コラム

2008年05月17日

ユナイテッド・テクノロジー・ホールディングス (2146) 買収ファイナンスの手本

ユナイテッド・テクノロジー(UTH)がグッドウィル株取得を公表してから2か月、UTHが買収ファイナンスのリファイナンスを行った。
あるカテゴリーの買収ファイナンスのお手本のような取引なので、レビューしておこう。

グッドウィル株取得を公表した3月21日の3日前の3月18日、UTHは行使価額修正条項付新株予約権の発行とコミットメントライン契約締結をリリースしている。
コミットメントラインの使途は「M&A や関連する事業性資金の調達」とされていた。
融資枠60億円、金利は3か月円LIBORだから、決して悪い条件ではない。
この条件を引き出すために、新株予約権というスィートナーが付けられた。
新株予約権は行使価額修正条項付であるが、譲渡禁止であり、行使価額修正も8月5日まではなされないという条件だった。

その後、グッドウィル株取得のニュースを受けてUTH株価は下落した。
UTHはグッドウィルと提携交渉に入ったが、不調に終わり、5月1日に交渉終結を公表した。

5月16日には、上記のコミットメントラインによる借入金の期限前弁済、新株予約権の取得・消却を発表した。
8月5日の前であるから、株価が下がっても行使価額の修正もなく、希薄化は起こることなく済んだ。
この返済はCBによるリファイナンスによって行われた。
株価が3月上旬より下落しているから行使価額は下がってしまったが、行使価額がフィックスしているからMSCBのような際限ない希薄化は防げる。

3月のグッドウィル株取得から株価が大きく下落したことは誤算だったろうが、かなりうまく対処したと言えるのではないか。
もっとも最初のコミットメントラインに行使価額修正条項付新株予約権を付したところを見れば、金融機関は株価下落にも準備万端だったのだろう。
いずれにせよ、本件は、クレジットをぎりぎりまで使って行う買収ファイナンスのお手本と言えよう。
(クレジットに余裕がある場合は、単にコーポレートファイナンスで対応すればよい)

UTHが2011年6月2日償還期限のCB発行でリファイナンスしたことは興味深い。
グッドウィルとの関係は良好とは言えないだろうから、持株を増やすにしても減らすにしても、中期的な見通しを持って臨むと言うことではないか。

過去の株式レポート
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2008年05月11日

緩やかなスタグフレーションで人材のコストパフォーマンスを改善する好機

物価上昇と景気後退が同時進行している。
これが経済学で言うスタグフレーションであるかどうかはエコノミストに任すとして、この状態を企業経営に即して考えてみたい。

日本の企業セクターが抱える一つの問題として、労働者の国際競争力の低下が挙げられよう。
これは日本の労働者の能力が低下したというのではなく、コストパフォーマンスの話である。
高度成長期後も緩やかな給与レベルの向上が続き、バブル崩壊でも正社員については給与水準が低下には向かわなかった。
ニクソンショック以降の円高進行で、国際比較での日本の労働力のコストは高まるばかりだった。
結果、特に正社員という雇用形態で、日本の人材のコストパフォーマンスは低下する一方だ。

正社員の中でも、もちろん濃淡がある。
日本が誇るものづくりの現場では、それほど低下してはいなかったかもしれない。
いや、低下した部分はとうに海外に生産拠点が移転してしまったのだ。
残った日本の職人たちの中には、世界レベルの職人が多い。
そのような人たちに、たとえ国際的には「突出した給与水準」が与えられたとしても、過大とはいえないだろう。
問題はホワイトカラー層である。
日本のホワイトカラーの生産性は極めて低いというのが、日常の実感だ。

アメリカであれば、ホワイトカラーには2つの人種がいる。
プロフェッショナルとセクレタリーだ。
セクレタリーは、言われた仕事をきちんとこなすための人たち。
給与は低く抑えられている。
プロフェッショナルは、常に組織の変革を目指し、組織の目標に責任をもって執行を指揮する人。
このプロフェッショナルの役割において、日本のホワイトカラーの生産性は悲惨なほど低い。
むろん、権限委譲が進まない、明確でない日本の組織風土にもよるのであろうが、現実問題として、日本のホワイトカラーは大半がセクレタリー程度の生産性しかない。
セクレタリーがプロフェッショナルの給与をもらっていては、国際競争力を議論するまでもないだろう。

現在の状況を緩やかなスタグフレーションと呼んでみよう。
スタグフレーションと言っても、景気後退はそれほど深刻なスピードではない。
また、物価上昇にしても、原油や商品相場の高騰を受けたもので、まだ深刻なものでない。
オイルショックを回想すれば、なんてことはない。
長く続いたデフレが逆に振れたためにビックリしている程度のことだ。
このような状況下で、われわれの人件費を適正化していこう。

人件費には下方硬直性があると言われる。
下がらないから、デフレでも高止まりしてしまった。
だから、物価上昇の今、上方にも硬直性を与え、実質的に低下させるのである。
むろん、一律ではない方が望ましいが、たとえ一律となってもやむを得まい。
そうすることで、日本の労働者の国際競争力が維持され、結果的に生き残る機会が増すのではないか。

労働者にとっては不利益変更となるが、スタグフレーションであれば問題は起こりにくい。
労働組合の理解も得やすいし、求人倍率も上がりにくいから離職率も悪化しにくい。
労働者にも、アジアの労働者との比較において、自らのコストパフォーマンスを冷静に考えてもらう機会になるのではないか。
posted by 浜町SCI at 18:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

スコアリング貸し出しは有効か?

5月10日の日本経済新聞に小さな記事が掲載された。
法政大学の准教授がスコアリング貸し出しの有効性を検証したという記事だ。
結果は、
 有効であり、使い方が重要
と書かれてある。
なぜ、いまさらこのような検証がなされ、日経新聞が掲載するのか。
むろん、新銀行東京に関連しての話だ。

そもそもスコアリングについては数十年前からアメリカにおいて実用されているし、日本の金融機関も10以上前から研究が完成している。
それをいまさらこのように検証される。
新銀行東京の残した余波は大きい。

スコアリングの有効性は間違いない。
人件費などのコストを劇的に減少させ、与信判断の人によるばらつきを防ぐことができる。
与信判断において、貸せる、貸せないのボーダーラインに分布する債務者を科学的に分別する優れた方法だ。
しかし、これには2つの大きな前提がある。
 (1) 用いる人たちがモラルをもって用いること。
 (2) 借入する側が正直なこと。

与信判断としての有効性を論じるには、ボーダーラインについての有効性を検証するのが大切だ。
ボーダーより大きく上または下にある債務者については、判断が割れることが少ないからだ。
ボーダーライン上における有効性を考えると、(2)は自明だろう。
スコアリングする財務諸表や情報が粉飾されていたのではどうにもならない。
なぜなら、債務者は金融機関を逆選別するからだ。
他の金融機関で借入ができない債務者が、新銀行東京のスコアリングで借入できるなら、そのような債務者は大挙して新銀行東京に押し寄せる。
中小企業の財務等は、粉飾とまではいかなくとも、恣意性をもって合法に変更する余地は大きい。
スコアリングによくなるように変更することも難しくない。
人が判断すれば、それを見抜くことができるが、出来上がりの数字を入力するスコアリングでは難しい。

もっと深刻なのは用いる側の問題だ。
用いる側がスコアリングを騙そうとすれば、これは問題外。
新銀行東京の行員がそうしたとは思わないが、人とは弱いもの。
気づくか気づかないかは別として、結果としてスコアリングの趣旨に反するようなこともあったのではないか。
貸し出しに大きなインセンティブがついていたならなおさらだ。
より高い報酬を受けるため、規則に反しない範囲で、がんばってしまうのは自然のことだ。

粉飾があってもマクロで見ればスコアリングは有効だ。
しかし、逆選別があると、ミクロには有効とはならない。
損失が、スコアリングを用いる金融機関に集中することになる。

新銀行東京の構想が述べられた時点で、多くの人がこれを知っていた。
そのとおりの顛末を実現した都知事と都幹部の責任は重い。
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2008年05月09日

東芝 (6502) 脱総合電機へまた一歩

東芝が力強い。
8日、2008年度経営方針を発表した
「攻め」の経営で、2010年度に売上高10兆円、営業利益5%を実現すると計画している。
過去の業績から見ても、かなり意欲的な数字だ。

東芝は総合電機大手の一角として、日本を代表する企業だが、そろそろ「総合電機」の看板を外すときが来たようだ。

そもそも日本のエレクトロニクス産業は細分化されすぎている。
市場セグメントで20%程度のシェアをとればトップになってしまうようなセグメントが多い。
このような規模で戦っていては、国際競争には勝てない。
総合電機大手は、産業再編によって実質的な事業スワップを進め、国際競争に勝てる事業体になろうとしているところだ。

東芝はNANDメモリと原子力に大きくウェイトを置いた。
今後はこの2つの事業によるアイデンティティの会社となるだろう。
一方、連結売上が8兆円規模の会社だ。
それ以外の事業もたくさんある。
時間軸や範囲には尤度があろうが、拡大を続けながらも、東芝から離れていく事業も多く生じるだろう。
離れることで、より優れた事業体になることを実現していこうとする努力だ。

東芝の活躍に期待したい。
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2008年04月23日

知的財産の保護と社会の効率、公正な競争のせめぎあい

公正取引委員会がJASRACに立ち入り検査に入ったとCNetが報じている。
JASRACは放送局と著作権使用に関する包括利用許諾契約を結んでおり、NHKおよび地上波放送局に対して、放送事業収入の1.5%を使用料として徴収する代わりに、管理楽曲については自由に利用できるようにしている。
公正取引委員会はこの点において、他の著作権管理団体の新規参入を妨げている疑いがあると判断した。
この営みには3つのポイントが含まれているように思う:
・楽曲を知的財産として保護するための仕組みとしてJASRACが機能している。
・個々の管理楽曲ごとに使用料を払う代わりに、放送事業収入の%で支払う取り決めとなっている。
・この仕組みが、著作権管理市場での公正な競争を阻害する要因となっている。

現状の仕組みでは、放送局は楽曲を使いたいときに自由に使って、細かな管理もなく、どんぶりで支払えばよい。
とても効率のいいやり方であり、放送局にとっても効率面ではありがたいものだろう。
著作権者にとっても、著作権管理を委託するという面でのメリットがある。

しかし、このような便利で強固な仕組みが出来上がってしまうと、新規参入はますます難しくなる。
結果、放送局も著作権者も選択の幅がなくなってしまう。
これを自然独占とするか、顧客との不公正な取り決めによってもたらされた独占とするか、公正取引委員会の判断が注目される。
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2008年03月22日

共感できないファンドマネージャーに金を預けてはいけない

東京都には強大な権力を持ったファンドマネージャーがいる。
都知事だ。
そのファンドマネージャーは、あたかも発展途上国の独裁者のように、自己に有利な弁論を続けている。

新銀行東京では、議員等からの紹介先への融資も少なくなかったという。
これは、通常の金融機関であれば、それだけで金融庁検査や日銀考査において抽出されることのある事案だ。
しかし、都知事の議論はこれと異なる。
 ・議員等が無担保融資を中小企業に紹介するのは当然のこと
 ・紹介と融資のデフォルトは別の話
 ・仮にデフォルトしても、紹介者に責任はない
これが、世間に通る議論だろうか。
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2008年03月12日

リスクテイクを忘れて産業へのオーナーシップを失う日本人

人材派遣大手グッドウィルがサーベラスとモルガンスタンレーのコンソーシアムの傘下になることを発表した。
この業界最大手企業は、次から次へと不祥事が発覚し、行政処分も受け、株価が底を這うようになって外資に買われることとなった。
コンソーシアムはグッドウィルに200億円を投資する。
うち155億円はデット・エクイティ・スワップ(DES)であるので、ニュー・マネーは45億円になる。
なお、コンソーシアムはみずほ銀行から貸出債権を譲り受け、うち155億円がDESの対価に当てられ、優先株に転換される予定だ。

筆者はビジネスの世界に国籍は関係ないと思う一人だ。
しかし、簡単に業界最大手を手放してしまう金満日本には危機感を感じずにはいられない。
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2008年02月27日

ソフトウェア産業がどんどん手間仕事になっていく

IT産業の変遷を強く印象付けるM&AについてCNetが報じている。
Sun Microsystemsによるオープンソースデータベース企業MySQLの約10億ドルの買収が完了した。
ソフトウェア企業はどんどん手間仕事になっていくようだ。
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2008年02月26日

介護事業でのスキャンダルを脱したグッドウィルの皮肉

グッドウィルが中間期業績を開示した
売上高は前年同期比2.5倍の3333億円、営業損益は13億円の赤字となった
通期業績予想は売上高5700億円、営業損益ゼロとされている
注目したいのは、同日開示された「平成20年6月期中間(第14期中間)連結・個別業績と前年同期実績値との差異に関するお知らせ」という差異分析だ
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2008年02月22日

API開示はマイクロソフトの事業モデルの転換を示すか

Microsoftが、競合製品との相互運用性を促進するため、同社のサーバ製品やWindows VistaなどのAPIを開示する。
ITmediaが報じている
2007年9月に欧州第一審裁判所(CFI)から独禁法訴訟の裁定を受けるなどしたことが直接のきっかけだ
この裁定では、
・サーバ製品のインタフェース情報の公開の命令
・WindowsとWindows Media Playerのカップリング販売の違法
が言い渡されている
マイクロソフト自身がコメントしているとおり、これは大きな転換点だろう
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posted by 浜町SCI at 12:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2008年02月21日

すさまじいまでの社会コストの発生

ITmediaによれば
エディオンが販売したHD DVD機をBlu-ray機に交換する
という
デオデオ、エイデン、ミドリ電化、石丸電機、100満ボルトの各店舗で販売したHD DVD機に対する対応だという
スタンダード争いの終焉は、エンドユーザや販売店を巻き込んだ幕引きを求められているようだ

AV機器としての機能に何ら問題があるわけでもないのに、スタンダードから外れたから無償交換するとは、なんとも惨いコストではないか
記事では販売店、メーカのいずれがコスト負担するのかは触れられていない
特に言及がないなら、少なくとも大半は販売店が持つと推測するのが自然だろう
誰がコスト負担をするにせよ、供給者側でコストが負担される限り、後々そのコストは薄く消費者に転嫁される
技術や製品での競争がそれら向上の原動力となるとは言え、なんとも悲しいコスト発生だ

posted by 浜町SCI at 22:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2008年02月16日

HD-DVD撤退からの教訓

東芝がHD-DVDからの撤退の最終調整に入ったとITmediaが報道している
1月には映画大手ワーナー・ブラザーズがブルーレイ・ディスク(BD)規格への一本化を発表した
今月15日には小売大手ウォルマートがHD-DVD販売から撤退すると発表した
BD優勢の情勢を受け、東芝は早々と撤退をすることを決めつつあるようだ

この話の中に、日本の電機産業が改めて肝に銘じる教訓がいくつかある
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posted by 浜町SCI at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(1) | 産業

2008年02月15日

国の産業振興政策の貧しさ

日本が高度経済成長を遂げることができた一因は、通商産業省が強いリーダーシップをとって国策産業を育てたことだろう
そのような時期が過ぎ去った今、国の産業振興策には疑問符がつくものばかりになった

CNET
経済産業省はこのほど、優れたIT経営を実現している中小企業を対象に、経済産業大臣が表彰する「中小企業IT経営力大賞」を創設し、受賞企業を発表した。
と紹介している
優れた中小企業を表彰することが悪だとは言わないが、このような賞を設けたから、どのような社会的効果があるのだろう。
受賞された各社は優れた企業なのだと思う
しかし、これら企業はまさか受賞のためにIT経営をしたわけではないだろう
ならば、このような賞は何のインセンティブにもならないように思う

想像するに、
・政治が人気取りのために無責任に官僚に命じ
・官僚は何か出さなければいけないから無理やりアイデアを出し
・政治はやったふりをするために立法し
・官僚は予算を消化するために運営する
というふうに邪推してしまう
むろん、邪推だが・・・

表彰だとか、そんな効果の乏しいことに国民の税金を使うべきではないと主張したい
そんなことにお金を使うなら、厳格な予決算管理のもと産業振興のために日本国のソブリンファンドを作るほうがはるかにましではないか

日本経済が世界の主役を退いて久しい
再び大きな舞台に戻るために、もういちどメリハリのある「国策」を復活させる時期が来ているのではないか
posted by 浜町SCI at 14:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

買収防衛が見苦しく見えてしまうのは万国共通

ヤフーが積極的に動いているのかどうかはわからない
昨日の日本経済新聞では、ヤフーは「憶測にはコメントしない」と言ったと報道されている

CNETによれば「ニューズ・コーポレーションが、傘下のインターネット部門を米ヤフーに譲渡してヤフー株式を取得する方向で交渉している」という
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posted by 浜町SCI at 11:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2008年02月14日

だらだらと新銀行東京を生かすべきではない

20日からの東京都議会に、都知事が新銀行東京への支援策を提案する意向だという
新銀行東京は都に300-500億円の追加出資を要請することを検討中だと日本経済新聞が報じた

新銀行東京は現都知事の強いリーダーシップで設立された
金融危機だった当時は、銀行の融資姿勢に対して、中小企業から不満が高まっていた時期だった
当時の都知事は、
 民間銀行はふがいない
 自分がやればうまくいく
というような甘い見方で金融業に安易に参入してしまった

当時も金融界からは極めて懐疑的な見方がほとんどだった
素人のたわごととして、積極的に関与しようという人も少なかった
この懸念は、まさに実現してしまった

新銀行東京の赤字はどこに消えたのだろう
新銀行東京に限らず、銀行の赤字のほとんどは資産価格の下落によるところが大きい
融資中心の銀行であれば、貸金の焦げ付きということになる
銀行は貸さなかったのではない
貸せる会社が少なかったのである
貸せない会社に貸せば、焦げ付くのも自然なことだ

つまりは、都は、信用供与できないような信用力の会社に融資を続けてきたわけだ
そのような会社のどれほどが、この競争の厳しい経済において、行き続けていくべき会社だったろう
つまりは、多くの再編されるべき弱い会社に補助金をばら撒いたに等しいわけだ
このような規模で焦げ付きを出せば、民間銀行の経営者であれば厳しい責任追及にあうだろう
もしかすれば、特別背任に値するかもしれない

都知事と都は真摯に反省すべきである
同時に、素人経営の元で新銀行東京をだらだらと生かすべきではない
早期にExit策を模索し、都民の負担の増大を避けるべきではないか
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2008年02月12日

民生エレクトロニクス分野のメガ製品を持つ悩み

モトローラがあえいでいる
携帯電話の世界大手モトローラが携帯電話事業を分離するか否かでゆれているとCNETが紹介している
数週間前には「モバイルデバイス事業部の分離」の可能性を示しながら、今度は「(モバイル端末事業に)全力を投じている」と語ったと言う
本音と建前が交錯する様子が伺える

民生エレクトロニクス分野のメガ製品カテゴリーに事業ポートフォリオを持つ会社が、そのカテゴリーから撤退する時の典型的な悩みと言えよう
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posted by 浜町SCI at 19:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2008年02月11日

ヤフーが買収された後の世界へ

連日、マイクロソフトによるヤフーへの買収提案、グーグルによる抵抗がメディアを賑わしている
(最近の記事ではCNETを参照)
実れば確かに10年に一度の大きな出来事となろう
9日には米国メディアが、
 ヤフーが買収提案を拒否する見通し
と報じた
1株31ドルの買収価格が不当に低いと言うのが理由だ
しかし、この提案価格は市場価格の6割増しである
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posted by 浜町SCI at 16:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2008年01月22日

デカップリングに必要なもの

世界同時株安が止まらない
今日、米国が75ベーシスの即日利下げを行ったが、それでも米国株式市場は大きな下げで始まっている
米国のサブプライムローン問題に発した株安に、日本はなぜかお付き合いしている
デカップリングしなければ、日本まで深刻な不況に陥ってしまう
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posted by 浜町SCI at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 産業

2008年01月21日

富士通の半導体分社が示唆するPPMの陳腐化

富士通が半導体事業を分社する見込みだと新聞報道された
続々と大手電機メーカが半導体事業を見直している
かつてはメモリ、次にロジック、分社の事業範囲はどんどん広くなる

このような動きは、メーカにとって古典的な経営分析手法である
 Product Portfolio Matrix
という手法が陳腐化していることを示唆しているようにも思える
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グローバル化の是非

グローバル化は確実に私たちの生活を豊かにした
100円ショップで驚くほど幅広くモノのいい商品が買えるのもグローバル化の恩恵のひとつだろう
しかし、言うまでもなく、一方ではいろいろな国で、多くの産業、企業が消滅しつつある

自由貿易、産業・企業活動から国境を取り除く、といったことは、一面正しい主張だ
地球全体のソーシャル・ウェルフェアを最大化させる手法として、クロスボーダーな通商を潤滑にするのは正しい方法論だ

マクロに見れば正しい
しかしミクロには問題が発生した
社会全体が豊かになる中で、レールに残ったものは豊かだ
しかし、レールから外れたものは、たとえまっとうでも不当なまでの不利益に苦しんでしまう

政治とは難しい
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