コラム

2008年11月11日

AIGに15兆円支援で始まる先進国の支援合戦

米国政府によるAIGの追加支援が決まった。

これまでの分を合わせ、総額15兆円規模の支援になる。

来年初には民主党大統領が誕生し、上下院でも民主党が多数だから、政府による民間企業支援には追い風だろう。

金融機関を救うことには賛否があろうが、金融システム維持のためにはしかたない。

さらに、今後は、より雇用の源泉として重要な自動車産業などの製造業にも支援を行うかどうかの議論となろう。



国家が民間企業を救うことは、結果的には、政府の財務的負担において企業セクターを強化することになる。

アメリカがGMを救うなら、相対的にはトヨタに不利に働く。

これは、国家間の産業の競争でもあるのだ。

米国政府がGMを救うとすれば、救済範囲の議論こそあろうが、最終的には、やむをえない措置として捉えられるかも知れない。

結果、相対的に、米国産業の国際競争力は向上する。



米国政府の財政赤字は増すかもしれないが、それもまた、許容されよう。

財政赤字が拡大することで、米国の信頼が低下するなら、それは長期的にはドル安となって現れる。

これは、経常赤字に苦しむ米国にとっては、あながち悪い話ではない。



問題は日本だ。

日本は経常黒字国だが、財政赤字は世界のトップレベル。

日本企業は相対的には傷が浅いとされているから、社会格差が問題となっていることもあり、政府による民間企業支援への理解は得られまい。

日本の製造業は、国際競争上、不利な立場に置かれることになる。



また、財政赤字が大きくても、なかなか円は弱くはならない。

日本の国債は日本人が買っているから、円を売る圧力は強くなりにくい。

円を売るとすれば、再び、キャリートレードのような外貨運用の需要が高まるしかない。

円が強含みなら、製造業にはあまりいい環境ではない。



日本政府は、経済振興という面でも、難しい舵取りを迫られそうだ。
posted by 浜町SCI at 20:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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