コラム

2008年11月07日

本末転倒な地域金融機関の保有株式の時価会計停止

金融担当大臣が表明したと報道されている。
貸し渋り対策のため、地域金融機関に限り、株式含み損の算入を停止するものだ。

これまで自己資本規制の「国内基準」では、
 ・株式の含み益は自己資本に含めない
 ・株式の含み損は自己資本から差し引く
というルールだった。
これを、含み損の場合も差し引かないこととするという。

目的は、貸し渋り対策であり、是としよう。
手法も、国内基準であることから、是とできるかも知れない。
しかし、それでも、本末転倒であることを強調したい。

まず、国内基準は、すでにゲタが履かされているということ。
国際基準では8%が要求される自己資本だが、国内基準では4%でよい。
すでにゲタを履かせてもらっている地域金融機関に、さらに救済措置を講じる必要があるのか。

次に、株式の時価会計停止は、行政の不作為が生んだ結末であること。
株式の時価会計を停止するという問題意識は、海外諸国にはない。
これは、純粋に国内問題だ。
なぜか。
海外の金融機関では、株式保有はそれほど大きくないからだ。
Commercial Lenderが株式を保有することは、健全なことではない。

これまで政府は、なぜ、金融機関の株式保有を減じるべき施策を強化しなかったのか。
「貯蓄から投資へ」が進まないから、金融機関の株式保有がなくならない。
そこに来て株価が下落したから、時価会計を停止するというのはいかがなものか。
なんとも、節操のない金融行政ではないか。
posted by 浜町SCI at 21:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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