コラム

2007年05月25日

不思議な取引

最近新聞を読んでいると、不思議な取引を見かけることがある
いや、新聞記事だけで「不思議」と断ずるのは早いだろう
きっと何か事情があるに違いない
しかし、少なくとも、丁寧に説明または報道されていないように思える

九州親和ホールディングスの解散
これは持株会社の解散であって、銀行の解散だから特筆すべきことではないのかも知れない
しかし、報道された経営者の会見では不思議な回答がクローズアップされた
本来、企業が経営に行きづまった時、株主の負担で清算を行うのは、法にも当然の手順だ
この決断を尋ねられたふくおかFG谷社長は、
 九州親和HDの現在の株価では優先株の含み損が大きすぎる

優先株とは公的資金の対価として国が保有する優先株を指している
つまり、現在の普通株の株価から算出した優先株の「時価」で公的資金の返済を図るとすれば、国に大きな損害が生じるといいたいのだろう
この回答の不思議なことは、国が買い戻しによって公的資金の回収するか否かは国の判断であるべきなのに、それを発行体が言及しているところにある
それとも、発行体は国に買い戻しを申し入れて断られたのだろうか
そうなら、そう言えばよい

仮に発行体が優先株の時価での買い戻しを申し入れた場合、投資家である国は、その申し出を検討して対応を決める裁量を有する
「時価」で売ると損がでて都合が悪いなら、優先株の償還期限まで保有して、償還を受ければいい
その意思決定のプロセスまでも発行体が語ることに違和感がある

おそらく国に配慮したのだろう
公的資金は、銀行業界が業界の信用度を主張するための伝家の宝刀だ
その出し手である国を悪者にして、怒らせないという配慮ではないか
しかし、違和感があるには変わりない


KEホールディングスとT・ZONEホールディングスの合併
個人の資産管理会社であるKEホールディングスは、SFCG(旧商工ファンド、東証上場)を子会社として保有する
SFCGはT・ZONEホールディングス(JASDAQ上場)を子会社として保有する
つまり、KEホールディングスは孫会社であるT・ZONEと合併する
結果、SFCGは合併新会社の子会社となる

日本経済新聞では「複雑なグループ内の資本関係を整理し、投資事業をテコにしたグループ拡大に弾みを付ける」と目的が書かれている
複雑な関係が整理されるのは間違いない
しかし、KEは個人の資産管理会社、本当に事業上の意味があるのか

KEの株主はこの合併で、T・ZONE株式を交付される
 体のいい未公開株と公開株の交換ではないか
 本当の理由は、換金性の確保や税務上のメリットにあるのではないか
などと疑いたくもなる話だ
(もちろん、筆者の根拠のない推測であるので、ご注意いただきたい)
posted by 浜町SCI at 08:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 気になる投資環境
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