コラム

2008年09月22日

東芝 (6502) あまりにもダイナミックな合従連衡の変遷

韓国のサムスン電子が米国の半導体大手サンディスクに提示した買収提案について、サンディスクは、提案された買収価格が十分でないことを理由に拒否した。
しかし、この買収劇は終わったわけではない。
東芝は、この買収劇に当分悩まされることだろう。

サムスンが8月に提示した買収価格は1株26ドル、総額で58.5億円だ。
買収提案の開示前の終値に9割以上のプレミアムがついていた。
NAND型フラッシュメモリでサムスンは首位、東芝は2位、サムスンは東芝を引き離したい。
サムスンはサンディスクに年間350百万ドルの特許料を支払っている。
サンディスクを買収できれば、特許料の負担がなくなるほか、規模・技術の両面で優位が強まる。
また、市況が低迷するフラッシュメモリ市場にも好影響を与えるかもしれない。

東芝は、原子力発電とNANDメモリに大きくリソースを集中してきた。
東芝は99年からサンディスクとNANDメモリの分野で協力関係にある。
そのNANDメモリの分野でのサンディスクとの協力関係は、経営の屋台骨の一つになっている。
予定しているNANDメモリの新工場2棟のうち1棟もサンディスクとの共同事業を予定している。
サンディスクがライバルの手に落ちれば、大きく事業計画を見直すことになろう。
場合によっては、対抗措置も考えているはずだ。

フラッシュメモリの市況は低迷し、サンディスクの4-6月は赤字だ。
東芝も、フラッシュメモリの価格下落、システムLSIの不振のため、上期の業績予想を300億円の営業損失に下方修正している。
サンディクスの買収合戦に乗り出せば、損益が厳しい中、損益の厳しい事業のため、損益の厳しい会社を買収するという難しい仕事になる。
かと言って、ただ指をくわえて事を見送るには、あまりにも莫大な資金を投下してきた。

99年から続く合従連衡策。
とてもうまくいっていたように見えたが、磐石ではなかった。
合従連衡には寿命がある。
それを改めて感じさせる話であった。
posted by 浜町SCI at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(2) | 産業
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