コラム

2007年03月28日

新人材バンク構想と世代間の不公平

フジサンケイ ビジネスアイによれば
安倍晋三首相は「新人材バンクを可能な限り早期に立ち上げ、設置後3年以内に完全な一元化を実現したい」と明言した
ということだ
さらに、実現までは紆余曲折が予想されている

この構想は、談合などの悪しき官民癒着や非効率な外郭団体を誘発する天下りを廃したいという目的だろう
なぜ、この当たり前の願望を実現するのに、ここまでもめるのだろう
正論の例を述べれば、
・公務員の再就職の可能性を不当に狭めてしまう
・優秀な人材の再配置が進まないのは社会的損失
というところだろうか考えてみれば、公務員の皆さんが自身が思うほど優秀であるならば「天下り」などという方法をとらなくとも、相応しいポジションはいくらでもあるはずだ
本音の部分では、官の看板を背負わなければたいしたことができないという冷静な観察がある
その上で、
自分たちは熾烈な公務員試験をくぐり公務員になった
学生時代も成績優秀だった
今まで安い給料で激務に耐えてきた
それなのに、恩給の一類型である天下りを奪うのか
というのが本音だろう
さらに
もしもやるなら、これから入省する世代でやればいい
過去、薄給に耐えてきた世代から、天下りを奪うのは不公平だ
と言いたいかも知れない
ここには世代間の不公平が存在するのかもしれない

しかし、この議論も官と民の不公平を考えれば、打ち消されてしまうだろう
民の中にも擬似「天下り」は存在する
大企業のシニア層が本体を引退する際、関係会社や協力会社に再就職する場合だ
有形・無形の利権をしょっていくという意味では、官の天下りと同じである
しかし、このような擬似「天下り」は民間企業の体力を確実に蝕んでいく
この悪習は、関係会社や協力会社の市場競争力を弱め、それが本体に波及する
結果、天下らせた本体の企業業績が陰り、ペナルティを受ける
そのようなフィードバック・プロセスが存在するのである

しかるに、官の天下りでは、そのような自浄サイクルが働かない
勘定の尻が、国民の税金であるからだ
そうであれば、看過はできない

公務員の立場に立てば、既得権益を守りたいというのも尤もなことだし、世代間の不公平も感じるだろう
しかし、官民の不公平に目を向けたとき、天下りを廃絶しようと努力することは尊いことと考えるべきだろう
posted by 浜町SCI at 12:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録
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