるのではないか
posted by 浜町SCI at 09:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 気になる投資環境

自動車用電池各社

オートモーティブ・エナジー・サプライ
 日産とNECの折半出資、Li+

パナソニックEVエナジー
 トヨタ6、松下4、NiH

三洋
 NiH → ホンダ、フォード

NECラミリオンエナジー
 元は富士重とNECのJVだが、現在はNEC、Li+の開発

日立ビークルエナジー
 Li+ → いすず、三菱ふそう

三菱重工
 Li+
posted by 浜町SCI at 08:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

外資による日本での三角合併の課税

課税繰延条件:
・日本子会社がペーパーカンパニーの場合は認めない
・事業所を構え従業員を雇用している場合に認める

収益を上げていなくとも、
 広告宣伝による契約の勧誘
 販売計画のための市場調査
 商品開発などに向けた行政の許認可申請
等を行っていること
posted by 浜町SCI at 08:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年04月12日

電力線通信は裾野のある事業分野を築くか

CNET
IBMとテキサス州ヒューストンを拠点とする電力会社CenterPoint Energyは米国時間4月10日、インテリジェントな電力供給網の実現を目指すグループ「Intelligent Utility Network Coalition」を設立したことを発表した
と報じている
これはいわゆるPLC(Powerline Communication)の話ではない
電力供給の最適化を実現するため、電力線ブロードバンド(Broadband over Power Line:BPL)を用いるというものだ
数年前の東海岸の大停電を考えれば、自然な流れであると思われる

しかし、ここに用いられる基礎技術自体は、電圧、セキュリティの等々の程度の差こそあれPLCと同じコンセプトのものだ
IBMが取り組む以上、その先には電力線を用いた広域通信を度外視するとも思えない
(無論、高圧電力線での広域通信には多くのハードルはあろう)

このような試みを見ると、電力線通信が着実に事業となっていることがわかる
日本でもようやく規制が改定され、今後の普及が見込まれる
では、この分野はどの程度の裾野の産業なのだろうか
似たような装置にモデムやスプリッタがある
すでにそのような装置はコモディティ化しきっており、価格競争が行きわたっている
使われるチップにも競争は行きわたり、裾野も利益率も限定的だ

電力線通信はどうだろう
いくつかの企業がPLCモデムを発売している
徐々に組込み式のPLCデバイスも出てくるだろう
もうかるのか、すぐに枯れるのか、興味深いところだ
posted by 浜町SCI at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

百万円の釣竿

本日の日経産業新聞1面に高級釣具の記事が書かれている
ダイワ精工が売り出す輪島塗の釣竿「漆宝シリーズ」だ
価格は400千円-1,000千円となる見込みだという
このすごい釣竿で何を釣るかと言えば、「アユ用」「カワハギ用」「クロダイ用」「ヘラ用」だと言う

1百万円の竿で何匹の鯛が釣れるだろう
1百万円の金で何匹の鯛が買えるだろう
なんとも痛快な話だ

この釣竿を製造販売するのはどういう営みだろう
「ものづくり」だろうか
まぎれもなく「ものづくり」だ
日本の伝統芸能を駆使した「ものづくり」に他ならない
ならば何が「痛快」なのか

それは価値の源泉が過去と異なる点にあると思う
かつて日本の工業品は粗悪品だった
それが、やがて高品質の実用品となった
そして、今、高品質の高級品が見直されている
これはバブルだろうか
歴史は将来どう解釈するだろう
posted by 浜町SCI at 08:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2007年04月11日

ペンタックスに見るM&Aオリジネーションの難しさ

HOYAとの経営統合を発表していたペンタックスが社長を解任し軌道修正しようとしている
この方向転換の是非について、私は見識がない
しかし、この現象はM&Aの難しさを象徴するものであるのは間違いない

M&Aにはいくらでも反対意見がある
組織には保身を図る者も五万といるし、組織防衛に走るのも人情だ
だから、どんなM&A案件でも山ほど反対意見はある
だからこそ、M&Aは極秘裏に限られたメンバーで進めることが多い
ペンタックスの場合、前社長を中心にHOYAとの統合検討を進めたようだ
だからこそ基本合意に達したし、だからこそ裏目に出て解任の憂き目に遭った

代表取締役を解任するのは取締役会の自由だし、ペンタックス取締役会を非難する理屈はない
賛成に回った取締役たちには、保身という意味だけではなく、
 本当にHOYAが最善の道なのか
という当然の疑問もあったろう

ペンタックス取締役会は、社長を交替させた
と同時に重い責務を追ったのだと思う
 HOYAが最善なのか
 そうでないなら、どのような実現可能な代案があるのか
株主に対して、この重い責務を果たさなければならない
そう容易な問ではないだろう
posted by 浜町SCI at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

エレクトロニクス産業のチキン・レース

CNET
プラズマテレビの全米売上、月間ベースで初の前年割れ
と報じている
数量は増加しているが、価格下落が効いているという
記事では、
プラズマメーカーはさらなる高機能化をはかり、販売価格を上昇に転じさせる道を見つけだすという課題に直面している
と指摘している

プラズマに限らず、PDP製品の高付加価値化とはどの程度のニーズがあるのだろう
コンシューマのニーズを超えて無駄な付加価値を付ければ、結果は顧客離れが待っている
日本メーカが得意な「過剰性能」である
「ハイエンド製品に特化する」と言えば聞こえはいいが、そういって結局は消えていった電機セグメントも少なくない

かりにプラズマテレビがコモディティ化したと仮定すれば、価格競争が必然であり、それが今の状況なのかもしれない
いや、これは現実に起きていると言っても反論はあるまい
価格競争が進むとすれば、次に起こるのは「規模の経済」の戦いだ
これは当然、投下資本金額の戦いになる
より高額な資本を投下し、より低コストが実現できる大規模工場を作り上げる競争だ

エレクトロニクス産業というのは、こういうチキン・レースを繰り返している産業だ
競合相手より1桁大きな投資を行えば、一気に相手を市場から締め出すことができる
一方で、その投資のレースについていけない企業は消えていくしかない
恐ろしいのは、勝った者も負けた者も、投資の回収ができるかどうか確信が持てないところにある
posted by 浜町SCI at 19:11 | Comment(0) | TrackBack(2) | 産業

2007年04月10日

多国籍企業になれない日本企業

北米トヨタ社長プレス氏が、6月の株主総会でトヨタ自動車の専務取締役に就任する予定だと報道されている
トヨタと言えば、日本を代表するグローバル企業であると思われているが、外国人が取締役になるのはこれが始めて
日本の企業文化はなんと閉鎖的か、と感じる出来事だ

この点では、すでに外国人CEO率いるソニーが先を行っている
皮肉なのは、ソニーが外国人CEOを選んだのは、業績に陰りが出たからであること
業績のいい日本企業ほど純血を守ろうとする傾向があるとすれば悲しいことだ

このまま世界が垣根を低くしてグローバル競争を許すならば、大きな市場セグメントは多国籍企業に席巻される流れが進むだろう
その多国籍企業とは、ローマ帝国のように現地化を進める企業に他ならない
それならば、経営陣も多国籍・多文化の構成となるのが自然だし、そうでなければ現地のオペレーションは満足できない
ある一つの植民地が全体の稼ぎ頭になったとしたら、その植民地の長を本社のしかるべき地位に迎えるのは当然のことだ

日本の大企業経営者には、外資系企業のローカル社員を経験した人材は少ない
だから、そのような当たり前のことに気が回らない
これでは多国籍な組織は活性化しないだろう
posted by 浜町SCI at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2007年04月05日

オンライン動画投稿サイトの出現が報道を変える?

CNET
米国時間3月31日に行ったスピーチの中で、スペイン語を「貧民街の住人の言葉」と言ったGingrich氏は、4月4日になって、YouTubeに開設していた自身の専用チャンネルに弁明のための動画を投稿した
と報じている

数年前までは、個人や特定の団体がこのような試みを行うことは考えられなかった
このような仕事はマスメディアの仕事であり、現実的には大手キー局でなければ実効性はなかったと言えるだろう
しかし、YouTubeをはじめとする動画公開サイトの出現で状況は変わった
個人や団体が、原則的に検閲やフィルタリング、編集を受けない形で動画による意見表明する機会があたえられたのである

これが社会にどのようなインパクトを与えるのか、予見は難しい
しかし、何かのインパクトが徐々に現れてくるに違いない
posted by 浜町SCI at 22:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 気になるハイテク用語

2007年04月04日

電子マネーは収束するのか

15年ほど前、まだ電子マネーが認知もされていない時期、電子マネーの性格についての議論があったと思う
電子マネーは通貨なのか否か
もしも通貨であれば、それは日本銀行のみが発行を許されたものではないか
電子マネーはそのハードルを乗り越えて、現在普及が進んでいる

現在主要な電子マネーは
・ビットワレット: エディ
・JR東日本: スイカ
・セブン&アイ: ナナコ
そして昨日、大手流通グループであるイオンがWAONという電子マネーのサービスを始めると発表した
すでに有力な電子マネー勢力が4つも存在し、それらが交通、スーパー、CVSほかの分野で提携の輪を広げている

この現状を見ると、
 あたかも円という通貨が4つの勢力に分裂された
というような印象を受けるのである
杞憂であるとは思うが、通貨が分裂するという現象は、どのような帰結を迎えるのだろう
ユーザの利便性から言えば、異なるプラットフォームを併用するのは不便極まりない
社会インフラの効率性から言っても、大きな付加価値の相違のないプラットフォームが並立するのは望ましくないだろう
独占まで行き着くか、寡占でとどまるかは分からないが、なんらかの収束に向かうのは必然ではないか

収束が起こる瞬間に、社会インフラで大規模な減損が発生する
これは、目に見えた社会的損失だ
しかし、同時に「健全な競争市場」を維持するためのコストともいえる
なんとも皮肉ではないか
posted by 浜町SCI at 13:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業