コラム

2008年10月27日

市場がシャープに反応するのを非とするべきか − 銀行の時価会計の是非

昨日、HSCIが公表した短期市場予測は大きな反響をいただいた。
HSCIは、決して、売り方に組するものではない。
貿易黒字国である日本の株価が、対ドルでの円高余地が残る現状では、さらに下げ余地があることを述べたものだ。
見方を変えるなら、さらに円が強くなるなら、円ベースでの株価が下がろうとも、通貨バスケットでの株式の価値が下がるとは限らないとも言えるわけだ。

今日の日経平均は、前営業日比486円18銭(6.36%)安の7,162円90銭、バブル崩壊後の最安値で引けた。
HSCIとしても心苦しいが、昨日の予想レンジに近づきつつある。
重ねて言うが、HSCIは、現状の株価水準をオーバーシュートと見ている。

さて、本コラムで問題としたいのは、銀行の時価会計の停止である。
反対も多い中、時価会計を停止するロジックは主に二つ:
 ・市場価格が、真実の価値を示さない環境にある。
 ・速やかな開示が、資産価格のオーバーシュートを誘発する。
他にも、金融機関が困るからとか、国際的な公平性とか、本質的でないものもあるが、それは除外して考えよう。
一つ目については多くの人が同意するにしても、二つ目はどうだろう。

この数年、世界中で、上場企業の情報開示は改善に向かっている。
このスピーディーな情報開示が、資産価格、とりわけ株価の変動幅を増幅し、特にネガティブなニュースに対する株価のオーバーシュートを誘発するという指摘がある。
これは事実だろう。
開示のスピードが遅ければ、情報・予想に不確実性が生まれ、ある一方向へのぶれを抑制する効果があるかも知れない。

それを認めるにせよ、開示を改悪することには賛成しがたい。
投資家の立場で言えば、スピーディーに、より客観的な開示を受けたいのは当たり前だ。
さらに、株価がオーバーシュートする弊害があっても、仮にそのオーバーシュートがより早い回復をもたらすなら、歓迎したいと思うものだ。

早期に日経平均が底を打ち、回復に向かうことを願いたい。
posted by 浜町SCI at 21:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 気になる投資環境
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