コラム
2007年07月20日
東京地裁による村上氏への判決
東京地裁が村上ファンドによるインサイダー取引について有罪として実刑2年を言い渡した
日本が「社会主義」的思潮を回復しつつある中で、その線に沿った判決であったといえよう
しかし、最近の地裁・高裁の判断はあまりにも市場に対して無知な面が多い
速やかに判断を下すことには利点が多いが、稚拙に過ぎる場合には、何かを同時に提案すべきではないか
村上ファンドのインサイダー取引を有罪とするのは、一つの判断だろう
それが民意をくむものであるなら、それを否定すべきものではない
しかし、単純に有罪を言い渡すだけに終われば、それは通常の資本市場の営みまで阻害しかねない
理想的には時間をかけて、違法性の基準について根を詰めて定義を明らかにすべきだった
M&Aの世界では、隠密裏にストラテジック・トークを交わすのは通常のことだ
今回の判決では、そのような当たり前の営みまで制約を課してしまう危険性が高い
そこで、どのような不都合が起こりうるか、例を想定してみたい
@ホワイト・ナイト外し
ある筋の悪い投資家が乗っ取りを企んだとする
まさに株主の公共の利益に反するような乗っ取りであることを、神様まで認めるような事例だと仮定してほしい
しかし、その会社にはホワイト・ナイト候補がいたとする
そこで、乗っ取り屋は考える
乗っ取り屋はホワイト・ナイト候補のところに行き、
・自分の投資計画、経営戦略を説明し
・ホワイト・ナイト候補に共同投資を呼びかける
ホワイト・ナイト候補は、もとより共同する気持ちはない
ホワイト・ナイトとして株式の防衛買いをしようとする
しかし、それはインサイダー取引に該当してしまう
なぜなら、乗っ取り屋が買収を進める詳細についてインサイダー情報を知ってしまったからだ
これを咎めるのは不公平ではないか
A買収防衛策
機関投資家が投資の前後に発行体に会社・財務内容をヒアリングするのは通常行われていることだ
仮に、発行体がその機関投資家(または投資ファンド)を株主として歓迎したくないとする
そこで、発行体は考える
発行体は機関投資家の投資前のヒアリングで、意図的にインサイダー情報について口を滑らせる
機関投資家はそのインサイダー情報までは期待していなかったが、たまたま聞かされてしまう
その時点で、その機関投資家は買いに入ることができなくなってしまう
これを咎めるのは不公平ではないか
BMBO
ある経営者が、心から自社の経営改善を願ってMBOを考えたとする
もちろん、重要事項についていくつも知る立場にある
その時点で自社の株式を買うことはインサイダー取引ではないか
これは咎めることは構わないものの、そうしてしまうとMBOというのは事実上存在しえなくなる
C投資銀行の勧誘
投資銀行が潜在的な買い手に対して、ある会社の買収を提案するとする
投資銀行は買収対象と買い手の間を行き来して、会話をとりもったりする
そこで、たまたま買い手に第三者の知りえない情報が伝わってしまった
その上で買い手が買収を行えばインサイダー取引ではないか
これは禁止することは可能だが、そうすればM&Aは激減するだろう
Dデューディリジェンス
買収交渉が最終局面を向かえ、デューディリジェンスを行った
デューディリジェンスでは多くのインサイダー情報に接する
その上で最終的に買収の可否を決定するが、それはインサイダー取引ではないのか
これを禁止すれば、事実上M&Aは目をつぶって行わざるを得なくなる
以上のようなことが私の懸念である
むろん、図らずしてインサイダー情報を知ってしまった買い手は、その事実を公表してから買い進むという方法はあろう
守秘義務契約を結んでいない限り、契約上は可能かもしれない
しかし、信義則で行動するビジネス界において、守秘義務契約がないからといって相手方の重要な情報をペラペラしゃべるなどありえない
何かセーフ・ハーバー・ルールがいる
シティ・コードのようなものかもしれない
放置したままというのは最もよろしくない
日本が「社会主義」的思潮を回復しつつある中で、その線に沿った判決であったといえよう
しかし、最近の地裁・高裁の判断はあまりにも市場に対して無知な面が多い
速やかに判断を下すことには利点が多いが、稚拙に過ぎる場合には、何かを同時に提案すべきではないか
村上ファンドのインサイダー取引を有罪とするのは、一つの判断だろう
それが民意をくむものであるなら、それを否定すべきものではない
しかし、単純に有罪を言い渡すだけに終われば、それは通常の資本市場の営みまで阻害しかねない
理想的には時間をかけて、違法性の基準について根を詰めて定義を明らかにすべきだった
M&Aの世界では、隠密裏にストラテジック・トークを交わすのは通常のことだ
今回の判決では、そのような当たり前の営みまで制約を課してしまう危険性が高い
そこで、どのような不都合が起こりうるか、例を想定してみたい
@ホワイト・ナイト外し
ある筋の悪い投資家が乗っ取りを企んだとする
まさに株主の公共の利益に反するような乗っ取りであることを、神様まで認めるような事例だと仮定してほしい
しかし、その会社にはホワイト・ナイト候補がいたとする
そこで、乗っ取り屋は考える
乗っ取り屋はホワイト・ナイト候補のところに行き、
・自分の投資計画、経営戦略を説明し
・ホワイト・ナイト候補に共同投資を呼びかける
ホワイト・ナイト候補は、もとより共同する気持ちはない
ホワイト・ナイトとして株式の防衛買いをしようとする
しかし、それはインサイダー取引に該当してしまう
なぜなら、乗っ取り屋が買収を進める詳細についてインサイダー情報を知ってしまったからだ
これを咎めるのは不公平ではないか
A買収防衛策
機関投資家が投資の前後に発行体に会社・財務内容をヒアリングするのは通常行われていることだ
仮に、発行体がその機関投資家(または投資ファンド)を株主として歓迎したくないとする
そこで、発行体は考える
発行体は機関投資家の投資前のヒアリングで、意図的にインサイダー情報について口を滑らせる
機関投資家はそのインサイダー情報までは期待していなかったが、たまたま聞かされてしまう
その時点で、その機関投資家は買いに入ることができなくなってしまう
これを咎めるのは不公平ではないか
BMBO
ある経営者が、心から自社の経営改善を願ってMBOを考えたとする
もちろん、重要事項についていくつも知る立場にある
その時点で自社の株式を買うことはインサイダー取引ではないか
これは咎めることは構わないものの、そうしてしまうとMBOというのは事実上存在しえなくなる
C投資銀行の勧誘
投資銀行が潜在的な買い手に対して、ある会社の買収を提案するとする
投資銀行は買収対象と買い手の間を行き来して、会話をとりもったりする
そこで、たまたま買い手に第三者の知りえない情報が伝わってしまった
その上で買い手が買収を行えばインサイダー取引ではないか
これは禁止することは可能だが、そうすればM&Aは激減するだろう
Dデューディリジェンス
買収交渉が最終局面を向かえ、デューディリジェンスを行った
デューディリジェンスでは多くのインサイダー情報に接する
その上で最終的に買収の可否を決定するが、それはインサイダー取引ではないのか
これを禁止すれば、事実上M&Aは目をつぶって行わざるを得なくなる
以上のようなことが私の懸念である
むろん、図らずしてインサイダー情報を知ってしまった買い手は、その事実を公表してから買い進むという方法はあろう
守秘義務契約を結んでいない限り、契約上は可能かもしれない
しかし、信義則で行動するビジネス界において、守秘義務契約がないからといって相手方の重要な情報をペラペラしゃべるなどありえない
何かセーフ・ハーバー・ルールがいる
シティ・コードのようなものかもしれない
放置したままというのは最もよろしくない
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/76807693
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
http://blog.seesaa.jp/tb/76807693
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック