コラム

2008年04月28日

第三者割当増資の論点

最近、既存株主の権利を害するような第三者割当増資が散見され、問題視されている。
関連のコラム
以下、その論点の整理。

問題点

・1株あたり利益が希薄化し株価が下落する危険性
・企業の支配権が移転してしまう可能性

違法性の争点

・有利発行: 株主総会の特別決議を経ずに株式を市場価格より特に有利な価格で
       第三者に割り当てる。
 (例)サンテレホン(2006年、東京地裁)、オープンループ(2006年、札幌地裁)

・不公正発行: 発行の主要目的が資金調達ではなく、企業の支配権の維持や移動である。
 (例)ニッポン放送(2005年、東京高裁)、日本精密(2007年、さいたま地裁)

法規制の強化のみでなく、証券取引所の自主ルールで規制する可能性もある。
ニューヨーク証券取引所では20%超の株式発行に株主総会決議を義務付けている。


(参考)2008年4月28日、日本経済新聞
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2008年04月25日

神田通信機 (1992) 業績下方修正

08年3月期の業績予想を下方修正した。
売上高こそ5,367百万円から5,205百万円の微減だが、営業利益は92百万円から18百万円への引き下げとなった。

売上がほぼ予想なみだったのに対し営業減益となった要因は、
・原価高の案件
・当初見込んでいなかったパッケージソフト開発の費用発生
とされている。

過去の株式レポート
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2008年04月24日

日本板硝子 (5202) グローバル化のお手本

日本板硝子の社長にイギリスの子会社Pilkingtonの社長のチェンバース氏が就任する。
社外取締役を除くボードの過半を外国人が占めるというから、立派な多国籍企業だ。
日本企業がグローバル化する手本とすべき事例ではないか。

日本板硝子は2006年に自社の倍の売上のある英社Pilkingtonを子会社化した。
国内市場が成熟する中で、海外比率わずか2割と出遅れたための起死回生の買収だった。
このような同業間での買収を成功させるのは、言うまでもなくPost-acquisition Consolidationである。

従来の日本企業のように、資本の論理を振りかざしたやり方だったらどうなるだろう。
日本板硝子側が「買収する金は日本板硝子の金だから」として、Pilkingtonの経営を入れ替え、日本側による統治を行うケースだ。
Pilkingtonの役員・従業員、特に優秀なホワイトカラーは自律性を失ったと感じ、極度なモラルダウンに陥っていただろう。
かつて誇を持って仕事にあたっていた人たちが、日系企業の「ローカル社員」という意識を抱いてしまう。
たくさんの従業員が、優秀な順に会社を去ってしまい、被買収企業の価値は瞬く間に失われてしまうだろう。

今回の日本板硝子の決定は、クロス・ボーダーの買収に限らず、Post-acquisition Consolidationのお手本と言えるものだった。
買収資金は買収会社のものであって、買収会社の役員・従業員のものではない。
それは、買収会社の株主のものなのである。
だから、Post-acquisition Consolidationは、それら株主の利益を最大化させるように努めなければならない。

買収で得るものは、財産や市場シェアだけではない。
大切なのは、優秀な人材だ。
だから、被買収会社の人材を最大限に生かす施策を考えるべきだ。
そこで「被買収会社の組織・人材に最大限に活躍していただく」という考えが必要になる。

そのような観点からも、今回の日本板硝子の意思決定は賞賛に値する。
こういう経営を行っていれば、市場シェアがさほど大きくない会社でも、自然とグローバル化がなされていくのではないか。
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2008年04月23日

知的財産の保護と社会の効率、公正な競争のせめぎあい

公正取引委員会がJASRACに立ち入り検査に入ったとCNetが報じている。
JASRACは放送局と著作権使用に関する包括利用許諾契約を結んでおり、NHKおよび地上波放送局に対して、放送事業収入の1.5%を使用料として徴収する代わりに、管理楽曲については自由に利用できるようにしている。
公正取引委員会はこの点において、他の著作権管理団体の新規参入を妨げている疑いがあると判断した。
この営みには3つのポイントが含まれているように思う:
・楽曲を知的財産として保護するための仕組みとしてJASRACが機能している。
・個々の管理楽曲ごとに使用料を払う代わりに、放送事業収入の%で支払う取り決めとなっている。
・この仕組みが、著作権管理市場での公正な競争を阻害する要因となっている。

現状の仕組みでは、放送局は楽曲を使いたいときに自由に使って、細かな管理もなく、どんぶりで支払えばよい。
とても効率のいいやり方であり、放送局にとっても効率面ではありがたいものだろう。
著作権者にとっても、著作権管理を委託するという面でのメリットがある。

しかし、このような便利で強固な仕組みが出来上がってしまうと、新規参入はますます難しくなる。
結果、放送局も著作権者も選択の幅がなくなってしまう。
これを自然独占とするか、顧客との不公正な取り決めによってもたらされた独占とするか、公正取引委員会の判断が注目される。
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トッキ (9813) 特別損益の発生と通期業績予想の下方修正

キャノン傘下となったトッキが、特別損益の発生と業績予想の下方修正を発表した。

特別利益

臨時株主総会で退任した役員が退職慰労金を辞退し、役員退職慰労引当金戻入益165百万円を計上。
通期の特別利益は、中間期までに計上した受注損失引当金戻入益361百万円等を含めた385百万円と併せ、550百万円を計上する見通し。

特別損失

中国向けの商談で受注獲得交渉を中止したため、仕掛品を他社へ転売するための販売活動を続けていたが、仕様変更の可能性を考慮し、棚卸資産評価損101百万円を含め特別損失184百万円を計上。
通期の特別損失は、中間期までに計上した棚卸資産評価損99百万円、資本業務提携の株式発行諸費用の内アドバイザリー費用216百万円と併せ、500百万円を計上する見通し。

通期連結業績予想の下方修正

売上高は前回予想から▲16%の68.9億円。
上記の仕掛品の転売について受注が遅れたことにより、売上高が来期へ期ずれしたことが主因。

営業利益は前回予想123百万円から、赤字転落の▲820百万円。
これも、上記の期ずれが大きく効いたものという。

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キャノンマシナリー (6344) 通期業績予想の上方修正

通期連結業績予想の上方修正を発表した。
売上高は前回予想375億円から今回予想377億円への微増だが、営業利益は39.5億円から47.2億円の大幅な上方修正となった。

キャノン傘下となりFAシステム事業が拡大していたが、親会社キャノン向けの大型設備について、部品の内製化や生産性向上・コストダウン等が進み、利益率が向上したもの。

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日本サーボ (6585) 日本電産効果で黒字回復

08年3月期の業績を開示した。
08年3月期より日立グループから離脱し、日本電産の連結子会社となっている。

連結売上高は前期比9%増の350億円、営業利益は黒字転換し20.5億円となった。
日本電産入りの効果は予想以上だったようだ。
09年3月期の会社予想の営業利益は27億円。
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2008年04月22日

この記事、内容の本質が理解できますか

新聞記事を読んでいると、しばしばひどく不親切な記事に出会うことがある。
FujiSankei Business i.によるこの記事もこの一つ。
一読いただき、この意味が理解できるだろうか。
要点は
・「グリーン電力証書」の購入費用を課税対象外の損金とみなすよう財務省に求める
・「グリーン電力証書」の排出枠への算入も目指す
ということだが。

そもそも「課税対象外の損金」という言葉からして、読者を混乱させるものだ。
現状がどうであるかを述べずに、今後の方向性だけを述べようとするところに、この説明の不親切さがある。
事実はこうだ。
現在、企業はクリーンなエネルギーを使うことを求められている。
しかし、すべての企業が、すべてのエネルギーをクリーンなエネルギーにできるわけではない。
そこで、クリーンなエネルギーを作る発電会社には「グリーン電力証書」を発行することにした。
クリーンなエネルギーを作れない・使えない会社は、この証書を購入することで、環境保全に貢献したとみなしてもらえる。
一方、クリーンなエネルギーの発電会社は、証書の売却収入でクリーンな発電をさらに推進することができる。

ここで、ひとつ問題があった。
この証書の購入費用は現在、税務上の損金とはされず、寄付金扱いとされている。
これを損金扱いしてあげれば、企業の税負担が減り、より多くの証書を購入することができる。

また、京都議定書などの国際条約によって、将来、各企業ごとにCO2の排出量に枠が課される可能性がある。
そのような制度となった場合も、この証書の売買によって枠の移転ができるように目指したい。

かなり解説的な書き方になったが、こう書けば理解してくれる人の数は飛躍的に増えるだろう。

不親切な記事が生まれる理由にはいくつかある。
・読者はこれくらいは知っているはずだという記者の思い込み
・記者自身が書いている内容をよく理解していない場合
多くの場合、後者であるのは言うまでもない。
きちんと調べて自ら理解した上で書くことを厭う人がいることは嘆かわしい。
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システムディ (3804) 2008年9月期業績予想を下方修正

ソフト開発のシステムディが今期の業績予想を下方修正した。
通期売上高予想は従来の2,237百万円から1,917百万円とダウン。
学校向けパッケージの新バージョンのリリースが開発に手間取り、下期にずれ込んだのを主因としている。

この売上減にともない、営業利益予想は338百万円から132百万円へ引き下げられている。

過去の株式レポート
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フリップチップボンダ

ボンディングワイヤを使わず、フリップチップ(ICチップ表面部に突起電極「バンプ」を形成したチップ)とパッケージをバンプを介して接続するボンダのこと。
ワイヤボンダに比べて微細化に有利である。
特にフィルムにICを接続する用途により拡大してきた。
今後も、Chip Size PackageやMulti-chip Moduleの動向とともに応用が広がると期待されている。

バンプとインターポーザの接続方法には、
・金属接合:はんだ(Au-Sn(、Pb-Sn)、Sn-Ag-Cu、Sn-Ag、Sn-Cu)
・接着法:金バンプと銀ペースト(ポリイミド樹脂)
・圧接法:金バンプと異方性導電膜(PET樹脂)
があり、Au-Sn接合が数量ベースで約6割を占めると言われている。

国内主要メーカは、
・パナソニックファクトリーソリューションズ:市場の半分を占める
・東レエンジニアリング
・芝浦メカトロニクス
・澁谷工業
の4社で、寡占状態にある。
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GaN(ガリウムナイトライド)半導体

Siのバンドギャップ1.12eVに対し、GaNは3.45eV(光の波長で約365nmに相当)と3倍も広い。
この特性を活かしLEDや青色半導体レーザのような光デバイス向けに用いられる。
ワイドバンドギャップ半導体と呼ばれるが、SiCと比べて、
・供給元が多く価格が下がりやすい
・用途がすでに立ち上がっている
ことから、実用化で先行している。

青色領域から長波長へも応用(三色LED)しようとする開発が続いている。
バンドギャップの調整のため、In、Alをドープし、緑や赤を作る。
緑色の領域(530nm域)では効率が青色の半分程度になってしまう。
三原色LEDの実用化には緑色LEDの効率向上が必須だ。

また、GaNトランジスタは
・高耐圧
・高温動作
・大きな電流密度
・高速スイッチング
・小さいオン抵抗
など、SiCと同様の利点があり、次世代パワーデバイスとして有望視されている。
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SiC(シリコンカーバイド)半導体

電気自動車・ハイブリッドカー向けのように大電流かつ高温での動作が可能となるため期待されている。
すでに産業用のダイオードに応用されている(米国Cree社やドイツSiCED社のSBD)。

交流の電力変換に用いられるインバータのコストを低減するには、小型化が大きく寄与する。
そのためにはデバイスに実装されるチップの小型化が重要だ。
しかし、変換する電力量が大きい場合、チップ面積を小さくすると発熱も大きくなってしまう。
この発熱の原因の主なものは
・オン損失:オン抵抗(電流が流れたときの抵抗値)が小さいほど挿入損失が小さくなる。
・スイッチング損失:トランジスタがオンからオフへ、あるいはオフからオンへ遷移したときに
 発生する損失で、スイッチングが高速になるほどスイッチング損失は小さくなる。

SiCは低オン抵抗・高速動作が可能なため、電力量の多い分野での応用が期待されている。
また、SiCは200度以上の高温環境下でも動作が可能である。
(自動車のエンジンルーム等では160度を超える動作温度が要求される)

SiC半導体は、Si半導体と同じように熱酸化により酸化絶縁膜を形成するMOS型デバイスであり、温度上昇によりオン抵抗が上昇してしまう。
高温動作を実現するには、高温でもオン抵抗が小さい素子の開発が必要になる。

そのほか、
・結晶成長が難しい(液相が存在しない)
・高速動作によるノイズの低減
・絶縁膜、保護膜、金属部分の安定性
・応力発生等に対応する高度な熱設計
・コスト低減
などの課題がある。
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2008年04月21日

インターネット検索の記録とクッキーの組み合わせが個人情報を危うくする?

インターネット検索の大手Googleは2007年4月にオンライン広告のDoubleClickの買収を発表した。
その後、独占禁止法等の観点からの審査を受けてきたが、今年3月に買収を完了した。
すでに買収が完了した後になって、この組み合わせの持つ潜在的な脅威が問題とされている。

本日のFinancial Timesアジア版では、この問題を一面で報じている。
DoubleClickがターゲット・マーケティングのためにユーザPCに埋め込むCookieが、Googleの保有するユーザの検索記録と組み合わさることで、個人情報の侵害を引き起こしうるというのだ。

たしかにCookieの中には、かなりの個人情報を含むものがある。
スパイウェア検出ツールを走らせるとTracking cookieとして検出されるものなどだ。
Tracking cookieはスパイウェアとは言えないが、PCユーザとしてはあまり気分のよくない情報がそこに含まれている。

Financial Timesでは、この重要な問題が買収完了後に問題とされていることを嘆いている。
指摘されるように、私たちが気づかないうちに、私たちのブラウズ履歴が予期せぬ目的に使われているかもしれない。
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不健全な与野党の勢力争い

本日の日本経済新聞では、同紙の世論調査の結果、内閣支持率が29%に低下したことが報じられている。
政策が何も進まない現状ではやむをえまい。
しかし、野党第一党の民主党の主張も、あまりにも愚民の人気取りに見える。
本当に庶民は愚民なのか。

同世論調査でのガソリン暫定税率についての回答が興味深い。
・上乗せをやめたまま今のガソリン価格を維持する:42%
・上乗せを再開し一般財源として道路整備以外に使う:39%
税金を軽く済ませたいというのは、いつの世にも庶民の願いだろうから、上の42%は「さもあろう」数字だ。
税金を軽く済ませたいという庶民感覚がバイアスになっているから、当然に数字が大きくなるのだろう。
しかし、「上乗せを再開して一般財源化」の39%は注目に値する。
多くの庶民が、自分たちの税金の負担を重くしても、一般財源化という方向を望んでいるのである。
逆のバイアスを跳ね返して、これだけのパーセンテージとなったことは、日本の庶民の見識を示すものだろう。

かつての小沢党首は、世の中から嫌われようと自分の信じる政策を推し進める、政治家だったように思う。
今は、二大政党制への最後のチャンスを生かすため、なりふりかまわず人気取りに徹しているように見えてしまう。
あたかも、国会は、自民党が2つになったようだ。
こういう言い争いを聞いていると、「衆議院が解散されても、国政は望ましい方向に進むだろうか」と心配になる。
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2008年04月16日

オープンという概念はいつから始まるか

ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)による電源開発株式会社(Jパワー)株の買い増しが中止勧告された。
昨日の財務省関税・外国為替等審議会(外為審)外国為替等分科会外資特別部会による意見書を受けた経済産業省の決定である。
意見書は、TCIからの届出に関して、外国為替及び外国貿易法(外為法)第27条第5項の規定に基づき、意見を求められたことに対する回答だった。

意見書の骨子は次の通り:
Jパワーは長期的な設備投資を行うことで、我が国の電力の安定供給を支えている。
また、国の原子力・核燃料サイクル政策にとって重要な大間原子力発電所の建設計画等を予定している。
TCIによるJパワーの株式追加取得が行われた場合、電力インフラの計画・運用・維持、原子力・核燃料サイクル政策に不測の影響が及ぶ可能性を否定することはできない。
よって、政府において適切な対応がとられることを求める。

なんとも安全を見た意見書であるように読める
「不測の影響が及ぶ可能性を否定することはできない」のは程度の差こそあれ、社会の常だ。
この程度の根拠付けで否とするなら、この審議会は根拠少なく過大な発言力を持つと揶揄されるのではないか。

電力事業が外為法第27条の適用業種である以上、日本政府が可としようが否としようが、他国に言われるいわれのない決定だと思う。
しかし、その根拠・基準については、きちんと公表すべき点もあったろう。
日本経済新聞で報道されているポイントは4つ:
・3-5年の投資期間では長期的な視点が必要な原子力事業にそぐわない。
・役員派遣により電力の安定供給に懸念がありうる。
・TCIによる原発の国営化の提案は民営化に逆行する。
・TCIの投資実績から「株価を上げて逃げていく」心配がある。
電力という社会インフラの根幹をなす事業であるためだろうが、なんとも事なかれ主義、企業経営者よりの見方だと思う。
今議論されているのは、民営化され株式公開された事業に対して、出資を制限するかどうかだ。
そもそも、判断にグレーゾーンが存在するような領域で、上記のような主観的な判断材料しかないなら、民営化をすべきではなかったろうと言われているのだ。

外為審自身が意見書で明らかにしているとおり、対内直接投資を受けることは健全な企業統治を育てる力となりうる。
外国人投資家も日本の投資家も、日本企業がAgency Problemを最小化して、株主の利益に資するつもりがあるのかを注視している。
投資家は、お金を持った企業経営者が、そのお金を企業のために使わず、自己の保身・権力拡大のために使うのではないかと心配しているのだ。
企業経営者には、そもそもアクティビスト・ファンドに狙われないような立派な経営をお願いしたい。
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ゼネラル・リーの責任者ジョセフ・ブランドン氏が辞任

かつてバフェット氏の後継者と目されていたジョセフ・ブランドン氏が辞任した。
AIGの粉飾まがいの経理スキームに加担したとしてすでにロナルド・ファーガソン氏をはじめとするゼネラル・リー前経営陣らが有罪となっている。
今回辞任したブランドン氏は不起訴とされていた。

ブランドン氏はバフェット氏の側近で、後継者として期待されていた。
Financial Timesでは、今回の辞任がバークシャー・ハザウェイにとって大きな打撃だと報じている。
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2008年04月12日

奇妙なまでに感傷的なマツモトキヨシのプレスリリース

マツモトキヨシが変わった趣のプレスリリースをした。
高田薬局との業務提携を解消するという内容だ。
高田薬局がウエルシア関東と経営統合することにともなう措置であり、ここまでは何も珍しいことではない。

変わっているというのは、リリース文の書き方だ。
 業務提携関係にありながら、マツモトキヨシに事前説明することなく経営統合を公表した
ことに憤っている様子だ。
 背信行為であり当社との信頼関係が破壊されたと言わざるを得ません
としている。

本来、業務提携を解消するリリースなら、淡々と事実を語るものでよかったはずだ。
それが、恨み節のような趣になったのは、マツモトキヨシの狼狽と怒りによるものだろう。
原則論を言えば、経営統合のような高度な企業間取引を行う場合、守秘義務契約で厳しく秘密漏洩を禁じているから、業務提携先への事前説明などありえない。
実務上は、公表直前に意図的に契約違反を行うことが行われている。
しかし、それをしなかったとしても、それはやむをえないことと考えるのが自然だ。

おそらく背景には、もっと深みのある背景があるのだろうが、それは公衆には見えない。
マツモトキヨシは、いささか社格を自ら損なったのではないか。
まったくそうする必要のないものだったように思える。


以下、会社プレスリリース原文:

平成20年4月11日

各 位
会社名 株式会社マツモトキヨシホールディングス
代表者名 代表取締役社長 松本 南海雄
コード番号 3088 東証一部
問合せ先 広報室長 高橋 伸治
(TEL:047-344-5110)

業務提携解消に関するお知らせ

当社は、株式会社マツモトキヨシが株式会社高田薬局との間で平成13年5月30日に締結いたしました業務提携により、自社開発商品(株式会社マツモトキヨシ)の供給/商品の仕入、販売及び価格等に関する情報交換/物流センター機能の共有化/出店に関する情報交換など友好な関係を構築してまいりました。
しかし、株式会社高田薬局は平成20年3月14日、業務提携契約を締結しております当社及び株式会社マツモトキヨシに対して事前説明することなく、他グループ企業である「ウエルシア関東」と株式移転による共同持株会社設立及び経営統合することを内容とした基本合意書を締結し公表されました。
当社及び株式会社マツモトキヨシと業務提携関係にありながら、株式会社高田薬局のかような行為は、背信行為であり当社との信頼関係が破壊されたと言わざるを得ません。
これにより、当社は平成20年4月11日付けで株式会社高田薬局に対して契約解除通知書を発送し、当社との間の契約関係全てを解除すると共に、業務提携を解消いたしました。
なお、この事による当社への影響は軽微であります。
以 上
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2008年04月11日

日銀総裁人事にかかわるメディアの過剰反応

日銀副総裁人事が決まらない
興味深いのはメディアの反応だ
「日銀人事を政争の具とするのはけしからん」という風だ
日銀総裁人事は自民党が財務省出身者を推し、民主党が拒絶するという展開だった
衆議院は政府提案を可決し、参議院は否決した
確かに政争の具でもあったのだろう
しかし、この経過に本質論のかけらもなかったのだろうか

金融経済の知識・経験という観点で言えば、日銀の方がはるかに財務省より人材が厚い
特に大蔵省が財務省と金融庁に分割されてから、財務省は予算分配の組織という色が強くなった
ならば、財務省出身者を日銀総裁とするロジックは弱い
中央銀行と財務省が密接な意見交換を行うのは必須のことだ
しかし、それは総裁ポストを定期的に確保するというのとは別の話だろう
このような視点で見ても、財務省出身者が日銀総裁となるのは「天下り」と言われてもしかたのないものだった
出身によって人材登用が一律に拒絶されるのも妙なものだが、恒久的に財務省出身者を拒絶するものでなければ、それは相応の理屈ではないか
結果はどうあれ、国会でそのような議論がきちんと行われたことを評価したい

候補者が差し替えられるに連れ、民主党内に亀裂が生じかけたことも批判された
メディアとは不思議なもので、あたかも政党とは一枚岩でなければいけないとでもいう言い分だ
党内に様々な意見があり、話し合いによって統一されるプロセスを否とする理由があるのか
独裁国家でも望んでいるのかと疑いたくなる
もっとも、その場合の独裁者とは自メディアそのものなのだろうが

日銀は景気と為替について、かつてなく重大な課題を負っている
今回は幸い緊急事態ではなかった
政策金利による金融調整は効きにくいほどの低金利になってしまっているし、市場への流動性供給について尖鋭な対立のある時期でもない
為替は注視が必要な水準にあるが、大幅な変動を放置するような可能性のある状況でもない
目先の仕事については、方向性は見通せている
問題は長期的にどう円を守っていくか
国家のファンダメンタルズに照らして、どのようなシナリオで円相場を導き、政策金利を通常の水準に戻していくか
新総裁に期待したい
posted by 浜町SCI at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治