コラム
2007年06月28日
株主防衛策に備えるインフラ整備を
今日は株主総会の集中日だ
報道では、数多くの買収防衛策が承認されていると伝えられている
会社は株主のものだから、株主が納得するならば買収防衛策もいいだろう
しかし、ここまで買収防衛策が一般化した今、投資環境の整備がもう一段必要になったように思う
証券取引所は上場規則と開示ルールを見直すべきではないか
証券取引所は買収防衛策が承認される場合、事後のその内容を吟味し、上場継続の可否を決めるべきではないか
買収防衛策は法律上認められれば、すなわち上場が許されるというものではない
法律上許されるか否かは、既存株主の権利が不当に害されていないかがポイントの議論だ
しかし、上場維持が許されるか否かは、今後の新しい株主の権利が守られるかどうかの議論だろう
上場廃止が既存株主の権利を過度に害するとするなら、取引所に「防衛策導入企業の部」という新市場を作ってもよい
それであれば、投資家に十分な注意を喚起できるだろう
上場基準だけでなく開示にも工夫が必要だ
買収防衛策が導入されている企業では「決算短信」の表紙にその旨を表示すべきではないか
それほど投資にインパクトのある事象だと思う
また、有価証券報告書では、その買収防衛策の詳細について記載することが大切なのは言うまでもない
民間もフラグ付けを行うべき
「会社四季報」や「日経会社情報」などのディレクトリについても、買収防衛策についてのフラグを掲載してほしいものだ
何も知らない個人投資家が、誤って買収防衛策導入済みの銘柄を買うことを未然に防止できるだろう
株式を上場するということは、潜在的に買収のリスクを背負うことだ
それを買収防衛策で封じてしまうことは、「いいとこ取り」に励むあまり、投資家の権利保護をないがしろにしかねない
上場株式会社を社会主義的組織と考える株主ばかりなら、買収防衛策を承認するのもいいだろう
しかし、その場合は、その付けが他の投資家に付回されないよう注意しないといけない
「議決権行使書」の取り扱いを厳格にしよう
かつてほとんどの株主総会はのどかな集まりでしかなかった
その時代、議決権行使書は郵送の場合、印鑑を押していた
しかし、その印鑑と届出印を照合している会社は皆無だった
とにかく返送され、賛否に○がついていなければ、白紙委任とみなされていた
現在は議決権行使書に印鑑は不要だ
ただ返送するだけ
○がついていなければ白紙委任となる
喧々諤々の議論が行われる株主総会でこの扱いはいささかいい加減過ぎないか
このような形式だと、株主の本心を反映しない議案承認がなされてしまいかねない
「届出印を押す」という簡単な手続きなのだから、その程度は株主は責任をもって行うべきだし、シビアな意見の相違のある株主総会では、形式の整わない=株主の意思の明確でない議決権行使書は許容すべきでないと思う
むろん、そうすると各社総務部のみなさんは青くなろう
皮肉なことに、総務部のみなさんの心配は議案が承認されるかではない
議案承認に必要な定足が満たされるかにあるのだ
米国流のファイナンス理論が正しいとは思わないが、学ぶべきところは多い
企業ファイナンスにおける最大の論点には「エージェンシー問題」と「情報の非対称性」がある
いずれも、経営者が投資家を初めとするステークホルダーを偽ることへの懸念に根ざした論点である
買収を受けるリスクを負うということは、会社を動揺させてしまうデメリットもあるが、同時に経営者に規律を与える機会となりうる
買収防衛策がそのような機会を阻害してしまわないか心配だ
報道では、数多くの買収防衛策が承認されていると伝えられている
会社は株主のものだから、株主が納得するならば買収防衛策もいいだろう
しかし、ここまで買収防衛策が一般化した今、投資環境の整備がもう一段必要になったように思う
証券取引所は上場規則と開示ルールを見直すべきではないか
証券取引所は買収防衛策が承認される場合、事後のその内容を吟味し、上場継続の可否を決めるべきではないか
買収防衛策は法律上認められれば、すなわち上場が許されるというものではない
法律上許されるか否かは、既存株主の権利が不当に害されていないかがポイントの議論だ
しかし、上場維持が許されるか否かは、今後の新しい株主の権利が守られるかどうかの議論だろう
上場廃止が既存株主の権利を過度に害するとするなら、取引所に「防衛策導入企業の部」という新市場を作ってもよい
それであれば、投資家に十分な注意を喚起できるだろう
上場基準だけでなく開示にも工夫が必要だ
買収防衛策が導入されている企業では「決算短信」の表紙にその旨を表示すべきではないか
それほど投資にインパクトのある事象だと思う
また、有価証券報告書では、その買収防衛策の詳細について記載することが大切なのは言うまでもない
民間もフラグ付けを行うべき
「会社四季報」や「日経会社情報」などのディレクトリについても、買収防衛策についてのフラグを掲載してほしいものだ
何も知らない個人投資家が、誤って買収防衛策導入済みの銘柄を買うことを未然に防止できるだろう
株式を上場するということは、潜在的に買収のリスクを背負うことだ
それを買収防衛策で封じてしまうことは、「いいとこ取り」に励むあまり、投資家の権利保護をないがしろにしかねない
上場株式会社を社会主義的組織と考える株主ばかりなら、買収防衛策を承認するのもいいだろう
しかし、その場合は、その付けが他の投資家に付回されないよう注意しないといけない
「議決権行使書」の取り扱いを厳格にしよう
かつてほとんどの株主総会はのどかな集まりでしかなかった
その時代、議決権行使書は郵送の場合、印鑑を押していた
しかし、その印鑑と届出印を照合している会社は皆無だった
とにかく返送され、賛否に○がついていなければ、白紙委任とみなされていた
現在は議決権行使書に印鑑は不要だ
ただ返送するだけ
○がついていなければ白紙委任となる
喧々諤々の議論が行われる株主総会でこの扱いはいささかいい加減過ぎないか
このような形式だと、株主の本心を反映しない議案承認がなされてしまいかねない
「届出印を押す」という簡単な手続きなのだから、その程度は株主は責任をもって行うべきだし、シビアな意見の相違のある株主総会では、形式の整わない=株主の意思の明確でない議決権行使書は許容すべきでないと思う
むろん、そうすると各社総務部のみなさんは青くなろう
皮肉なことに、総務部のみなさんの心配は議案が承認されるかではない
議案承認に必要な定足が満たされるかにあるのだ
米国流のファイナンス理論が正しいとは思わないが、学ぶべきところは多い
企業ファイナンスにおける最大の論点には「エージェンシー問題」と「情報の非対称性」がある
いずれも、経営者が投資家を初めとするステークホルダーを偽ることへの懸念に根ざした論点である
買収を受けるリスクを負うということは、会社を動揺させてしまうデメリットもあるが、同時に経営者に規律を与える機会となりうる
買収防衛策がそのような機会を阻害してしまわないか心配だ
2007年06月25日
ブルドック・ソースは上場を廃止すべきではないか
ブルドック・ソースの株主総会が開催され、経営陣から提案されていた買収防衛策が特別決議で承認された
この買収防衛策はスティール・パートナーズによる株式取得に対抗したものだ
特別決議による承認の意味は重い
株主の総意に近い意思決定がなされたということ
この上は、司法の判断を待って実行されていくことだろう
この承認の是非を議論するつもりはない
それは、会社の所有者である株主の判断であるからだ
しかし、気になることが2つある
まず第一は、以前述べたとおりこのスキームが、会社からグリーンメーラーに利益供与する方策として利用されかねないことだ
これが社会的道義に反するのを言うまでもない
次に、このような名指しで株主を排除するような企業が上場を維持してよいものかという議論だ
筆者はスティール・パートナーズがグリーンメーラーなのか否か、客観的に論じる材料と軸を持たない
そのため、両面で考えたい
もしもグリーンメーラーであることが客観的に示されるなら、そのグリーンメーラーを恣意的に排除することは許されるかもしれない
しかし、これを実行すると、先に述べたとおり、グリーンメーラーに利益供与する道が開かれることになってしまう
もしもグリーンメーラーでないとすると、これは明らかに不当に株主を差別的に扱ったということになる
このような企業の上場を取引所は許していいものであろうか
この問題は会社と投資ファンドの特殊事例として片付けてはいけないものであると思う
誰でも株式を購入できる上場制度というもの、株主の財産権にまつわる議論であろう
この買収防衛策はスティール・パートナーズによる株式取得に対抗したものだ
特別決議による承認の意味は重い
株主の総意に近い意思決定がなされたということ
この上は、司法の判断を待って実行されていくことだろう
この承認の是非を議論するつもりはない
それは、会社の所有者である株主の判断であるからだ
しかし、気になることが2つある
まず第一は、以前述べたとおりこのスキームが、会社からグリーンメーラーに利益供与する方策として利用されかねないことだ
これが社会的道義に反するのを言うまでもない
次に、このような名指しで株主を排除するような企業が上場を維持してよいものかという議論だ
筆者はスティール・パートナーズがグリーンメーラーなのか否か、客観的に論じる材料と軸を持たない
そのため、両面で考えたい
もしもグリーンメーラーであることが客観的に示されるなら、そのグリーンメーラーを恣意的に排除することは許されるかもしれない
しかし、これを実行すると、先に述べたとおり、グリーンメーラーに利益供与する道が開かれることになってしまう
もしもグリーンメーラーでないとすると、これは明らかに不当に株主を差別的に扱ったということになる
このような企業の上場を取引所は許していいものであろうか
この問題は会社と投資ファンドの特殊事例として片付けてはいけないものであると思う
誰でも株式を購入できる上場制度というもの、株主の財産権にまつわる議論であろう
2007年06月22日
社会保険庁の集団詐欺行為はどう戒めるべきか
毎日のようにあきれた実態が報道される社会保険庁だが、政府は独立行政法人化を進めたいようだ
しかし、これでは生ぬるすぎる
独立行政法人にしたから改善に向かうというのは早計だ
国民から年金保険料の納付を受けていながら、それに見合う年金を支給しないというのは、よくて背任・横領、悪く言えば詐欺行為だ
結果から言えば「振り込め詐欺」と同じ効果があったことになる
このような結果となった原因は単純な事務ミス・過怠であったとされているが、これらの不作為がどのような結果に至るかを想像できなかったほど、社会保険庁の職員も愚かではなかろう
彼らはこうなることがわかっていながら見過ごしてきたというべきだ
筆者も当初はレベルの低い公務員がしでかした不祥事と見ていたが、その後頻繁に報道された中央官僚の回顧録の内容を聞くにつれ、これが集団的な詐欺行為であったのだと理解することになった
年金保険料を食い物にするのが当たり前かのごとき発言が文書として残されている実態には、いかに高級官僚のモラルが低いか、いかに高級官僚に社会常識が欠如しているか、思い知らされた思いだ
このような官僚が所管する社会保険庁ならば、このような不祥事を起こすのも当たり前だろう
いや、むしろ、「上意をくんで手を抜いた」というべきか
民間の金融機関がお客から預かった金の記録を失ったらどうなるだろう
間違いなく、監督官庁から口汚く罵られ、業務改善命令・業務停止命令を受けるだろう
しかし、公務員の側が同じことを犯せば、公務員はひどく寛容に対応する
社会保険庁を独立行政法人化するのはよい
しかし、それとセットで、年金管理を受託する民間機関の参入も許し、利用者の選択を受けるべきではないか
民間参入が絶対的な解決法でないことは、グッドウィルの事例を見ても明らかだ
しかし、現在の社会保険庁よりは、民間金融機関の方がはるかにましではないか
しかし、これでは生ぬるすぎる
独立行政法人にしたから改善に向かうというのは早計だ
国民から年金保険料の納付を受けていながら、それに見合う年金を支給しないというのは、よくて背任・横領、悪く言えば詐欺行為だ
結果から言えば「振り込め詐欺」と同じ効果があったことになる
このような結果となった原因は単純な事務ミス・過怠であったとされているが、これらの不作為がどのような結果に至るかを想像できなかったほど、社会保険庁の職員も愚かではなかろう
彼らはこうなることがわかっていながら見過ごしてきたというべきだ
筆者も当初はレベルの低い公務員がしでかした不祥事と見ていたが、その後頻繁に報道された中央官僚の回顧録の内容を聞くにつれ、これが集団的な詐欺行為であったのだと理解することになった
年金保険料を食い物にするのが当たり前かのごとき発言が文書として残されている実態には、いかに高級官僚のモラルが低いか、いかに高級官僚に社会常識が欠如しているか、思い知らされた思いだ
このような官僚が所管する社会保険庁ならば、このような不祥事を起こすのも当たり前だろう
いや、むしろ、「上意をくんで手を抜いた」というべきか
民間の金融機関がお客から預かった金の記録を失ったらどうなるだろう
間違いなく、監督官庁から口汚く罵られ、業務改善命令・業務停止命令を受けるだろう
しかし、公務員の側が同じことを犯せば、公務員はひどく寛容に対応する
社会保険庁を独立行政法人化するのはよい
しかし、それとセットで、年金管理を受託する民間機関の参入も許し、利用者の選択を受けるべきではないか
民間参入が絶対的な解決法でないことは、グッドウィルの事例を見ても明らかだ
しかし、現在の社会保険庁よりは、民間金融機関の方がはるかにましではないか
2007年06月13日
所有と経営の分離さえ整理できない日本人の甘さ
本日の日本経済新聞に、スティール・パートナーズのリヒテンシュタイン代表のインタビュー記事が載っている
その中で、
企業のオーナーになることと経営者になることは別
という発言がある
これは、投資先から
過半数の株式取得を目指しながら
実際の経営をする意思がない
という批判を受けたことに対する反論だ
そもそも会社法において株式会社という法人が設計された背景は「所有と経営の分離」という基本的な考えが存在するからだ
金を持っている者と経営に長けた者が同一人物であるとは限らない
だから、株式会社という法人を設計し、所有権は金を出資する者に与え、経営を経営に長けた者に委ねるという仕組みを作った
これが、資本や人材を有効に活用して、産業を発展させるための基本的な仕組みとして働いてきた
リヒテンシュタイン氏のいいたいことは、この大原則に沿ったものだ
それに対して、日本企業の経営者のレベルは低い
過半数取ったから経営しなければいけない
などという、会社組織の基本さえ理解しない経営者が多い
こういう土壌では、
・経営者は株主に仕える気持ちを持たず
・年功序列だけに支えられて、経営に長けもしない者が経営者になる
ようなことが起こる
同じ紙面で、信越化学の金川社長の言葉が紹介されている
余人をもって代えがたい経営をするのが買収対応の鉄則
卓見だ
スティール・パートナーズにeducateされなくとも立派な経営を行う
これが最大の買収防衛策だし、これさえ実現すれば、経営者は保身に走らなくとも、ファンドの方から経営を継続してほしいと頼まれるものだ
その中で、
企業のオーナーになることと経営者になることは別
という発言がある
これは、投資先から
過半数の株式取得を目指しながら
実際の経営をする意思がない
という批判を受けたことに対する反論だ
そもそも会社法において株式会社という法人が設計された背景は「所有と経営の分離」という基本的な考えが存在するからだ
金を持っている者と経営に長けた者が同一人物であるとは限らない
だから、株式会社という法人を設計し、所有権は金を出資する者に与え、経営を経営に長けた者に委ねるという仕組みを作った
これが、資本や人材を有効に活用して、産業を発展させるための基本的な仕組みとして働いてきた
リヒテンシュタイン氏のいいたいことは、この大原則に沿ったものだ
それに対して、日本企業の経営者のレベルは低い
過半数取ったから経営しなければいけない
などという、会社組織の基本さえ理解しない経営者が多い
こういう土壌では、
・経営者は株主に仕える気持ちを持たず
・年功序列だけに支えられて、経営に長けもしない者が経営者になる
ようなことが起こる
同じ紙面で、信越化学の金川社長の言葉が紹介されている
余人をもって代えがたい経営をするのが買収対応の鉄則
卓見だ
スティール・パートナーズにeducateされなくとも立派な経営を行う
これが最大の買収防衛策だし、これさえ実現すれば、経営者は保身に走らなくとも、ファンドの方から経営を継続してほしいと頼まれるものだ
従業員は誰のもの?
本日の日本経済新聞一面の特集「株主とは」で面白い記述があった
大株主であるIDECから株主提案を受けているモリッテックスで、「休日出勤の従業員が手分けして、個人株主2,200人に電話をかけ続けた」という
67%の議決権を占める個人株主に、経営陣側についてほしいという趣旨の行動だろう
この記事で面白いのは2点
@従業員が経営者の側に立つことの是非
新会社法の精神では(いまだ議論はあろうが)株式会社の所有者は株主であり、会社は株主の利益のために行動すべきとされている
会社を巡る論争でいち早く注目を浴びた「株主代表訴訟」では、株主が経営陣を訴えた場合、会社は原告である株主の勝訴のために努力することになる
つまり、会社は原告側の一員として、被告である経営陣の過失・犯罪を立証するよう求められるのである
大株主と経営陣の間で株主提案をめぐって論争となった時、会社はどう振舞うべきなのか
新聞記事が正しいとすれば「休日出勤」であるから、従業員は有給で電話かけを行ったことになる
もしも、電話の内容が経営陣を支持するものであったならこれは問題だ
(実際にはそうではないのだろう)
従業員は、このような論争において、意見表明をすることはできても、片側に会社の負担によって加担すべきではないと思う
A電話の趣旨は「株主総会への出席」だったこと
このようなことをモリテックスは承知していたらしく、報道では、電話の目的が総会出席であったとされている
つまり、従業員に電話をかけさせ、株主提案に反対させるということが大義でないことを会社は気づいていたのであろうと推測されるのだ
「休日出勤」で電話をさせる以上、その依頼内容は中立的な「総会出席」のとどまらざるをえない
株主が法に定められた株主権を行使するようになって、会社役員にも緊張感が高まっているのだろう
それと同時に、従業員の側にも、正しい対応が求められるようになっているが、従業員はこの手の話にはひどく不慣れだ
いったん法の精神に立ち返って、自分の行動の規範を見定めるという厄介なプロセスが必要になったらしい
大株主であるIDECから株主提案を受けているモリッテックスで、「休日出勤の従業員が手分けして、個人株主2,200人に電話をかけ続けた」という
67%の議決権を占める個人株主に、経営陣側についてほしいという趣旨の行動だろう
この記事で面白いのは2点
@従業員が経営者の側に立つことの是非
新会社法の精神では(いまだ議論はあろうが)株式会社の所有者は株主であり、会社は株主の利益のために行動すべきとされている
会社を巡る論争でいち早く注目を浴びた「株主代表訴訟」では、株主が経営陣を訴えた場合、会社は原告である株主の勝訴のために努力することになる
つまり、会社は原告側の一員として、被告である経営陣の過失・犯罪を立証するよう求められるのである
大株主と経営陣の間で株主提案をめぐって論争となった時、会社はどう振舞うべきなのか
新聞記事が正しいとすれば「休日出勤」であるから、従業員は有給で電話かけを行ったことになる
もしも、電話の内容が経営陣を支持するものであったならこれは問題だ
(実際にはそうではないのだろう)
従業員は、このような論争において、意見表明をすることはできても、片側に会社の負担によって加担すべきではないと思う
A電話の趣旨は「株主総会への出席」だったこと
このようなことをモリテックスは承知していたらしく、報道では、電話の目的が総会出席であったとされている
つまり、従業員に電話をかけさせ、株主提案に反対させるということが大義でないことを会社は気づいていたのであろうと推測されるのだ
「休日出勤」で電話をさせる以上、その依頼内容は中立的な「総会出席」のとどまらざるをえない
株主が法に定められた株主権を行使するようになって、会社役員にも緊張感が高まっているのだろう
それと同時に、従業員の側にも、正しい対応が求められるようになっているが、従業員はこの手の話にはひどく不慣れだ
いったん法の精神に立ち返って、自分の行動の規範を見定めるという厄介なプロセスが必要になったらしい
2007年06月08日
ブルドックソースを応援する投資銀行と弁護士たち
6月7日にブルドックソースの買収防衛策が発表された
買収防衛策の前段に、米系ファンドからのTOBへの反対意見が述べられているので、根拠の骨子を見ていこう
大きく理由は二つ挙げられている
@今回の買収者による買収が企業価値、株主共同の価値を毀損
ブルドックは食品という健康・文化と関わる高い専門性を要求される業務であるのに対して、買収者にその分野の見識がないと見られること
買収後の経営方針について具体的な説明がないこと
ATOBの条件・方法が不適当であること
TOB価格等が低すぎること
Aは株主が判断すべきことだとしても、@については子供の言い訳のような言い草に聞こえてしまう
このような理屈を許せば、およそ企業という企業は高い専門性が要求され、したがってジェネラルな投資対象を扱うファンドによる買収は不可ということになってしまう
また、TOBが一方的にしかけられたにせよ、ファンドと会社の話し合いがもたれていない段階で、「具体的な説明がない」からすなわち不可というのはいかがであろうか
おそらく銀行家や法律家が楽しんでワーディングした文書であろうが、少なくとも私には経営者らの保身の言い訳にした聞こえてこない
さて、言い訳は好きにさせるとして、詳しく検討されるべきは新株予約権だろう
基準日の発行済株式総数の3倍の新株予約権が発行され、行使価額は1円だから、概ね、既存株主の株式を4倍にする取引と言ってよい
問題なのは、新株予約権はすべての株主に交付されるものの、
@ かの米系ファンド
A その共同保有者
B 特別関係者
C @〜Bから取締役会承認なしに新株予約権を譲り受けた者
D @〜Cの関連者
には行使する権利を与えず、かわりに新株予約権1個あたり396円で買い受けるというのだ
この買収防衛策は株主総会の特別決議によって承認を得るため、会社側は法律論争においても自信を持っているという
私は、このスキームに三つほど問題を感じている
まず一つ目は、新株予約権に実質的な譲渡制限が付いていること
譲渡制限が付けられてはいけないはずの上場株式をUnderline AssetにしたOptionに譲渡制限が付されている
これは、上場規則の抜け道なのではないか
二つ目はD関連者の定義だ
「関連者」の定義は、@〜Cの共同の支配下にある、または、協調して行動する者と、取締役会が認めた者
とされている
つまり、「関連者」であるか否かは、ブルドックの取締役会が決めるという
これは、恣意的に株主を不平等に取り扱うことにならないか
三つ目は、このようなスキームが認められれば、これがグリーン・メーラーへの利益供与を可能にするスキームになりかねないことだ
今回の買収者がグリーン・メーラーであるかどうか、私には知見がない
しかし、今回のスキームが認められてしまうと、次回、仮に暴力団関係者・総会屋が同じような買収提案を行った場合に、会社は合法的にそれらの者に利益供与をできるようになってしまわないか
本件ではブルドックソースの財務アドバイザーに野村證券が、法律顧問に西村ときわ法律事務所が選任されている
いずれも、日本の最大手のプロフェッショナルだ
このようなプロ中のプロが、たとえ法や規則の目を潜り抜けたにせよ、上記のようなスキームを後押しするとは嘆かわしいことだ
これら一流のプロフェッショナルが求めるべきことは、
法や規則に反しないことではなく
法や規則の精神を守ること
なのではないか
単に「法廷闘争で勝てるからよし」とするのか
金のためなら、どんな論陣でも張るというなら、そのような人たちがトップを張っている日本を悲観したくなる
そもそも、問題の根源は上場する株式会社の基本的あり方にある
会社法に定める株式会社では「所有と経営の分離」を実現し、それが効率的な事業運営を実現する一助となっている
経営者が経営のプロとして、素人からの買収に対して拒絶感を持つのも無理はない
しかしながら、会社法は、所有者である株主の会社への支配権まで否定するものではない
根源的な株主権である役員の選任を通じて、株主は会社を支配するようにビルト・インされているのである
それを一企業が否定してかかるとすれば、それには無理がある
また、取引所規則では、上場株式に譲渡制限を付すことを原則禁じている
つまり、株式を上場させるということは、誰が株を買ってもいいということだ
多くのIPOでは創業者らがキャピタル・ゲインの恩恵を得る
それと引き換えに、株主が分散していくのである
キャピタル・ゲインだけを得て、株主は相変わらず自分たちで指名したいというのはいささか欲張りではないか
このような会社法・取引所規則の精神を鑑みるに、最近の買収防衛策のほとんどは、脱法・脱規則の策であるように見えてしまう
このようなことに日本のトップのプロフェッショナルが加担するとは悲しいことだ
幸い今回は決定権を株主が有している
プロフェッショナルの見識に期待できない以上、株主の見識に期待したい
買収防衛策の前段に、米系ファンドからのTOBへの反対意見が述べられているので、根拠の骨子を見ていこう
大きく理由は二つ挙げられている
@今回の買収者による買収が企業価値、株主共同の価値を毀損
ブルドックは食品という健康・文化と関わる高い専門性を要求される業務であるのに対して、買収者にその分野の見識がないと見られること
買収後の経営方針について具体的な説明がないこと
ATOBの条件・方法が不適当であること
TOB価格等が低すぎること
Aは株主が判断すべきことだとしても、@については子供の言い訳のような言い草に聞こえてしまう
このような理屈を許せば、およそ企業という企業は高い専門性が要求され、したがってジェネラルな投資対象を扱うファンドによる買収は不可ということになってしまう
また、TOBが一方的にしかけられたにせよ、ファンドと会社の話し合いがもたれていない段階で、「具体的な説明がない」からすなわち不可というのはいかがであろうか
おそらく銀行家や法律家が楽しんでワーディングした文書であろうが、少なくとも私には経営者らの保身の言い訳にした聞こえてこない
さて、言い訳は好きにさせるとして、詳しく検討されるべきは新株予約権だろう
基準日の発行済株式総数の3倍の新株予約権が発行され、行使価額は1円だから、概ね、既存株主の株式を4倍にする取引と言ってよい
問題なのは、新株予約権はすべての株主に交付されるものの、
@ かの米系ファンド
A その共同保有者
B 特別関係者
C @〜Bから取締役会承認なしに新株予約権を譲り受けた者
D @〜Cの関連者
には行使する権利を与えず、かわりに新株予約権1個あたり396円で買い受けるというのだ
この買収防衛策は株主総会の特別決議によって承認を得るため、会社側は法律論争においても自信を持っているという
私は、このスキームに三つほど問題を感じている
まず一つ目は、新株予約権に実質的な譲渡制限が付いていること
譲渡制限が付けられてはいけないはずの上場株式をUnderline AssetにしたOptionに譲渡制限が付されている
これは、上場規則の抜け道なのではないか
二つ目はD関連者の定義だ
「関連者」の定義は、@〜Cの共同の支配下にある、または、協調して行動する者と、取締役会が認めた者
とされている
つまり、「関連者」であるか否かは、ブルドックの取締役会が決めるという
これは、恣意的に株主を不平等に取り扱うことにならないか
三つ目は、このようなスキームが認められれば、これがグリーン・メーラーへの利益供与を可能にするスキームになりかねないことだ
今回の買収者がグリーン・メーラーであるかどうか、私には知見がない
しかし、今回のスキームが認められてしまうと、次回、仮に暴力団関係者・総会屋が同じような買収提案を行った場合に、会社は合法的にそれらの者に利益供与をできるようになってしまわないか
本件ではブルドックソースの財務アドバイザーに野村證券が、法律顧問に西村ときわ法律事務所が選任されている
いずれも、日本の最大手のプロフェッショナルだ
このようなプロ中のプロが、たとえ法や規則の目を潜り抜けたにせよ、上記のようなスキームを後押しするとは嘆かわしいことだ
これら一流のプロフェッショナルが求めるべきことは、
法や規則に反しないことではなく
法や規則の精神を守ること
なのではないか
単に「法廷闘争で勝てるからよし」とするのか
金のためなら、どんな論陣でも張るというなら、そのような人たちがトップを張っている日本を悲観したくなる
そもそも、問題の根源は上場する株式会社の基本的あり方にある
会社法に定める株式会社では「所有と経営の分離」を実現し、それが効率的な事業運営を実現する一助となっている
経営者が経営のプロとして、素人からの買収に対して拒絶感を持つのも無理はない
しかしながら、会社法は、所有者である株主の会社への支配権まで否定するものではない
根源的な株主権である役員の選任を通じて、株主は会社を支配するようにビルト・インされているのである
それを一企業が否定してかかるとすれば、それには無理がある
また、取引所規則では、上場株式に譲渡制限を付すことを原則禁じている
つまり、株式を上場させるということは、誰が株を買ってもいいということだ
多くのIPOでは創業者らがキャピタル・ゲインの恩恵を得る
それと引き換えに、株主が分散していくのである
キャピタル・ゲインだけを得て、株主は相変わらず自分たちで指名したいというのはいささか欲張りではないか
このような会社法・取引所規則の精神を鑑みるに、最近の買収防衛策のほとんどは、脱法・脱規則の策であるように見えてしまう
このようなことに日本のトップのプロフェッショナルが加担するとは悲しいことだ
幸い今回は決定権を株主が有している
プロフェッショナルの見識に期待できない以上、株主の見識に期待したい
公共性の高い民間事業を懲らしめることの難しさ
虚偽申請で訪問介護の事業所指定を受けていたコムスンの行く末が混沌としている
親会社のグッドウィルは、コムスンの全事業を日本シルバーサービスに譲渡することで収拾を図ろうとしたようだが、厚生労働省が凍結するように行政指導した
処分逃れとの批判が高まったのを受けてのことのようだ。
まず、今回の処分を受けた企業について意見を述べると、
虚偽申請は悪質であり、組織的である
処分逃れも組織的に行っていた節がある
ことを鑑み、いかなる処分を受けようと同情の余地はない
その上で、介護を受ける側に人たちに不利益がこうむらないことを念頭に、一般論を述べてみたい
提起したいのは、今回の事業譲渡がグループ企業へではなく、グループ外の企業へであったなら許されたかということだ
確かに売り手はその事業を失うことになるが、事業譲渡の対価を受け取ることになる
仮に事業譲渡が全く許されない場合、グッドウィルは多額の費用を費やして事業を清算することになろう
しかし、グループ外企業への事業譲渡が許され、かつ、譲り受けた企業が何のペナルティを受けることなく事業を継続するなら、当該事業には大きな価値があるということになる
その対価を売り手が受け取るなら、売り手は清算にともなう多額の費用を費やすこともなく、事業譲渡の対価まで受け取れることになる
つまり、事業譲渡の是非というのは、売り先がグループ内であるか否かによって左右されるものではないと思われるのだ
では、いかなる事業譲渡も禁じてしまったらどうなるだろう
そうすれば、グッドウィルは大きな清算費用を費やすことでペナルティを受ける
おそらく、競合相手はコムソンの人材を雇用し、無償で事業を拡大できるのだろう
しかし、この時には、介護を受ける側の人たちの一部に大きな負担が発生する危険がある
そもそも競合相手がコムソンのすべての介護サービスを乗っ取ろうと考えるかどうか疑問だ
おそらく、収益性の高い商売だけを持っていくだろう
そうならば、取り残された利用者は不運だ
だから、厚生労働省としても、事業が雲散霧消してしまうシナリオは避けたいところだろう
今回の本質的な問題点は、介護保険の立法化の時の用意不足にあるのだろう
そもそも立法化の時に、
・違反者に多大な課徴金を課す
・他社による譲受の禁止
などの条項を織り込んでおけば、このような議論は起こらなかった
業界トップの犯罪という想定外の事件が起きて、この用意不足に光が当たってしまったということではないか
実はこのような問題は、多くの業種で起こっていることだ
公共事業や銀行・保険などの許認可事業において、談合や問題のある業務が行われた場合を考えてほしい
それが悪質なとき、国は事業の継続を禁止できるだろうか
公共設備のアフター・サービスが消失したり、銀行の借り手が取り残されたりする事態を許容できるだろうか
現実には、脚光こそ当たっていないが、見過ごされているように思える
性悪説が重要であるということを感じさせる事件だった
親会社のグッドウィルは、コムスンの全事業を日本シルバーサービスに譲渡することで収拾を図ろうとしたようだが、厚生労働省が凍結するように行政指導した
処分逃れとの批判が高まったのを受けてのことのようだ。
まず、今回の処分を受けた企業について意見を述べると、
虚偽申請は悪質であり、組織的である
処分逃れも組織的に行っていた節がある
ことを鑑み、いかなる処分を受けようと同情の余地はない
その上で、介護を受ける側に人たちに不利益がこうむらないことを念頭に、一般論を述べてみたい
提起したいのは、今回の事業譲渡がグループ企業へではなく、グループ外の企業へであったなら許されたかということだ
確かに売り手はその事業を失うことになるが、事業譲渡の対価を受け取ることになる
仮に事業譲渡が全く許されない場合、グッドウィルは多額の費用を費やして事業を清算することになろう
しかし、グループ外企業への事業譲渡が許され、かつ、譲り受けた企業が何のペナルティを受けることなく事業を継続するなら、当該事業には大きな価値があるということになる
その対価を売り手が受け取るなら、売り手は清算にともなう多額の費用を費やすこともなく、事業譲渡の対価まで受け取れることになる
つまり、事業譲渡の是非というのは、売り先がグループ内であるか否かによって左右されるものではないと思われるのだ
では、いかなる事業譲渡も禁じてしまったらどうなるだろう
そうすれば、グッドウィルは大きな清算費用を費やすことでペナルティを受ける
おそらく、競合相手はコムソンの人材を雇用し、無償で事業を拡大できるのだろう
しかし、この時には、介護を受ける側の人たちの一部に大きな負担が発生する危険がある
そもそも競合相手がコムソンのすべての介護サービスを乗っ取ろうと考えるかどうか疑問だ
おそらく、収益性の高い商売だけを持っていくだろう
そうならば、取り残された利用者は不運だ
だから、厚生労働省としても、事業が雲散霧消してしまうシナリオは避けたいところだろう
今回の本質的な問題点は、介護保険の立法化の時の用意不足にあるのだろう
そもそも立法化の時に、
・違反者に多大な課徴金を課す
・他社による譲受の禁止
などの条項を織り込んでおけば、このような議論は起こらなかった
業界トップの犯罪という想定外の事件が起きて、この用意不足に光が当たってしまったということではないか
実はこのような問題は、多くの業種で起こっていることだ
公共事業や銀行・保険などの許認可事業において、談合や問題のある業務が行われた場合を考えてほしい
それが悪質なとき、国は事業の継続を禁止できるだろうか
公共設備のアフター・サービスが消失したり、銀行の借り手が取り残されたりする事態を許容できるだろうか
現実には、脚光こそ当たっていないが、見過ごされているように思える
性悪説が重要であるということを感じさせる事件だった
2007年06月07日
マスコミの見識とは
楽天とTBSの論争が法廷へと持ち込まれるようだ
楽天が2割弱の持分を持つTBSに対して会計帳簿の閲覧を求めていた件で、TBSはこれを拒絶、楽天は東京地裁に履行を求める仮処分を申請した
興味深いのは、日本経済新聞によればTBSの井上社長が会計帳簿の閲覧の可否について、
主要部分は有価証券報告書で開示している
(裁判所から)言われれば見せる
と述べている点である
会社法433条1項では、議決権(または保有株式数)の3%以上を有する株主に会計帳簿閲覧請求権を与えている
同条2項にいくつかの制限事項が定められているものの、楽天の閲覧に大きな問題は存在しないように見える
TBSも覚悟しているだろうから、それが「言われれば見せる」という発言になるのだろう
妙なのは「有報に開示しているから」という理屈だ
もしもこの理屈を許せば、上場企業や継続開示会社の株主には会計帳簿閲覧請求権が与えられないという話になる
TBSは独自にそのように法を定めたのだろうか
立法府ではなく、不偏不党を心がけるべきテレビ局が何を考えていたのだろうか
そもそも、メディアが買収対象となる案件について、メディアはきちんと是非を論じることを回避したがる傾向がある
むろん当事者として自局の放送を自社の擁護のために使ってはいけないのは当たり前だ
しかし、せめて、自局の放送でない記者会見などの場では、常日頃自局のニュースで論じているくらいの見識は見せてほしいものだ
また、他局も互いに傷を舐めあうようなことはせず、メディア買収のニュースを一般企業と同じように論じて欲しいものだ
マスコミは自分の都合の悪いことが起こると、最後は「不偏不党」などという言葉で世間を煙に巻く
言っている本人は気づいていないかもしれないが、世論の大部分はそれが身勝手な理屈であり、保身でしかないことに気づいている
楽天が2割弱の持分を持つTBSに対して会計帳簿の閲覧を求めていた件で、TBSはこれを拒絶、楽天は東京地裁に履行を求める仮処分を申請した
興味深いのは、日本経済新聞によればTBSの井上社長が会計帳簿の閲覧の可否について、
主要部分は有価証券報告書で開示している
(裁判所から)言われれば見せる
と述べている点である
会社法433条1項では、議決権(または保有株式数)の3%以上を有する株主に会計帳簿閲覧請求権を与えている
同条2項にいくつかの制限事項が定められているものの、楽天の閲覧に大きな問題は存在しないように見える
TBSも覚悟しているだろうから、それが「言われれば見せる」という発言になるのだろう
妙なのは「有報に開示しているから」という理屈だ
もしもこの理屈を許せば、上場企業や継続開示会社の株主には会計帳簿閲覧請求権が与えられないという話になる
TBSは独自にそのように法を定めたのだろうか
立法府ではなく、不偏不党を心がけるべきテレビ局が何を考えていたのだろうか
そもそも、メディアが買収対象となる案件について、メディアはきちんと是非を論じることを回避したがる傾向がある
むろん当事者として自局の放送を自社の擁護のために使ってはいけないのは当たり前だ
しかし、せめて、自局の放送でない記者会見などの場では、常日頃自局のニュースで論じているくらいの見識は見せてほしいものだ
また、他局も互いに傷を舐めあうようなことはせず、メディア買収のニュースを一般企業と同じように論じて欲しいものだ
マスコミは自分の都合の悪いことが起こると、最後は「不偏不党」などという言葉で世間を煙に巻く
言っている本人は気づいていないかもしれないが、世論の大部分はそれが身勝手な理屈であり、保身でしかないことに気づいている
2007年06月06日
時価でものを考えられない世の中
新銀行東京があえいでいる
累積損失800億円を抱え、水面上へ浮上さえめどがたたない
そもそもこの銀行が経営的に失敗するであろうことは目に見えていた
民間銀行の経営力も決して褒められたものではないが、それはそれなりに一生懸命働いてきて、なおかつ公的資金のお世話にならざるを得なかったのが銀行業だ
そうなのに、東京都が新しい銀行を作って、民間企業としても成功するという絵はあまりにも現実離れしている
そもそも、中小企業経営者の立場から言えば、新銀行東京から借金をしたくないだろう
それはあたかも「自分の会社はSub-standardの中小企業です」というかのようなものだ
そう宣言すれば、その会社は他の銀行も、業者選別の厳しい顧客もとり逃してしまう
自然と新銀行東京には他からはじかれた企業が集まり、結果は不良債権の効率的な生産にならざるをえない
このようなことは新銀行東京が設立される前から、多くの人が懸念していた
それなのに、石原東京都知事と都議会は、新銀行東京への出資を進めてしまった
そもそも東京都が中小企業に資金を供給したければ、金融機関に委託する制度融資や、自らが運営する直貸しという手法もとれたはずだ
それをせずに銀行を設立したところに「自分がやればすべてうまくやれる」というにわかには信じられない過剰な自信があるのだろう
社会的貢献も、民間企業としての健全経営も、石原都知事がやればすべてうまくやれる
たいへんな自信だ
たとえ800億円を損するとしても、都からの直貸しならばもっと効果が上がったのではないか、とも思えてくる
新銀行東京が失った800億円は、本当に都のために有意義に使われたのか
安易な破綻企業の延命策に使われたのではないか
直貸しならば、もう少し都の施策に沿った効果を挙げられたのではないか
残念ながら、結果は累積損失800億円超、これは気の遠くなる金額だ
都経済への波及効果も明確でない
都知事も都議会もどうやって責任をとるつもりなのか
最近、私が最近気になるのは、これを報じるマスコミが
もしも都が出資した金額が戻らなければ、都民の負担になる
と盛んに書いていることだ
まあ、確かにキャッシュフローに注目すれば誤った言い方とは言い切れない
しかし、注意したいことがある
累積損失800億円超ということは、すでに新銀行東京の株主資本は大きく毀損しているということ
だから、将来どうなるかわからない回収について「もしも」というような言い方をするのではなく、
簿価ベースで800億円超が毀損している
都の持分84%分にして、700億円ほどが毀損している
これはすでに都民の負担になっている
と言うのが正しいのではないか
確かに、何かの奇跡が起きて、都の出資がすべて回収できることもありうるだろう
しかし、それは偶然の僥倖であって、現時点で論じるべきものではない
今論じるべきは、すでに都民が700億円もの損害を被っているということだ
この800億円の累積損失、700億円の都民負担をゆり戻すほどの奇跡は考えにくい
唯一あるとすれば、銀行が立ち直るというよりも、銀行設立に責任ある人たちによる簿価による株の買戻しだろう
実行すれば、石原都知事を初めとして数十人〜数百人の人たちで800億円の現金支出を求められることになる
本来はこういう解決法こそフェアだと思うのだが、まず日本ではありえない解決策に思えてしまうのが情けない
累積損失800億円を抱え、水面上へ浮上さえめどがたたない
そもそもこの銀行が経営的に失敗するであろうことは目に見えていた
民間銀行の経営力も決して褒められたものではないが、それはそれなりに一生懸命働いてきて、なおかつ公的資金のお世話にならざるを得なかったのが銀行業だ
そうなのに、東京都が新しい銀行を作って、民間企業としても成功するという絵はあまりにも現実離れしている
そもそも、中小企業経営者の立場から言えば、新銀行東京から借金をしたくないだろう
それはあたかも「自分の会社はSub-standardの中小企業です」というかのようなものだ
そう宣言すれば、その会社は他の銀行も、業者選別の厳しい顧客もとり逃してしまう
自然と新銀行東京には他からはじかれた企業が集まり、結果は不良債権の効率的な生産にならざるをえない
このようなことは新銀行東京が設立される前から、多くの人が懸念していた
それなのに、石原東京都知事と都議会は、新銀行東京への出資を進めてしまった
そもそも東京都が中小企業に資金を供給したければ、金融機関に委託する制度融資や、自らが運営する直貸しという手法もとれたはずだ
それをせずに銀行を設立したところに「自分がやればすべてうまくやれる」というにわかには信じられない過剰な自信があるのだろう
社会的貢献も、民間企業としての健全経営も、石原都知事がやればすべてうまくやれる
たいへんな自信だ
たとえ800億円を損するとしても、都からの直貸しならばもっと効果が上がったのではないか、とも思えてくる
新銀行東京が失った800億円は、本当に都のために有意義に使われたのか
安易な破綻企業の延命策に使われたのではないか
直貸しならば、もう少し都の施策に沿った効果を挙げられたのではないか
残念ながら、結果は累積損失800億円超、これは気の遠くなる金額だ
都経済への波及効果も明確でない
都知事も都議会もどうやって責任をとるつもりなのか
最近、私が最近気になるのは、これを報じるマスコミが
もしも都が出資した金額が戻らなければ、都民の負担になる
と盛んに書いていることだ
まあ、確かにキャッシュフローに注目すれば誤った言い方とは言い切れない
しかし、注意したいことがある
累積損失800億円超ということは、すでに新銀行東京の株主資本は大きく毀損しているということ
だから、将来どうなるかわからない回収について「もしも」というような言い方をするのではなく、
簿価ベースで800億円超が毀損している
都の持分84%分にして、700億円ほどが毀損している
これはすでに都民の負担になっている
と言うのが正しいのではないか
確かに、何かの奇跡が起きて、都の出資がすべて回収できることもありうるだろう
しかし、それは偶然の僥倖であって、現時点で論じるべきものではない
今論じるべきは、すでに都民が700億円もの損害を被っているということだ
この800億円の累積損失、700億円の都民負担をゆり戻すほどの奇跡は考えにくい
唯一あるとすれば、銀行が立ち直るというよりも、銀行設立に責任ある人たちによる簿価による株の買戻しだろう
実行すれば、石原都知事を初めとして数十人〜数百人の人たちで800億円の現金支出を求められることになる
本来はこういう解決法こそフェアだと思うのだが、まず日本ではありえない解決策に思えてしまうのが情けない
2007年06月05日
T・ZONEの合併に待った
前述のとおり、T・ZONEは上場親会社の親会社にあたるKEホールディングスと合併する予定だった
これは本ブログでは「不思議な取引」と表現したが、JASDAQ市場も素通しにはしなかったようだ
「不適当な合併等」に該当するとして、上場審査の受け直しを要求したのである
JASDAQ市場は、この合併での実質的な存在会社がT・ZONEではないとした
上場審査並みのレベルになければ、上場廃止へ向かうとしたのである
T・ZONEは上場廃止猶予期間中に上場維持の審査を受けることを予定しているが、一般株主は上場廃止リスクを嫌気している
T・ZONEは合併に明確な目的があると胸を張るが、その「明確な目的」が見るものの心に瞬時には響かないのが不思議に感じられる
これは本ブログでは「不思議な取引」と表現したが、JASDAQ市場も素通しにはしなかったようだ
「不適当な合併等」に該当するとして、上場審査の受け直しを要求したのである
JASDAQ市場は、この合併での実質的な存在会社がT・ZONEではないとした
上場審査並みのレベルになければ、上場廃止へ向かうとしたのである
T・ZONEは上場廃止猶予期間中に上場維持の審査を受けることを予定しているが、一般株主は上場廃止リスクを嫌気している
T・ZONEは合併に明確な目的があると胸を張るが、その「明確な目的」が見るものの心に瞬時には響かないのが不思議に感じられる
NECエレクトロニクスに見る親子上場の是非
上場半導体大手NECエレクトロニクスの発行済み株式の7割を保有するNECが苦しい言い訳をしている
NECエレクトロニクスの海外大株主2社から親子上場の弊害を咎められて考えを示したもの:
資本政策を変えるつもりはない
NECの研究所と連携することで子会社の競争力が高まる
といったものだ
(出典: 日本経済新聞)
残念ながら、このような説明では
なぜ親子上場を是とするのか
なぜ出資関係を維持するのか
の答にはなっていない
今、問われているのは、
・不特定多数の少数株主との間で、利益相反が起こりうる親子上場を維持する理由
・研究所との連携によるメリットを得るくらいのことで出資関係を維持する理由
なのである
研究所と連携するくらいのことならば、資本関係などなくても業務提携で十分
親会社が7割の株式を保有する以上、親会社の意向が子会社の経営の意思決定に大きな影響を与えるのは必至
結果、親会社と子会社の少数株主との間に利益相反が生じやすい土壌にある
こういう基本的な論点に立ち戻った議論を正面から行うべきなのだ
どうやら日本の大企業というのは、有事(訴訟)にでもならない限り、経営の基本を議論したりしない生き物のようだ
NECエレクトロニクスの海外大株主2社から親子上場の弊害を咎められて考えを示したもの:
資本政策を変えるつもりはない
NECの研究所と連携することで子会社の競争力が高まる
といったものだ
(出典: 日本経済新聞)
残念ながら、このような説明では
なぜ親子上場を是とするのか
なぜ出資関係を維持するのか
の答にはなっていない
今、問われているのは、
・不特定多数の少数株主との間で、利益相反が起こりうる親子上場を維持する理由
・研究所との連携によるメリットを得るくらいのことで出資関係を維持する理由
なのである
研究所と連携するくらいのことならば、資本関係などなくても業務提携で十分
親会社が7割の株式を保有する以上、親会社の意向が子会社の経営の意思決定に大きな影響を与えるのは必至
結果、親会社と子会社の少数株主との間に利益相反が生じやすい土壌にある
こういう基本的な論点に立ち戻った議論を正面から行うべきなのだ
どうやら日本の大企業というのは、有事(訴訟)にでもならない限り、経営の基本を議論したりしない生き物のようだ