コラム

2008年10月26日

短期市場予測 (2) 1ドル80円割れへ

ドルの急落が始まった。
24日、日本市場が閉じた後、海外で、米ドルは一時90.950円まで下落した。
為替は動き出すと早い。
協調介入の網をすり抜け、あっという間に新しい相場を形成する。

これまで何度も述べてきたが、サブプライムローンの本質は、米国の貿易赤字にある。
貿易赤字を資本収支で賄わなければならないから、米国は、海外投資家向けに魅力的な金融商品を用意しなければならない。
今回は、それが不動産だった。
海外投資家は、住宅公社債権を購入し、その流動性が過度に不動産市場へ流入した。
不動産価格の高騰が資産効果を生み、株式市場・実体経済にプラスに働いてきた。
その部分が調整すれば、株式市場も、実体経済も大きな巻戻しに直面せざるを得ない。

金融危機を乗り越えることができても、この慢性的な構図に変化がなければ、同じことを繰り返すしかない。
次は、どの資産クラスになるかという違いでしかないからだ。
もちろん、億万長者の移民がたくさん米国に移住してくれ、米国の資産を買ってくれてもよいが、億万長者の投資にかかわる挙動は国籍によらないことが多い。
では、慢性的な貿易赤字を解消するにはどうすればいいか。
言うまでもなく、米国が輸出を増やすこと。
つまり、ドル安だ。

ドル安が進行すれば、米国の輸出は増大するだろう。
しかし、すでに、米国産業はサービス化が進んでしまっている。
何を輸出するか、輸出すべきものがあるのだろうか。
米国は、外国企業にとっても生産・輸出の拠点となれるような、誘致活動をすべきかも知れない。
ドル安のみに頼った輸出振興では、国は貧しくなるばかりだ。

米ドルは、円、人民元など、対米輸出の多い国の通貨に対して、減価せざるを得ない。
ドル円で言えば、90年代半ばに80円を試す展開があった。
今回も、それと匹敵するか、それ以上の展開となると予想する。

80円割れは必至、70円までは進まないというのがHSCIの予想である。
下値をつけた後は、80-90円のレンジとなるのではないか。

(1) 日経平均5,000円台前半へ <<
posted by 浜町SCI at 06:53 | Comment(0) | TrackBack(3) | 気になる投資環境
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