コラム

2008年07月03日

M&Aにおける買い手との識別

財務省管轄の企業会計基準委員会が2005年12月27日に公表した「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」において、M&Aの買い手の識別の手順が説明されている。
(1) 対価要件で取得と判定された場合には、対価を支出した企業を取得企業とする。
(2) 議決権比率要件で取得と判定された場合には、議決権比率が大きいと判定された結合当事企業を取得企業とする。
(3) 議決権比率以外の支配要件で取得と判定された場合には、支配を獲得したと判定された結合当事企業を取得企業とする。

対価要件
M&Aの対価の全部または一部に株式以外のもの(例えば現金等)が交付された場合は、それを支出した側が買い手になる。

議決権比率要件
M&A後企業に対する、元の企業の株主が有する議決権比率に差がある場合、議決権比率が大きい側が買い手となる。

議決権比率以外の支配要件
・重要な経営事項の意思決定機関の構成員の過半数を占めている場合
・いずれかの結合当事企業の株主が有利な立場にある場合
・企業結合日後2 年以内に大部分の事業を処分する予定がある場合
・多額のプレミアムが発生している場合
・結合当事企業が3 社以上の場合
が挙げられ、これらの場合で支配的な地位にある側を買い手とする。
posted by 浜町SCI at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年06月13日

エヌジェーケー (9748) 連結子会社メディアドライブを完全子会社化

8月1日に連結子会社メディアドライブを簡易株式交換により完全子会社化すると発表した。

メディアドライブは、OCRや音声認識等の認識技術に特化したオリジナルパッケージ開発・販売事業を中心に事業を展開している。
会社はメディアドライブのOCR技術を応用したパッケージ製品を開発するなど、両社間で技術的な連携を深めていた。
また、メディアドライブが受注したOCRソリューション案件のOCR以外の開発を会社が受託するなど、営業面・開発面でも連携進めている。

メディアドライブとの事業シナジーを強化、意思決定と事業展開を迅速化、あわせてグループ経営の効率化を図るためとしている。
posted by 浜町SCI at 20:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年06月09日

2009年以降の個人の証券税制

個人が受け取る上場株式等の配当等・譲渡益の10%軽減税率は2008年で廃止される。
同時に、現在10%軽減税率とされているものに2009-2010年は経過措置を講じる。

配当
源泉徴収税率は10%。
受取配当が年間1百万円(原則として少額配当等を除く)
・以下の場合: 申告不要。税率10%の申告分離課税または総合課税の選択制。
・超の場合: 以下の選択制
 ◆申告分離課税(税率は年間100万円以下の部分は10%、100 万円超の部分は20%)で、
  上場株式等の譲渡損と上限なく損益通算が可能。
   (2010年からは源泉徴収付特定口座での損益通算を可とする)
 ◆総合課税で、配当控除の適用。

上場株式等の譲渡益
・年間500 万円以下の部分は税率10%。
・年間500 万円超の部分は税率20%。

特定口座年間取引報告書の税務署への提出
上記の所得金額を確認するため、2009 年以降、源泉徴収付特定口座でも提出が必要。


(注)少額配当
現行では、1銘柄について1回に支払を受けるべき金額が、次により計算した金額以下であるもの:
 10万円 × 配当計算期間の月数(最高12か月)÷ 12
つまり年間10万円の受取とされてきたが、現在参議院で審議中の「所得税法等の一部を改正する法律案」では、これが年間1万円に引き下げられている。
posted by 浜町SCI at 12:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年06月04日

交易条件指数

輸出価格指数 ÷ 輸入価格指数 で計算される指数。

日本銀行の発表する指数が有名。
この指数が高いということは、輸入価格に対して輸出価格が高くなる傾向にあることを示し、貿易条件が有利と解される。

日本のような工業輸出国では、原油や資源価格が高騰すると輸入価格が上昇するため交易条件は悪化するが、その場合、この指数が低下していることになる。
posted by 浜町SCI at 18:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年05月08日

カーボン・フットプリント

消費者が店頭で買う商品を作る過程で排出した温暖化ガスの量を商品ごとに表示すること。

将来、温暖化ガスの削減費用を商品に課すような場合の仕組みの準備になる。
温暖化ガスの削減費用を消費者が負担するようになれば、「カーボン・オフセット」の普及の一助となる。
(カーボン・オフセット: 温暖化ガス排出量を排出枠の購入等で相殺すること。)

今年度に小売大手と経済産業省が指針を作成、来年度に各社がPB商品で実行する予定。
イギリス発祥の制度で、同国では20社75品目で実証実験中。
国際標準化機構(ISO)では、算定基準作りのための議論を開始。
EUはカーボン・フットプリント測定ツールキットの開発プロジェクトが進行中。

(2008年5月8日の日本経済新聞の1面・3面より作成)
posted by 浜町SCI at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 備忘録

2008年04月28日

第三者割当増資の論点

最近、既存株主の権利を害するような第三者割当増資が散見され、問題視されている。
関連のコラム
以下、その論点の整理。

問題点

・1株あたり利益が希薄化し株価が下落する危険性
・企業の支配権が移転してしまう可能性

違法性の争点

・有利発行: 株主総会の特別決議を経ずに株式を市場価格より特に有利な価格で
       第三者に割り当てる。
 (例)サンテレホン(2006年、東京地裁)、オープンループ(2006年、札幌地裁)

・不公正発行: 発行の主要目的が資金調達ではなく、企業の支配権の維持や移動である。
 (例)ニッポン放送(2005年、東京高裁)、日本精密(2007年、さいたま地裁)

法規制の強化のみでなく、証券取引所の自主ルールで規制する可能性もある。
ニューヨーク証券取引所では20%超の株式発行に株主総会決議を義務付けている。


(参考)2008年4月28日、日本経済新聞
posted by 浜町SCI at 19:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年03月08日

国内FPDの再編

本日の日本経済新聞より抜粋:

プラズマ
・松下
・日立
・パイオニアは撤退し、松下より調達

LCD
・パイオニアは撤退し、シャープより調達
・松下は日立より主導権を譲り受け自社生産
・東芝は撤退し、シャープから調達
・ソニーはシャープと生産JVを設立
・サムソン
・日立は松下に主導権を渡す
posted by 浜町SCI at 16:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年01月31日

2008年税制改正法案における事業承継税制

事業承継税制は、中小企業の後継者の相続税負担を軽減する制度

現行制度:
・特定同族会社株式(中小企業のうち、親族だけで5割超の株式を保有する企業の代表者が、相続後も5年間、雇用の8割以上を維持する)等
・発行済株式総数の相続税評価額20億円以下の部分
・相続税の課税価格の10%を軽減する特例
新制度:
・特定同族会社株式等
・発行済株式総数の2/3まで
・相続税評価額の上限を撤廃

相続後に株式を第三者に売却すれば、その時点で優遇が取りやめになり納税義務が発生
posted by 浜町SCI at 21:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年税制改正法案におけるエンジェル税制

エンジェル税制とは、個人投資家がVB投資をやりやすくするための税制

税優遇の対象は
・現行制度:
 特定新規中小企業者の株式
 設立日以後10 年までの中小企業の株式で、一定の有責組合により取得される株式
 設立日以後10 年までの中小企業の株式で、取扱金融商品取引業者を通じ取得されるもの
 地域再生法の特定地域再生事業会社で一定の要件を満たす会社の株式
・新制度 : 設立3年以内で、営業CF赤字が続いている企業

投資時点での優遇
・現行制度
 出資額を、他の株式譲渡益から差し引くことができる
 (差し引いた金額をVB株式の取得価額から差し引く)
・新制度
 出資額のうち年10百万円までを寄付金扱いとし所得控除するという案になっている
(寄付金控除:
 総所得の40%を上限
 1年間の寄付金の合計額から5千円を引いた額を所得控除)

譲渡時点での優遇
・現行制度
 公開後3年以内に売却した場合には、譲渡益を1/2に圧縮
posted by 浜町SCI at 20:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2008年01月20日

格差を引き起こすもの

格差社会と言われる
客観的に本当にそうかはわからないが、気になる格差がある
ワーキング・プアと派遣社員だ

格差がすべて悪いというものではないだろうが、一生懸命働いても貧困から脱せないという社会はやはりバランスを欠いている
それと同じように、同じ仕事をしていても正社員より劣る待遇を受ける派遣社員の制度もどうかと思う
同じ仕事をしたら同じ報酬を受けるというのが本筋だろう
結果的に、ひとつの会社にご奉公する真面目なサラリーマンが、終身雇用にしがみつきその既得権益を守ろうとするようにも見えてしまう悲しさがある
大企業の経営者の多くがしがみつく側だから、こう見えてしまう

社会に格差は必要だと思うし、格差は反道徳的なものではない
しかし、程度と公正さが確保されなければ、社会悪を生んでしまう
posted by 浜町SCI at 09:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年07月20日

東京地裁による村上氏への判決

東京地裁が村上ファンドによるインサイダー取引について有罪として実刑2年を言い渡した
日本が「社会主義」的思潮を回復しつつある中で、その線に沿った判決であったといえよう
しかし、最近の地裁・高裁の判断はあまりにも市場に対して無知な面が多い
速やかに判断を下すことには利点が多いが、稚拙に過ぎる場合には、何かを同時に提案すべきではないか

村上ファンドのインサイダー取引を有罪とするのは、一つの判断だろう
それが民意をくむものであるなら、それを否定すべきものではない
しかし、単純に有罪を言い渡すだけに終われば、それは通常の資本市場の営みまで阻害しかねない
理想的には時間をかけて、違法性の基準について根を詰めて定義を明らかにすべきだった

M&Aの世界では、隠密裏にストラテジック・トークを交わすのは通常のことだ
今回の判決では、そのような当たり前の営みまで制約を課してしまう危険性が高い
そこで、どのような不都合が起こりうるか、例を想定してみたい

@ホワイト・ナイト外し

ある筋の悪い投資家が乗っ取りを企んだとする
まさに株主の公共の利益に反するような乗っ取りであることを、神様まで認めるような事例だと仮定してほしい
しかし、その会社にはホワイト・ナイト候補がいたとする
そこで、乗っ取り屋は考える

乗っ取り屋はホワイト・ナイト候補のところに行き、
・自分の投資計画、経営戦略を説明し
・ホワイト・ナイト候補に共同投資を呼びかける
ホワイト・ナイト候補は、もとより共同する気持ちはない

ホワイト・ナイトとして株式の防衛買いをしようとする
しかし、それはインサイダー取引に該当してしまう
なぜなら、乗っ取り屋が買収を進める詳細についてインサイダー情報を知ってしまったからだ

これを咎めるのは不公平ではないか

A買収防衛策

機関投資家が投資の前後に発行体に会社・財務内容をヒアリングするのは通常行われていることだ
仮に、発行体がその機関投資家(または投資ファンド)を株主として歓迎したくないとする
そこで、発行体は考える

発行体は機関投資家の投資前のヒアリングで、意図的にインサイダー情報について口を滑らせる
機関投資家はそのインサイダー情報までは期待していなかったが、たまたま聞かされてしまう
その時点で、その機関投資家は買いに入ることができなくなってしまう

これを咎めるのは不公平ではないか

BMBO

ある経営者が、心から自社の経営改善を願ってMBOを考えたとする
もちろん、重要事項についていくつも知る立場にある
その時点で自社の株式を買うことはインサイダー取引ではないか

これは咎めることは構わないものの、そうしてしまうとMBOというのは事実上存在しえなくなる

C投資銀行の勧誘

投資銀行が潜在的な買い手に対して、ある会社の買収を提案するとする
投資銀行は買収対象と買い手の間を行き来して、会話をとりもったりする
そこで、たまたま買い手に第三者の知りえない情報が伝わってしまった
その上で買い手が買収を行えばインサイダー取引ではないか

これは禁止することは可能だが、そうすればM&Aは激減するだろう

Dデューディリジェンス

買収交渉が最終局面を向かえ、デューディリジェンスを行った
デューディリジェンスでは多くのインサイダー情報に接する
その上で最終的に買収の可否を決定するが、それはインサイダー取引ではないのか

これを禁止すれば、事実上M&Aは目をつぶって行わざるを得なくなる


以上のようなことが私の懸念である
むろん、図らずしてインサイダー情報を知ってしまった買い手は、その事実を公表してから買い進むという方法はあろう
守秘義務契約を結んでいない限り、契約上は可能かもしれない
しかし、信義則で行動するビジネス界において、守秘義務契約がないからといって相手方の重要な情報をペラペラしゃべるなどありえない

何かセーフ・ハーバー・ルールがいる
シティ・コードのようなものかもしれない
放置したままというのは最もよろしくない
posted by 浜町SCI at 19:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年07月19日

4723 グッドウィルのFBFの経過

以前触れたグッドウィルのFBFについて、実行後の経過を記録する

基準価格(7/6の東証終値)は42,500円であったため、払込金額は0.6倍の25,500円となった
 25,500÷0.95=26,842円
2営業日の平均がこの価格を切ると、行使価格は下限の1円となる
7/19終値は27,660円と、この水準に近づいている

さて、このFBFは普通のMSCBとは異なり、フロアが付いているのが特徴だった
これにより希薄化に限度が設けられているとされていた
しかしながら、株価はMSCBと同じように下落を始めた
条件決定日までは下げ幅がきつくなかったのに、その後、株価が下落した

フロアがついているから、そのフロアの辺りで下げ止まることもありうるが、それでもかなりの下げである
発行済み株式数に対して2割、かつ限定的な希薄化であることを考えると、やや下げすぎの感もある

帰納的な推測をしてみる
ドイツ銀行ほどの金融機関だから、グッドウィル株について何のバリュエーションも持たずに引受はするまい
とすれば、本ファイナンスの発表日6/25の前日終値53,200円にはそれなりの意味があったろう
これから下落することを予想していたとしても、その当時にドイツ銀行が考えるフェアバリューに近かったのではないか
そうだとすると、いかにドイツ銀行には損失が発生しにくいFBFであったとしても、今回の株価下落は予想以上のものとなりつつあるように思う
ここまで出来高をともなって株価が下落すると、ドイツ銀行の持分を売り抜けるのも骨だろう

グッドウィルは当初もくろんだほどには資金調達できなかった
株価もフロア近くまで下がった
ある面、悪い材料は出尽くした感がある
これ以上悪い材料があるとすれば、
・8月に発表されるであろう07年6月期の業績予想修整
・さらなるネガティブ・ニュース
・コムソン売却の不調
だろう
逆にそのような材料が新たにでなければ、最悪期を脱したことにもなりうる

なお、コムソン売却については、
・店晒しが続いて、事業が無価値になるのがワースト・シナリオ
・M&Aの常として、突然、公表されるのがベスト・シナリオ
いずれにしても、当面は株価が神経質な動きを続ける可能性が高い
posted by 浜町SCI at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年07月11日

2804 ブルドックソース買収防衛策についての東京高裁の決定

2007/7/10日本経済新聞に掲載された要旨から、重要な部分の骨子とコメント

株式会社の役割


株式会社を
理念的には企業価値を可能な限り最大化してそれを株主に分配するための営利組織
としながら、
多種多様な利害関係人との不可分な関係を視野に入れた上で企業価値を高めていくべき
とし、
企業価値について、専ら株主利益のみを考慮すれば足りるという考え方には限界があり採用することができない
とした
これは、昨年試行された会社法に対する重要な一解釈である

企業価値研究会や会社法の法制化にあたっては、メンバーの大半が企業価値を株主価値と考える考え方をとったと伝えられる
これは、株主価値を高めるためには、多種多様な利害関係人との不可分な関係を重視せざるをえないことに着目し、株主価値の向上を目指すことが結局、株主ならびに利害関係人の利益を生むという考えによるものと考える

一方で、上記の議論の中では、いわゆるCommunitarianと呼ばれる人たちも存在したことを心に留めるべき
その考えが、今回の東京高裁の決定の上記部分に当たる考え方だ
つまり、企業価値は株主を含む利害関係人すべての価値であるとする考え方だ。
この考え方について、その理念において反対する人は少ない
それは、この考え方でも、もう一方の考え方でも、目指すところに差はないからだ
しかし、Communitarianの考え方をとって問題となるのは、この考え方に基づき企業価値を向上させようとした場合、何を目標に定めればよいか不明確であり、結局、集団の行動に方向性や原動力が生じにくい点だ

あなたが
 「すべての利害関係人の価値を高めろ」
と言われたら、何をしたらいいか理解できるだろうか
そのかわりに
 「株主の価値を高めろ
  その実現のために利害関係人にも配慮しろ」
と言われれば、はるかに動きやすくなるだろう

投資ファンドの組織の性格


抗告人関係者(スティール・パートナーズ)は、投資ファンドという組織の性格上、・・・ひたすら自らの利益を追求しようとする存在といわざるを得ない
と指摘されている
ここでは、東京高裁があまりにも過大な議論をしてしまった感がある
つまり、投資ファンドという存在を頭から否定的にとらえてしまっているということだ

むろん、要旨の中には、東京高裁がこう判じたいくつかのスティール・パートナーズの固有の特徴がある
1. ブルドックの経営に関与しようとしないこと
 (スティール側が経営参加への具体策を示さなかったためこう判断された)
2. MBOを提案する一方でTOBの手続きに出たこと
3. 対象会社の株式を対象会社や第三者に転売しようとすること
 (ブルドック以外の投資実績から判断された模様)
4. 最終的には対象会社の資産処分まで視野に入れること

これらのうち1と3については、ファンド側にも打ち手のまずさがあったろう
しかし、2と4についてはどうであろうか

割安株式があり、強調的にMBOを申し出たが拒絶された
ならばMBIを行おうというのがおかしなことなのか
株式が割安に据え置かれること自体が株主への背信的行為であり、いわゆる「エージェンシー問題」が顕現したものと考えるべきだろう
それを株価面、ガバナンス面の両方から解消に向かわせるアクティビストの行動が非難されるのはいかがかと思う
また、今日資産を処分して企業価値を高めるということは、どの企業でも一般的に行われていることだ
これをわざわざ論拠に加える意味合いがどこにあったのかと戸惑う

そもそも、投資ファンドが利益追求を行うことに問題があるならば、それは立法府で対応を図るべきことだ
東京高裁の意図がそうであるなら、利益を追求する投資ファンドの活動を規制する法律を作るよう、国会で検討すべきだ
しかし、それは現実離れした考えであるように思う

特別決議の意味


特別決議なのか特殊決議なのかは別として、私は既存株主が適切な決議をして買収防衛を行うことには異論がない
しかし、今回の防衛策では、濫用的買収者が誰かかは名指しされていない
このような名指しをしない買収防衛策は、相手がまっとうな買収者であっても株主の意思に反して発動されてしまう可能性を残している
特別決議を取る覚悟があるならば、買収者が現れたときに臨時総会を開いて決議を取ればいいのではないかと思う


いずれにせよ、新会社法施行後1年あまりで高裁がこのような法解釈を示したことは残念だ
また、この買収防衛策が特定の株主に対する利益供与を可能にするスキームとなっていることに不安を覚える
以前も書いたが、東証には「買収防衛策導入済み企業部」という新しい市場を作った方がいい
posted by 浜町SCI at 07:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年07月03日

4723 グッドウィルのFloored Block Finance(FBF)

以前触れたとおりグッドウィル(以下、「G」)を介護事業から撤退させることは結果としてGを助けることになるかもしれない

Gの06年6月期のセグメント情報から、介護事業の実績を見ると
 売上高636億円で営業利益9億円(営業利益率1.5%)
である
(07年6月期の第3四半期累計では当然ながら赤字になっている)
全体の営業利益率は4%超(06年6月期)であるから、介護事業の収益率は低いように見える
介護事業では投下資本が不要というなら別だが、人材派遣と比べて介護事業の方が金がかからないという感じはしない
少なくとも買収で介護事業の規模拡大を図ってきたわけだから、投下資本は相当にかかっている
ならば、介護事業は現時点ではGの足をひっぱっている事業なのだろう

介護事業からの撤退が盛んに報道されているGだが、最近ドイツ銀行による新株予約権の発行でも注目を浴び、株価は神経質な動きを続けている
Gの07年3月末の純資産は470億円弱
介護事業売却では売却損が発生するであろうから、それを補うためのエクイティ・ファイナンスであろう
このファイナンス主要FBFは日本では新しいものであるので、タームシートで内容を復習してみよう

3. 条件決定日は7/6
8. 新株予約権の目的である株式は400千株
  新株予約権1個につき1株
10. 払込金額は基準価格(7/6の東証終値)の60%(予約権価額)
11. 行使価額は基準価格の40%
12. 行使価額の修正
  行使請求の効力発生日の前日・前々日の東証終値の平均値の95%
  から予約権価額を差し引いた金額に修正する
  ただし1円を下限とする
14. 行使期間は7/11〜10/11
16. Gは予約権価額で新株予約権を再取得できる

重要な項目を読み下してみよう
簡単のため仮に、7/6のG株の東証終値が40,000円だったとしよう
予約権価額は24,000円となり、Gは96億円の対価を払込期日(7/10)に受け取る
これはGが得るファイナンスの最低額(厳密には+400千円)であり、この金額だけGは保証される

この後、
@株価が上昇し、50,000円のまま10/11まで動かないと、ドイツ銀行は
 50,000 × 95% − 24,000 = 23,500円
の行使価額で新株予約権を行使できる
この時、
Gが調達できた資金の総額は
 96億円 + 23,500 × 400,000 = 190億円
 1株あたり47,500円でのエクイティファイナンスである
 50,000円からすると5%のスプレッドが抜かれている
ドイツ銀行が仮に行使と同時に売却したとしたときの利益は、
 50,000 × 400,000 − 190億円 = 10億円
である(5%のスプレッドの分)

A株価が動かず、40,000円のまま10/11まで動かないと、ドイツ銀行は
 40,000 × 95% − 24,000 = 14,000円
の行使価額で新株予約権を行使できる
この時、
Gが調達できた資金の総額は
 96億円 + 14,000 × 400,000 = 152億円
 1株あたり38,000円でのエクイティファイナンスである
 40,000円からすると5%のスプレッドが抜かれている
ドイツ銀行が仮に行使と同時に売却したとしたときの利益は、
 40,000 × 400,000 − 152億円 = 8億円
である(5%のスプレッドの分)

A株価が下落し、20,000円のまま10/11まで動かないと、ドイツ銀行は
 20,000 × 95% − 24,000 < 0
となるため、行使価格は下限の1円となる
この時、
Gが調達できた資金の総額は
 96億円 + 1 × 400,000 ≒ 96億円
 1株あたり24,001円でのエクイティファイナンスである
 これは下落後の株価20,000円を上回っている
ドイツ銀行はこの株価下落リスクを負うことになる

もちろんドイツ銀行はプロの投資家であるから、株価のボラティリティにも収益機会を得るだろうから、ドイツ銀行の取り分はさらに多くなろう

このFBFのポイントは、
 替わり金の下限が定められており、MSCBのような無限の希薄化が避けられること
 株価の上下に関わらずドイツ証券は予約権を行使することになること
 (Mandatory Exercise)
であり、Gもドイツ証券もこの点でのMSCBとの違いをアピールしているようだ
ドイツ証券のスプレッドも5%であれば妥当な水準に収まっていようから、特に敵視すべきファイナンス手法ではないのだろう
posted by 浜町SCI at 02:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年04月14日

自動車用電池各社

オートモーティブ・エナジー・サプライ
 日産とNECの折半出資、Li+

パナソニックEVエナジー
 トヨタ6、松下4、NiH

三洋
 NiH → ホンダ、フォード

NECラミリオンエナジー
 元は富士重とNECのJVだが、現在はNEC、Li+の開発

日立ビークルエナジー
 Li+ → いすず、三菱ふそう

三菱重工
 Li+
posted by 浜町SCI at 08:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

外資による日本での三角合併の課税

課税繰延条件:
・日本子会社がペーパーカンパニーの場合は認めない
・事業所を構え従業員を雇用している場合に認める

収益を上げていなくとも、
 広告宣伝による契約の勧誘
 販売計画のための市場調査
 商品開発などに向けた行政の許認可申請
等を行っていること
posted by 浜町SCI at 08:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年03月28日

新人材バンク構想と世代間の不公平

フジサンケイ ビジネスアイによれば
安倍晋三首相は「新人材バンクを可能な限り早期に立ち上げ、設置後3年以内に完全な一元化を実現したい」と明言した
ということだ
さらに、実現までは紆余曲折が予想されている

この構想は、談合などの悪しき官民癒着や非効率な外郭団体を誘発する天下りを廃したいという目的だろう
なぜ、この当たり前の願望を実現するのに、ここまでもめるのだろう
正論の例を述べれば、
・公務員の再就職の可能性を不当に狭めてしまう
・優秀な人材の再配置が進まないのは社会的損失
というところだろうか続きを読む
posted by 浜町SCI at 12:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年02月24日

なかなか的中しない予言

CNET
 地球温暖化で最初に影響を受けるのは、水かもしれない
と報じています
温度上昇で氷河や湖といった水源が枯渇するためです
人々が水争いをはじめるとは、先祖返りしたような気分です

 20世紀は石油をめぐって戦争が繰り返された
 21世紀は水をめぐって戦争が繰り返される
こんなことを識者たちが言い始めてからかなりになります
この指摘は卓見だと思うし、ある程度実現するでしょう
でも、まだ私達はその兆候さえ感じていません

特に水源の豊かな日本で暮らしていると、水資源の枯渇を恐れるきっかけがありません
かつての日本のように河川や海の汚染が問題となっている中国の人々の方が、はるかに水の大切さを知っているでしょう
中国では、廃水処理の不備、浄水場の不足が多くの市民を苦しめていると報道されています

一方で今、財政問題を抱える自治体が、上下水道を民営化しようと検討しています
かつて欧州やアジアにおいて、大きな弊害をもたらした構図
うまくいけば効果があるのは事実で、検討することはあながち間違いではないでしょう
しかし、水の枯渇という大きな流れとの間で、違和感がなくもありません
それは、局部的な擾乱にすぎないのか
それとも、前向きに資源の枯渇を食い止める方策となるのか

もちろん現在、国内の個々の地域を見れば、水は枯渇していないのです
しかし、何か違和感を感じませんか
上下水道は自治体や下水道事業団の仕事であって、国の仕事ではない
でも、そんなことは理由にはならないリスクであるように思います
posted by 浜町SCI at 18:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2007年01月13日

僕が右傾化するわけ

先日、友人と話しているとき、自分達がどんどん右傾化しているという話題になった
友人、曰く
 学生時代は「軍隊なんか要らない」と思っていたけど
 だんだん「やっぱり軍隊は必要だよな」と思うようになる
と言う
私も同じような変化をしてきている続きを読む
posted by 浜町SCI at 14:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2006年12月23日

長期投資ならば、世界の流れを知れ

株式投資を長期保有で行うなら、世界の流れを知らなければいけません
たとえば、景気の波が7年ほどの周期であったとしましょう
長期保有でリターンを平均化するならば、2-3サイクルは欲しいところです
つまり、20年程度の保有を覚悟すべきです
これはとても忍耐のいる決断です続きを読む
posted by 浜町SCI at 17:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録