コラム

2008年03月12日

リスクテイクを忘れて産業へのオーナーシップを失う日本人

人材派遣大手グッドウィルがサーベラスとモルガンスタンレーのコンソーシアムの傘下になることを発表した。
この業界最大手企業は、次から次へと不祥事が発覚し、行政処分も受け、株価が底を這うようになって外資に買われることとなった。
コンソーシアムはグッドウィルに200億円を投資する。
うち155億円はデット・エクイティ・スワップ(DES)であるので、ニュー・マネーは45億円になる。
なお、コンソーシアムはみずほ銀行から貸出債権を譲り受け、うち155億円がDESの対価に当てられ、優先株に転換される予定だ。

筆者はビジネスの世界に国籍は関係ないと思う一人だ。
しかし、簡単に業界最大手を手放してしまう金満日本には危機感を感じずにはいられない。

かつて日本も海外資産を買いあさった時期があった。
1980年代のバブル期だ。
マンハッタン5番街の高層ビルを買うなど、海外から非難を浴びたものだ。
本来、カネを払ってモノを買うのに非難を浴びるいわれはないのに。
その後、そのような対外投資が大きな損失をこうむるに連れ、現地の世論も非難から冷笑に変わった。
カモにされる日本人を象徴した出来事だった。

今は日本が買われる一方だ。
いかにスキャンダルが続いたにせよ、極めて多数の従業員を抱える産業の最大手が傾いていたのである。
さんざん安くなったところで外資に持っていかれることを喜ぶべきだろうか。
外資を非難するつもりはない。
彼らは果敢にリスクをとったのである。
むしろ賞賛されるべきだ。

問題はカネあまりの日本人の方だろう。
業界最大手が傾いた。
ならば、日本人がリスクをとってカネを出し、経営を引き継ぐことがなぜできないのか。
個人投資家と事業会社、金融機関、日系投資ファンドにそういう元気がないのはなぜなのか。

金融の基本はリスクをとることにある。
リスクをとれない日本人にはリターンもまたない。
それは社会全体にも当てはまることに思えて心配だ。
posted by 浜町SCI at 23:02 | Comment(0) | TrackBack(1) | 産業
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