コラム

2008年10月27日

新銀行東京を巡り始まる刑事事件

警視庁は、新銀行東京から借入金約50百万円を詐取したとして、新銀行東京元行員ほか計7人を詐欺容疑で逮捕した。
元行員は融資先の経営者らと共謀し、改ざんした決算報告書などで銀行から借入金を引き出したという。
融資先には営業の実態がなかった。

今後、このような刑事事件が増えるだろう。
今回は、融資先に営業実態がないという極端な事例だった。
しかし、過去の金融スキャンダルをレビューすれば、営業実態があったとしても、返済の見込みがないような融資を行った場合、詐欺での立件が可能であることに思い当たる。

1980年代後半、米国でS&Lが経営危機に陥ったことがある。
この時は、預金保険機構による支援により金融危機を乗り切っている。
その後、S&L経営者の経営責任を問うべく、徹底的な刑事訴訟が行われた。
一つの典型的な罪状は、日本と同じく詐欺罪であった。
さらに、米国で特徴的なのは、共同謀議という罪状である。
不法な共同目的のために合意するだけで有罪とされる共同謀議という罪は、刑事被告人の範囲を広くするのに好都合だった。
共同謀議は英米法に特徴的な罪であり、日本法には存在しない。
新銀行東京においても、米国の先例に比べれば、訴訟・被告人の範囲は狭くなろう。
そもそも、米国には、Bank Bribery(銀行の贈収賄)という犯罪がある。
銀行員には、公務員と同等のモラルを要求しているわけだ。

法律上の制約はあるにせよ、司法当局には、是非とも厳しい態度で臨んでいただきたい。
社会通念上、返済の見込みがないと思われるような融資を、返済が可能として行うのは詐欺罪であり、背任・横領にあたることを徹底してほしい。
仮に、刑事事件とできない事例においても、民事訴訟とすることは可能だ。
都民の1,000億円を数年で失った責任は、徹底的に明らかにしなければならない。
posted by 浜町SCI at 21:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業
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