コラム
2007年12月01日
936億円の責任−新銀行東京
新銀行東京の9月中間期決算で累積損失が936億円に達したと日本経済新聞が報じている
赤字幅は縮小しているものの上半期の最終損益は依然87億円と巨額だ
驚くほどの稚拙な金融機関である
そもそも新銀行東京は設立時から疑問を呈されていた
というより、世の中のほとんどの人が疑問を抱いていたのではないか
独自の無担保・無保証融資を推進するなど、民間銀行からの差別化を模索した意義は認める
日本の金融機関の担保主義のアンチテーゼとしての意味はあったろう
しかし、日本の金融機関が担保主義と揶揄されるようになった背景を無視するかのように、素人集団が銀行業に進出したことは軽率のそしりを免れないだろう
また、出資という形態をとるのもいかがかと思う
出資の場合、会計上の現存処理が行われない限り、表面上は株主に損失は現れない
しかし、経済的には、すでに株主つまり都=都民ならびにその他株主に936億円の損失が発生していると考えるべきだ
それは、減損を済ませたか否かに左右される議論ではない
もしも東京都の産業振興にこのような営みが必要と判断するならば、毎期、一般会計予算での支出とするようなスキームを考えるべきだったのではないか
都が損失を追う場合、それは都民の承認を得るべきなのだ
つまり、都は新銀行東京という新しい「グリーンピア」を作ってしまったのだ
一刻も早い決断を望みたい
赤字幅は縮小しているものの上半期の最終損益は依然87億円と巨額だ
驚くほどの稚拙な金融機関である
そもそも新銀行東京は設立時から疑問を呈されていた
というより、世の中のほとんどの人が疑問を抱いていたのではないか
独自の無担保・無保証融資を推進するなど、民間銀行からの差別化を模索した意義は認める
日本の金融機関の担保主義のアンチテーゼとしての意味はあったろう
しかし、日本の金融機関が担保主義と揶揄されるようになった背景を無視するかのように、素人集団が銀行業に進出したことは軽率のそしりを免れないだろう
また、出資という形態をとるのもいかがかと思う
出資の場合、会計上の現存処理が行われない限り、表面上は株主に損失は現れない
しかし、経済的には、すでに株主つまり都=都民ならびにその他株主に936億円の損失が発生していると考えるべきだ
それは、減損を済ませたか否かに左右される議論ではない
もしも東京都の産業振興にこのような営みが必要と判断するならば、毎期、一般会計予算での支出とするようなスキームを考えるべきだったのではないか
都が損失を追う場合、それは都民の承認を得るべきなのだ
つまり、都は新銀行東京という新しい「グリーンピア」を作ってしまったのだ
一刻も早い決断を望みたい
2007年06月22日
社会保険庁の集団詐欺行為はどう戒めるべきか
毎日のようにあきれた実態が報道される社会保険庁だが、政府は独立行政法人化を進めたいようだ
しかし、これでは生ぬるすぎる
独立行政法人にしたから改善に向かうというのは早計だ
国民から年金保険料の納付を受けていながら、それに見合う年金を支給しないというのは、よくて背任・横領、悪く言えば詐欺行為だ
結果から言えば「振り込め詐欺」と同じ効果があったことになる
このような結果となった原因は単純な事務ミス・過怠であったとされているが、これらの不作為がどのような結果に至るかを想像できなかったほど、社会保険庁の職員も愚かではなかろう
彼らはこうなることがわかっていながら見過ごしてきたというべきだ
筆者も当初はレベルの低い公務員がしでかした不祥事と見ていたが、その後頻繁に報道された中央官僚の回顧録の内容を聞くにつれ、これが集団的な詐欺行為であったのだと理解することになった
年金保険料を食い物にするのが当たり前かのごとき発言が文書として残されている実態には、いかに高級官僚のモラルが低いか、いかに高級官僚に社会常識が欠如しているか、思い知らされた思いだ
このような官僚が所管する社会保険庁ならば、このような不祥事を起こすのも当たり前だろう
いや、むしろ、「上意をくんで手を抜いた」というべきか
民間の金融機関がお客から預かった金の記録を失ったらどうなるだろう
間違いなく、監督官庁から口汚く罵られ、業務改善命令・業務停止命令を受けるだろう
しかし、公務員の側が同じことを犯せば、公務員はひどく寛容に対応する
社会保険庁を独立行政法人化するのはよい
しかし、それとセットで、年金管理を受託する民間機関の参入も許し、利用者の選択を受けるべきではないか
民間参入が絶対的な解決法でないことは、グッドウィルの事例を見ても明らかだ
しかし、現在の社会保険庁よりは、民間金融機関の方がはるかにましではないか
しかし、これでは生ぬるすぎる
独立行政法人にしたから改善に向かうというのは早計だ
国民から年金保険料の納付を受けていながら、それに見合う年金を支給しないというのは、よくて背任・横領、悪く言えば詐欺行為だ
結果から言えば「振り込め詐欺」と同じ効果があったことになる
このような結果となった原因は単純な事務ミス・過怠であったとされているが、これらの不作為がどのような結果に至るかを想像できなかったほど、社会保険庁の職員も愚かではなかろう
彼らはこうなることがわかっていながら見過ごしてきたというべきだ
筆者も当初はレベルの低い公務員がしでかした不祥事と見ていたが、その後頻繁に報道された中央官僚の回顧録の内容を聞くにつれ、これが集団的な詐欺行為であったのだと理解することになった
年金保険料を食い物にするのが当たり前かのごとき発言が文書として残されている実態には、いかに高級官僚のモラルが低いか、いかに高級官僚に社会常識が欠如しているか、思い知らされた思いだ
このような官僚が所管する社会保険庁ならば、このような不祥事を起こすのも当たり前だろう
いや、むしろ、「上意をくんで手を抜いた」というべきか
民間の金融機関がお客から預かった金の記録を失ったらどうなるだろう
間違いなく、監督官庁から口汚く罵られ、業務改善命令・業務停止命令を受けるだろう
しかし、公務員の側が同じことを犯せば、公務員はひどく寛容に対応する
社会保険庁を独立行政法人化するのはよい
しかし、それとセットで、年金管理を受託する民間機関の参入も許し、利用者の選択を受けるべきではないか
民間参入が絶対的な解決法でないことは、グッドウィルの事例を見ても明らかだ
しかし、現在の社会保険庁よりは、民間金融機関の方がはるかにましではないか
2007年06月08日
公共性の高い民間事業を懲らしめることの難しさ
虚偽申請で訪問介護の事業所指定を受けていたコムスンの行く末が混沌としている
親会社のグッドウィルは、コムスンの全事業を日本シルバーサービスに譲渡することで収拾を図ろうとしたようだが、厚生労働省が凍結するように行政指導した
処分逃れとの批判が高まったのを受けてのことのようだ。
まず、今回の処分を受けた企業について意見を述べると、
虚偽申請は悪質であり、組織的である
処分逃れも組織的に行っていた節がある
ことを鑑み、いかなる処分を受けようと同情の余地はない
その上で、介護を受ける側に人たちに不利益がこうむらないことを念頭に、一般論を述べてみたい
提起したいのは、今回の事業譲渡がグループ企業へではなく、グループ外の企業へであったなら許されたかということだ
確かに売り手はその事業を失うことになるが、事業譲渡の対価を受け取ることになる
仮に事業譲渡が全く許されない場合、グッドウィルは多額の費用を費やして事業を清算することになろう
しかし、グループ外企業への事業譲渡が許され、かつ、譲り受けた企業が何のペナルティを受けることなく事業を継続するなら、当該事業には大きな価値があるということになる
その対価を売り手が受け取るなら、売り手は清算にともなう多額の費用を費やすこともなく、事業譲渡の対価まで受け取れることになる
つまり、事業譲渡の是非というのは、売り先がグループ内であるか否かによって左右されるものではないと思われるのだ
では、いかなる事業譲渡も禁じてしまったらどうなるだろう
そうすれば、グッドウィルは大きな清算費用を費やすことでペナルティを受ける
おそらく、競合相手はコムソンの人材を雇用し、無償で事業を拡大できるのだろう
しかし、この時には、介護を受ける側の人たちの一部に大きな負担が発生する危険がある
そもそも競合相手がコムソンのすべての介護サービスを乗っ取ろうと考えるかどうか疑問だ
おそらく、収益性の高い商売だけを持っていくだろう
そうならば、取り残された利用者は不運だ
だから、厚生労働省としても、事業が雲散霧消してしまうシナリオは避けたいところだろう
今回の本質的な問題点は、介護保険の立法化の時の用意不足にあるのだろう
そもそも立法化の時に、
・違反者に多大な課徴金を課す
・他社による譲受の禁止
などの条項を織り込んでおけば、このような議論は起こらなかった
業界トップの犯罪という想定外の事件が起きて、この用意不足に光が当たってしまったということではないか
実はこのような問題は、多くの業種で起こっていることだ
公共事業や銀行・保険などの許認可事業において、談合や問題のある業務が行われた場合を考えてほしい
それが悪質なとき、国は事業の継続を禁止できるだろうか
公共設備のアフター・サービスが消失したり、銀行の借り手が取り残されたりする事態を許容できるだろうか
現実には、脚光こそ当たっていないが、見過ごされているように思える
性悪説が重要であるということを感じさせる事件だった
親会社のグッドウィルは、コムスンの全事業を日本シルバーサービスに譲渡することで収拾を図ろうとしたようだが、厚生労働省が凍結するように行政指導した
処分逃れとの批判が高まったのを受けてのことのようだ。
まず、今回の処分を受けた企業について意見を述べると、
虚偽申請は悪質であり、組織的である
処分逃れも組織的に行っていた節がある
ことを鑑み、いかなる処分を受けようと同情の余地はない
その上で、介護を受ける側に人たちに不利益がこうむらないことを念頭に、一般論を述べてみたい
提起したいのは、今回の事業譲渡がグループ企業へではなく、グループ外の企業へであったなら許されたかということだ
確かに売り手はその事業を失うことになるが、事業譲渡の対価を受け取ることになる
仮に事業譲渡が全く許されない場合、グッドウィルは多額の費用を費やして事業を清算することになろう
しかし、グループ外企業への事業譲渡が許され、かつ、譲り受けた企業が何のペナルティを受けることなく事業を継続するなら、当該事業には大きな価値があるということになる
その対価を売り手が受け取るなら、売り手は清算にともなう多額の費用を費やすこともなく、事業譲渡の対価まで受け取れることになる
つまり、事業譲渡の是非というのは、売り先がグループ内であるか否かによって左右されるものではないと思われるのだ
では、いかなる事業譲渡も禁じてしまったらどうなるだろう
そうすれば、グッドウィルは大きな清算費用を費やすことでペナルティを受ける
おそらく、競合相手はコムソンの人材を雇用し、無償で事業を拡大できるのだろう
しかし、この時には、介護を受ける側の人たちの一部に大きな負担が発生する危険がある
そもそも競合相手がコムソンのすべての介護サービスを乗っ取ろうと考えるかどうか疑問だ
おそらく、収益性の高い商売だけを持っていくだろう
そうならば、取り残された利用者は不運だ
だから、厚生労働省としても、事業が雲散霧消してしまうシナリオは避けたいところだろう
今回の本質的な問題点は、介護保険の立法化の時の用意不足にあるのだろう
そもそも立法化の時に、
・違反者に多大な課徴金を課す
・他社による譲受の禁止
などの条項を織り込んでおけば、このような議論は起こらなかった
業界トップの犯罪という想定外の事件が起きて、この用意不足に光が当たってしまったということではないか
実はこのような問題は、多くの業種で起こっていることだ
公共事業や銀行・保険などの許認可事業において、談合や問題のある業務が行われた場合を考えてほしい
それが悪質なとき、国は事業の継続を禁止できるだろうか
公共設備のアフター・サービスが消失したり、銀行の借り手が取り残されたりする事態を許容できるだろうか
現実には、脚光こそ当たっていないが、見過ごされているように思える
性悪説が重要であるということを感じさせる事件だった
2007年06月07日
マスコミの見識とは
楽天とTBSの論争が法廷へと持ち込まれるようだ
楽天が2割弱の持分を持つTBSに対して会計帳簿の閲覧を求めていた件で、TBSはこれを拒絶、楽天は東京地裁に履行を求める仮処分を申請した
興味深いのは、日本経済新聞によればTBSの井上社長が会計帳簿の閲覧の可否について、
主要部分は有価証券報告書で開示している
(裁判所から)言われれば見せる
と述べている点である
会社法433条1項では、議決権(または保有株式数)の3%以上を有する株主に会計帳簿閲覧請求権を与えている
同条2項にいくつかの制限事項が定められているものの、楽天の閲覧に大きな問題は存在しないように見える
TBSも覚悟しているだろうから、それが「言われれば見せる」という発言になるのだろう
妙なのは「有報に開示しているから」という理屈だ
もしもこの理屈を許せば、上場企業や継続開示会社の株主には会計帳簿閲覧請求権が与えられないという話になる
TBSは独自にそのように法を定めたのだろうか
立法府ではなく、不偏不党を心がけるべきテレビ局が何を考えていたのだろうか
そもそも、メディアが買収対象となる案件について、メディアはきちんと是非を論じることを回避したがる傾向がある
むろん当事者として自局の放送を自社の擁護のために使ってはいけないのは当たり前だ
しかし、せめて、自局の放送でない記者会見などの場では、常日頃自局のニュースで論じているくらいの見識は見せてほしいものだ
また、他局も互いに傷を舐めあうようなことはせず、メディア買収のニュースを一般企業と同じように論じて欲しいものだ
マスコミは自分の都合の悪いことが起こると、最後は「不偏不党」などという言葉で世間を煙に巻く
言っている本人は気づいていないかもしれないが、世論の大部分はそれが身勝手な理屈であり、保身でしかないことに気づいている
楽天が2割弱の持分を持つTBSに対して会計帳簿の閲覧を求めていた件で、TBSはこれを拒絶、楽天は東京地裁に履行を求める仮処分を申請した
興味深いのは、日本経済新聞によればTBSの井上社長が会計帳簿の閲覧の可否について、
主要部分は有価証券報告書で開示している
(裁判所から)言われれば見せる
と述べている点である
会社法433条1項では、議決権(または保有株式数)の3%以上を有する株主に会計帳簿閲覧請求権を与えている
同条2項にいくつかの制限事項が定められているものの、楽天の閲覧に大きな問題は存在しないように見える
TBSも覚悟しているだろうから、それが「言われれば見せる」という発言になるのだろう
妙なのは「有報に開示しているから」という理屈だ
もしもこの理屈を許せば、上場企業や継続開示会社の株主には会計帳簿閲覧請求権が与えられないという話になる
TBSは独自にそのように法を定めたのだろうか
立法府ではなく、不偏不党を心がけるべきテレビ局が何を考えていたのだろうか
そもそも、メディアが買収対象となる案件について、メディアはきちんと是非を論じることを回避したがる傾向がある
むろん当事者として自局の放送を自社の擁護のために使ってはいけないのは当たり前だ
しかし、せめて、自局の放送でない記者会見などの場では、常日頃自局のニュースで論じているくらいの見識は見せてほしいものだ
また、他局も互いに傷を舐めあうようなことはせず、メディア買収のニュースを一般企業と同じように論じて欲しいものだ
マスコミは自分の都合の悪いことが起こると、最後は「不偏不党」などという言葉で世間を煙に巻く
言っている本人は気づいていないかもしれないが、世論の大部分はそれが身勝手な理屈であり、保身でしかないことに気づいている
2007年06月06日
時価でものを考えられない世の中
新銀行東京があえいでいる
累積損失800億円を抱え、水面上へ浮上さえめどがたたない
そもそもこの銀行が経営的に失敗するであろうことは目に見えていた
民間銀行の経営力も決して褒められたものではないが、それはそれなりに一生懸命働いてきて、なおかつ公的資金のお世話にならざるを得なかったのが銀行業だ
そうなのに、東京都が新しい銀行を作って、民間企業としても成功するという絵はあまりにも現実離れしている
そもそも、中小企業経営者の立場から言えば、新銀行東京から借金をしたくないだろう
それはあたかも「自分の会社はSub-standardの中小企業です」というかのようなものだ
そう宣言すれば、その会社は他の銀行も、業者選別の厳しい顧客もとり逃してしまう
自然と新銀行東京には他からはじかれた企業が集まり、結果は不良債権の効率的な生産にならざるをえない
このようなことは新銀行東京が設立される前から、多くの人が懸念していた
それなのに、石原東京都知事と都議会は、新銀行東京への出資を進めてしまった
そもそも東京都が中小企業に資金を供給したければ、金融機関に委託する制度融資や、自らが運営する直貸しという手法もとれたはずだ
それをせずに銀行を設立したところに「自分がやればすべてうまくやれる」というにわかには信じられない過剰な自信があるのだろう
社会的貢献も、民間企業としての健全経営も、石原都知事がやればすべてうまくやれる
たいへんな自信だ
たとえ800億円を損するとしても、都からの直貸しならばもっと効果が上がったのではないか、とも思えてくる
新銀行東京が失った800億円は、本当に都のために有意義に使われたのか
安易な破綻企業の延命策に使われたのではないか
直貸しならば、もう少し都の施策に沿った効果を挙げられたのではないか
残念ながら、結果は累積損失800億円超、これは気の遠くなる金額だ
都経済への波及効果も明確でない
都知事も都議会もどうやって責任をとるつもりなのか
最近、私が最近気になるのは、これを報じるマスコミが
もしも都が出資した金額が戻らなければ、都民の負担になる
と盛んに書いていることだ
まあ、確かにキャッシュフローに注目すれば誤った言い方とは言い切れない
しかし、注意したいことがある
累積損失800億円超ということは、すでに新銀行東京の株主資本は大きく毀損しているということ
だから、将来どうなるかわからない回収について「もしも」というような言い方をするのではなく、
簿価ベースで800億円超が毀損している
都の持分84%分にして、700億円ほどが毀損している
これはすでに都民の負担になっている
と言うのが正しいのではないか
確かに、何かの奇跡が起きて、都の出資がすべて回収できることもありうるだろう
しかし、それは偶然の僥倖であって、現時点で論じるべきものではない
今論じるべきは、すでに都民が700億円もの損害を被っているということだ
この800億円の累積損失、700億円の都民負担をゆり戻すほどの奇跡は考えにくい
唯一あるとすれば、銀行が立ち直るというよりも、銀行設立に責任ある人たちによる簿価による株の買戻しだろう
実行すれば、石原都知事を初めとして数十人〜数百人の人たちで800億円の現金支出を求められることになる
本来はこういう解決法こそフェアだと思うのだが、まず日本ではありえない解決策に思えてしまうのが情けない
累積損失800億円を抱え、水面上へ浮上さえめどがたたない
そもそもこの銀行が経営的に失敗するであろうことは目に見えていた
民間銀行の経営力も決して褒められたものではないが、それはそれなりに一生懸命働いてきて、なおかつ公的資金のお世話にならざるを得なかったのが銀行業だ
そうなのに、東京都が新しい銀行を作って、民間企業としても成功するという絵はあまりにも現実離れしている
そもそも、中小企業経営者の立場から言えば、新銀行東京から借金をしたくないだろう
それはあたかも「自分の会社はSub-standardの中小企業です」というかのようなものだ
そう宣言すれば、その会社は他の銀行も、業者選別の厳しい顧客もとり逃してしまう
自然と新銀行東京には他からはじかれた企業が集まり、結果は不良債権の効率的な生産にならざるをえない
このようなことは新銀行東京が設立される前から、多くの人が懸念していた
それなのに、石原東京都知事と都議会は、新銀行東京への出資を進めてしまった
そもそも東京都が中小企業に資金を供給したければ、金融機関に委託する制度融資や、自らが運営する直貸しという手法もとれたはずだ
それをせずに銀行を設立したところに「自分がやればすべてうまくやれる」というにわかには信じられない過剰な自信があるのだろう
社会的貢献も、民間企業としての健全経営も、石原都知事がやればすべてうまくやれる
たいへんな自信だ
たとえ800億円を損するとしても、都からの直貸しならばもっと効果が上がったのではないか、とも思えてくる
新銀行東京が失った800億円は、本当に都のために有意義に使われたのか
安易な破綻企業の延命策に使われたのではないか
直貸しならば、もう少し都の施策に沿った効果を挙げられたのではないか
残念ながら、結果は累積損失800億円超、これは気の遠くなる金額だ
都経済への波及効果も明確でない
都知事も都議会もどうやって責任をとるつもりなのか
最近、私が最近気になるのは、これを報じるマスコミが
もしも都が出資した金額が戻らなければ、都民の負担になる
と盛んに書いていることだ
まあ、確かにキャッシュフローに注目すれば誤った言い方とは言い切れない
しかし、注意したいことがある
累積損失800億円超ということは、すでに新銀行東京の株主資本は大きく毀損しているということ
だから、将来どうなるかわからない回収について「もしも」というような言い方をするのではなく、
簿価ベースで800億円超が毀損している
都の持分84%分にして、700億円ほどが毀損している
これはすでに都民の負担になっている
と言うのが正しいのではないか
確かに、何かの奇跡が起きて、都の出資がすべて回収できることもありうるだろう
しかし、それは偶然の僥倖であって、現時点で論じるべきものではない
今論じるべきは、すでに都民が700億円もの損害を被っているということだ
この800億円の累積損失、700億円の都民負担をゆり戻すほどの奇跡は考えにくい
唯一あるとすれば、銀行が立ち直るというよりも、銀行設立に責任ある人たちによる簿価による株の買戻しだろう
実行すれば、石原都知事を初めとして数十人〜数百人の人たちで800億円の現金支出を求められることになる
本来はこういう解決法こそフェアだと思うのだが、まず日本ではありえない解決策に思えてしまうのが情けない
2007年05月20日
誰のための効率化か?
2007年05月17日
ペンタックス現経営陣の見識
HOYAとの経営統合をめぐるペンタックス経営のごたごたが収束に向かう
日本経済新聞1面トップ記事によれば、ペンタックスがHOYAによるTOBを受け入れるという
受け入れ条件は、
が要請されているそうだ
HOYA鈴木代表執行役は「考慮する」と伝えたという
経営統合→前社長解任→経営統合断念→TOB受け入れ
ここにペンタックス現経営陣の見識が見て取れる
今に至ってTOBを受け入れるのであれば、なぜ前社長は解任されねばならなかったのか
経営統合を目指した前社長を解任したならば、TOB受け入れの段階で現取締役も解任されるべきではないか
上に述べた二つの条件が事実とすれば、ペンタックス経営陣の判断基準は純粋な「保身」ではないのか
HOYAは優れた企業統治で有名な企業だ
ペンタックス経営陣はともかく、HOYAには見識ある意思決定を望みたい
日本経済新聞1面トップ記事によれば、ペンタックスがHOYAによるTOBを受け入れるという
受け入れ条件は、
ペンタックスは合併せずHOYAの子会社のまま当面維持
浦野文男前社長ら解職された二人を除く六人の取締役留任
が要請されているそうだ
HOYA鈴木代表執行役は「考慮する」と伝えたという
経営統合→前社長解任→経営統合断念→TOB受け入れ
ここにペンタックス現経営陣の見識が見て取れる
今に至ってTOBを受け入れるのであれば、なぜ前社長は解任されねばならなかったのか
経営統合を目指した前社長を解任したならば、TOB受け入れの段階で現取締役も解任されるべきではないか
上に述べた二つの条件が事実とすれば、ペンタックス経営陣の判断基準は純粋な「保身」ではないのか
HOYAは優れた企業統治で有名な企業だ
ペンタックス経営陣はともかく、HOYAには見識ある意思決定を望みたい
2007年04月16日
チープ革命はどこまで進むのか
CNETが
無料写真プリント・サービスのPriea
について報じている
Prieaでは、プリントに入る企業広告による収入でプリントから配送まで全て無料なのだそうだ
チープ革命の一端のビジネスだ
プリントを見るのは不特定多数ではない
しかし、広告収入で消費者向けサービスが無料にされている
チープ革命もここまで来たのかと思わされる
これではデフレのリスクは解消しない
チープ革命はどこまで続くのか
一つの鍵は景気に左右される広告需要にあるのかも知れない
不況の波を越えたところで、持続可能なチープ・サービスが確立するのだろう
無料写真プリント・サービスのPriea
について報じている
Prieaでは、プリントに入る企業広告による収入でプリントから配送まで全て無料なのだそうだ
チープ革命の一端のビジネスだ
プリントを見るのは不特定多数ではない
しかし、広告収入で消費者向けサービスが無料にされている
チープ革命もここまで来たのかと思わされる
これではデフレのリスクは解消しない
チープ革命はどこまで続くのか
一つの鍵は景気に左右される広告需要にあるのかも知れない
不況の波を越えたところで、持続可能なチープ・サービスが確立するのだろう
2007年04月12日
電力線通信は裾野のある事業分野を築くか
CNETが
これはいわゆるPLC(Powerline Communication)の話ではない
電力供給の最適化を実現するため、電力線ブロードバンド(Broadband over Power Line:BPL)を用いるというものだ
数年前の東海岸の大停電を考えれば、自然な流れであると思われる
しかし、ここに用いられる基礎技術自体は、電圧、セキュリティの等々の程度の差こそあれPLCと同じコンセプトのものだ
IBMが取り組む以上、その先には電力線を用いた広域通信を度外視するとも思えない
(無論、高圧電力線での広域通信には多くのハードルはあろう)
このような試みを見ると、電力線通信が着実に事業となっていることがわかる
日本でもようやく規制が改定され、今後の普及が見込まれる
では、この分野はどの程度の裾野の産業なのだろうか
似たような装置にモデムやスプリッタがある
すでにそのような装置はコモディティ化しきっており、価格競争が行きわたっている
使われるチップにも競争は行きわたり、裾野も利益率も限定的だ
電力線通信はどうだろう
いくつかの企業がPLCモデムを発売している
徐々に組込み式のPLCデバイスも出てくるだろう
もうかるのか、すぐに枯れるのか、興味深いところだ
IBMとテキサス州ヒューストンを拠点とする電力会社CenterPoint Energyは米国時間4月10日、インテリジェントな電力供給網の実現を目指すグループ「Intelligent Utility Network Coalition」を設立したことを発表したと報じている
これはいわゆるPLC(Powerline Communication)の話ではない
電力供給の最適化を実現するため、電力線ブロードバンド(Broadband over Power Line:BPL)を用いるというものだ
数年前の東海岸の大停電を考えれば、自然な流れであると思われる
しかし、ここに用いられる基礎技術自体は、電圧、セキュリティの等々の程度の差こそあれPLCと同じコンセプトのものだ
IBMが取り組む以上、その先には電力線を用いた広域通信を度外視するとも思えない
(無論、高圧電力線での広域通信には多くのハードルはあろう)
このような試みを見ると、電力線通信が着実に事業となっていることがわかる
日本でもようやく規制が改定され、今後の普及が見込まれる
では、この分野はどの程度の裾野の産業なのだろうか
似たような装置にモデムやスプリッタがある
すでにそのような装置はコモディティ化しきっており、価格競争が行きわたっている
使われるチップにも競争は行きわたり、裾野も利益率も限定的だ
電力線通信はどうだろう
いくつかの企業がPLCモデムを発売している
徐々に組込み式のPLCデバイスも出てくるだろう
もうかるのか、すぐに枯れるのか、興味深いところだ
百万円の釣竿
本日の日経産業新聞1面に高級釣具の記事が書かれている
ダイワ精工が売り出す輪島塗の釣竿「漆宝シリーズ」だ
価格は400千円-1,000千円となる見込みだという
このすごい釣竿で何を釣るかと言えば、「アユ用」「カワハギ用」「クロダイ用」「ヘラ用」だと言う
1百万円の竿で何匹の鯛が釣れるだろう
1百万円の金で何匹の鯛が買えるだろう
なんとも痛快な話だ
この釣竿を製造販売するのはどういう営みだろう
「ものづくり」だろうか
まぎれもなく「ものづくり」だ
日本の伝統芸能を駆使した「ものづくり」に他ならない
ならば何が「痛快」なのか
それは価値の源泉が過去と異なる点にあると思う
かつて日本の工業品は粗悪品だった
それが、やがて高品質の実用品となった
そして、今、高品質の高級品が見直されている
これはバブルだろうか
歴史は将来どう解釈するだろう
ダイワ精工が売り出す輪島塗の釣竿「漆宝シリーズ」だ
価格は400千円-1,000千円となる見込みだという
このすごい釣竿で何を釣るかと言えば、「アユ用」「カワハギ用」「クロダイ用」「ヘラ用」だと言う
1百万円の竿で何匹の鯛が釣れるだろう
1百万円の金で何匹の鯛が買えるだろう
なんとも痛快な話だ
この釣竿を製造販売するのはどういう営みだろう
「ものづくり」だろうか
まぎれもなく「ものづくり」だ
日本の伝統芸能を駆使した「ものづくり」に他ならない
ならば何が「痛快」なのか
それは価値の源泉が過去と異なる点にあると思う
かつて日本の工業品は粗悪品だった
それが、やがて高品質の実用品となった
そして、今、高品質の高級品が見直されている
これはバブルだろうか
歴史は将来どう解釈するだろう
2007年04月11日
ペンタックスに見るM&Aオリジネーションの難しさ
HOYAとの経営統合を発表していたペンタックスが社長を解任し軌道修正しようとしている
この方向転換の是非について、私は見識がない
しかし、この現象はM&Aの難しさを象徴するものであるのは間違いない
M&Aにはいくらでも反対意見がある
組織には保身を図る者も五万といるし、組織防衛に走るのも人情だ
だから、どんなM&A案件でも山ほど反対意見はある
だからこそ、M&Aは極秘裏に限られたメンバーで進めることが多い
ペンタックスの場合、前社長を中心にHOYAとの統合検討を進めたようだ
だからこそ基本合意に達したし、だからこそ裏目に出て解任の憂き目に遭った
代表取締役を解任するのは取締役会の自由だし、ペンタックス取締役会を非難する理屈はない
賛成に回った取締役たちには、保身という意味だけではなく、
本当にHOYAが最善の道なのか
という当然の疑問もあったろう
ペンタックス取締役会は、社長を交替させた
と同時に重い責務を追ったのだと思う
HOYAが最善なのか
そうでないなら、どのような実現可能な代案があるのか
株主に対して、この重い責務を果たさなければならない
そう容易な問ではないだろう
この方向転換の是非について、私は見識がない
しかし、この現象はM&Aの難しさを象徴するものであるのは間違いない
M&Aにはいくらでも反対意見がある
組織には保身を図る者も五万といるし、組織防衛に走るのも人情だ
だから、どんなM&A案件でも山ほど反対意見はある
だからこそ、M&Aは極秘裏に限られたメンバーで進めることが多い
ペンタックスの場合、前社長を中心にHOYAとの統合検討を進めたようだ
だからこそ基本合意に達したし、だからこそ裏目に出て解任の憂き目に遭った
代表取締役を解任するのは取締役会の自由だし、ペンタックス取締役会を非難する理屈はない
賛成に回った取締役たちには、保身という意味だけではなく、
本当にHOYAが最善の道なのか
という当然の疑問もあったろう
ペンタックス取締役会は、社長を交替させた
と同時に重い責務を追ったのだと思う
HOYAが最善なのか
そうでないなら、どのような実現可能な代案があるのか
株主に対して、この重い責務を果たさなければならない
そう容易な問ではないだろう
エレクトロニクス産業のチキン・レース
CNETが
数量は増加しているが、価格下落が効いているという
記事では、
プラズマに限らず、PDP製品の高付加価値化とはどの程度のニーズがあるのだろう
コンシューマのニーズを超えて無駄な付加価値を付ければ、結果は顧客離れが待っている
日本メーカが得意な「過剰性能」である
「ハイエンド製品に特化する」と言えば聞こえはいいが、そういって結局は消えていった電機セグメントも少なくない
かりにプラズマテレビがコモディティ化したと仮定すれば、価格競争が必然であり、それが今の状況なのかもしれない
いや、これは現実に起きていると言っても反論はあるまい
価格競争が進むとすれば、次に起こるのは「規模の経済」の戦いだ
これは当然、投下資本金額の戦いになる
より高額な資本を投下し、より低コストが実現できる大規模工場を作り上げる競争だ
エレクトロニクス産業というのは、こういうチキン・レースを繰り返している産業だ
競合相手より1桁大きな投資を行えば、一気に相手を市場から締め出すことができる
一方で、その投資のレースについていけない企業は消えていくしかない
恐ろしいのは、勝った者も負けた者も、投資の回収ができるかどうか確信が持てないところにある
プラズマテレビの全米売上、月間ベースで初の前年割れと報じている
数量は増加しているが、価格下落が効いているという
記事では、
プラズマメーカーはさらなる高機能化をはかり、販売価格を上昇に転じさせる道を見つけだすという課題に直面していると指摘している
プラズマに限らず、PDP製品の高付加価値化とはどの程度のニーズがあるのだろう
コンシューマのニーズを超えて無駄な付加価値を付ければ、結果は顧客離れが待っている
日本メーカが得意な「過剰性能」である
「ハイエンド製品に特化する」と言えば聞こえはいいが、そういって結局は消えていった電機セグメントも少なくない
かりにプラズマテレビがコモディティ化したと仮定すれば、価格競争が必然であり、それが今の状況なのかもしれない
いや、これは現実に起きていると言っても反論はあるまい
価格競争が進むとすれば、次に起こるのは「規模の経済」の戦いだ
これは当然、投下資本金額の戦いになる
より高額な資本を投下し、より低コストが実現できる大規模工場を作り上げる競争だ
エレクトロニクス産業というのは、こういうチキン・レースを繰り返している産業だ
競合相手より1桁大きな投資を行えば、一気に相手を市場から締め出すことができる
一方で、その投資のレースについていけない企業は消えていくしかない
恐ろしいのは、勝った者も負けた者も、投資の回収ができるかどうか確信が持てないところにある
2007年04月10日
多国籍企業になれない日本企業
北米トヨタ社長プレス氏が、6月の株主総会でトヨタ自動車の専務取締役に就任する予定だと報道されている
トヨタと言えば、日本を代表するグローバル企業であると思われているが、外国人が取締役になるのはこれが始めて
日本の企業文化はなんと閉鎖的か、と感じる出来事だ
この点では、すでに外国人CEO率いるソニーが先を行っている
皮肉なのは、ソニーが外国人CEOを選んだのは、業績に陰りが出たからであること
業績のいい日本企業ほど純血を守ろうとする傾向があるとすれば悲しいことだ
このまま世界が垣根を低くしてグローバル競争を許すならば、大きな市場セグメントは多国籍企業に席巻される流れが進むだろう
その多国籍企業とは、ローマ帝国のように現地化を進める企業に他ならない
それならば、経営陣も多国籍・多文化の構成となるのが自然だし、そうでなければ現地のオペレーションは満足できない
ある一つの植民地が全体の稼ぎ頭になったとしたら、その植民地の長を本社のしかるべき地位に迎えるのは当然のことだ
日本の大企業経営者には、外資系企業のローカル社員を経験した人材は少ない
だから、そのような当たり前のことに気が回らない
これでは多国籍な組織は活性化しないだろう
トヨタと言えば、日本を代表するグローバル企業であると思われているが、外国人が取締役になるのはこれが始めて
日本の企業文化はなんと閉鎖的か、と感じる出来事だ
この点では、すでに外国人CEO率いるソニーが先を行っている
皮肉なのは、ソニーが外国人CEOを選んだのは、業績に陰りが出たからであること
業績のいい日本企業ほど純血を守ろうとする傾向があるとすれば悲しいことだ
このまま世界が垣根を低くしてグローバル競争を許すならば、大きな市場セグメントは多国籍企業に席巻される流れが進むだろう
その多国籍企業とは、ローマ帝国のように現地化を進める企業に他ならない
それならば、経営陣も多国籍・多文化の構成となるのが自然だし、そうでなければ現地のオペレーションは満足できない
ある一つの植民地が全体の稼ぎ頭になったとしたら、その植民地の長を本社のしかるべき地位に迎えるのは当然のことだ
日本の大企業経営者には、外資系企業のローカル社員を経験した人材は少ない
だから、そのような当たり前のことに気が回らない
これでは多国籍な組織は活性化しないだろう
2007年04月04日
電子マネーは収束するのか
15年ほど前、まだ電子マネーが認知もされていない時期、電子マネーの性格についての議論があったと思う
電子マネーは通貨なのか否か
もしも通貨であれば、それは日本銀行のみが発行を許されたものではないか
電子マネーはそのハードルを乗り越えて、現在普及が進んでいる
現在主要な電子マネーは
・ビットワレット: エディ
・JR東日本: スイカ
・セブン&アイ: ナナコ
そして昨日、大手流通グループであるイオンがWAONという電子マネーのサービスを始めると発表した
すでに有力な電子マネー勢力が4つも存在し、それらが交通、スーパー、CVSほかの分野で提携の輪を広げている
この現状を見ると、
あたかも円という通貨が4つの勢力に分裂された
というような印象を受けるのである
杞憂であるとは思うが、通貨が分裂するという現象は、どのような帰結を迎えるのだろう
ユーザの利便性から言えば、異なるプラットフォームを併用するのは不便極まりない
社会インフラの効率性から言っても、大きな付加価値の相違のないプラットフォームが並立するのは望ましくないだろう
独占まで行き着くか、寡占でとどまるかは分からないが、なんらかの収束に向かうのは必然ではないか
収束が起こる瞬間に、社会インフラで大規模な減損が発生する
これは、目に見えた社会的損失だ
しかし、同時に「健全な競争市場」を維持するためのコストともいえる
なんとも皮肉ではないか
電子マネーは通貨なのか否か
もしも通貨であれば、それは日本銀行のみが発行を許されたものではないか
電子マネーはそのハードルを乗り越えて、現在普及が進んでいる
現在主要な電子マネーは
・ビットワレット: エディ
・JR東日本: スイカ
・セブン&アイ: ナナコ
そして昨日、大手流通グループであるイオンがWAONという電子マネーのサービスを始めると発表した
すでに有力な電子マネー勢力が4つも存在し、それらが交通、スーパー、CVSほかの分野で提携の輪を広げている
この現状を見ると、
あたかも円という通貨が4つの勢力に分裂された
というような印象を受けるのである
杞憂であるとは思うが、通貨が分裂するという現象は、どのような帰結を迎えるのだろう
ユーザの利便性から言えば、異なるプラットフォームを併用するのは不便極まりない
社会インフラの効率性から言っても、大きな付加価値の相違のないプラットフォームが並立するのは望ましくないだろう
独占まで行き着くか、寡占でとどまるかは分からないが、なんらかの収束に向かうのは必然ではないか
収束が起こる瞬間に、社会インフラで大規模な減損が発生する
これは、目に見えた社会的損失だ
しかし、同時に「健全な競争市場」を維持するためのコストともいえる
なんとも皮肉ではないか
2007年03月14日
これで半導体製造技術も中国へ流出する危険
インテルが中国に前工程の工場を持つ見通しであるとCNETが報じている
新工場は300mmウエハ上に90nmプロセスというから、インテルにしても2世代前の世代の技術だ
しかし、これを悲観する半導体企業は少なくないだろう
インテルにとって2世代前の技術といっても、それはMPUの世界の話
MPUにとっては45nmが最先端でも、LSIなら90nmでも立派な設備、65nmでもまだ現役だろう
ましてやICとなれば、一桁大きなデザイン・ルールでも十分にやっていける
問題はこのような技術が国境を越えて後発国へ渡ることだ
記事では国防の観点の議論がなされているが、問題は国防だけではない
もちろんこれによって中国がすぐさまローエンドMPUを作れるようになるとは考えにくい
しかし、この技術はすぐにLSIやICの世界に浸透していくだろう
半導体前工程は資本集約的なプロセスだから、中国に工場を作ったから目覚しい有利性があるとはいえない
しかし、同時に大きな消費市場である中国に前工程の技術が渡ることは、半導体産業にとっては看過できないだろう
新工場は300mmウエハ上に90nmプロセスというから、インテルにしても2世代前の世代の技術だ
しかし、これを悲観する半導体企業は少なくないだろう
インテルにとって2世代前の技術といっても、それはMPUの世界の話
MPUにとっては45nmが最先端でも、LSIなら90nmでも立派な設備、65nmでもまだ現役だろう
ましてやICとなれば、一桁大きなデザイン・ルールでも十分にやっていける
問題はこのような技術が国境を越えて後発国へ渡ることだ
記事では国防の観点の議論がなされているが、問題は国防だけではない
もちろんこれによって中国がすぐさまローエンドMPUを作れるようになるとは考えにくい
しかし、この技術はすぐにLSIやICの世界に浸透していくだろう
半導体前工程は資本集約的なプロセスだから、中国に工場を作ったから目覚しい有利性があるとはいえない
しかし、同時に大きな消費市場である中国に前工程の技術が渡ることは、半導体産業にとっては看過できないだろう
2007年03月04日
行政の不作為:持株会社制度
独占禁止法が改正され純粋持株会社が解禁されてから10年だ
独占禁止法は内閣府の外局であり、純粋持株会社解禁を働きかけたのは経済産業省だろう
経済産業省は、国内産業の過当競争を避け、国際競争力を回復するために持株会社を解禁したかったのである
本日の日本経済新聞のトップ記事は、公共事業に持株会社が入札しやすくするよう国土交通省が検討しているというものだ
こんなことを今検討しているとは、国土交通省とはどういう組織なのだろう
実に、純粋持株会社を解禁してから10年目のことである
なぜ純粋持株会社が再編に役立つのか
とかく多角化が進んだ日本の大企業では、複数の事業が渾然一体となっているがゆえにM&Aを図りにくかった
大企業の一部事業を切り出し、営業譲渡の交渉を行うのは言うほど容易ではない
切り出された後の事業体の財務諸表がある程度の確度で予見できないと、買い手も売り手も買収対価などの意思決定がしにくいからである
また、多角化された事業が同一の人事制度にのっていることも、各事業分野の実態に合わない人件費を放置する原因となっていた
だから、持株会社化をして、あらかじめ事業別の会社に切り分けておく
そうすれば、その子会社を売却したり、合弁化すれば事足りるようになる
すでに会社として独立した財務成績を有しており、交渉における不透明性も少ない
ところが、ここで立ちはだかったのが行政の怠慢である
公共事業の入札に参加するためには入札資格が必要だ
これは、企業の各種業績に応じた経営審査点を取得し、公共事業の事業主体へ指名入札願いを届け出ることになる
経営審査点によって、入札できる工事のレベルが限定されるのだが、一般論として企業の規模が大きい方が有利である
このため2点の問題が起こる
まず、持株会社化の時点で、入札資格の断絶が起こること
持株会社化しても存続企業に入札資格が残るので、公共工事を業とする会社が存続会社でないと入札資格を失ってしまうのである
次に、会社を分割することで公共工事を業とする子会社の規模は元の会社より小さくなるため、経営審査点が下がること
たとえ入札資格を維持できても、経営審査点で不利になってしまう
この2つの問題を解決するために、公共工事事業の分割の際には先にノミナルな子会社を設立し、技術者などを所属させる
ある程度の経営審査点を取れれば指名入札願いを提出し、入札資格を得た上で子会社に公共工事事業を吸収分割させる
このような手立てを講じても、やはり不利に働いてしまうことに違いはない
金融の世界では、早くからこの問題に手立てが打たれていた
三公社の民営化などにおいて、国有財産である株式(例えばNTT株)が売り出しに出る場合などだ
財務省理財局は、引き受け証券会社を審査することになるが、この場合も規模や実績は重要なファクターである
このような審査においては、各金融グループは連結ベースでの審査となる
なぜ、金融の世界では先んじていたのか
それは、金融がグローバルな事業であるからだ
外資系証券会社が引き受けを営業する際に、仮に理財局が日本法人だけしか審査対象としなければ明らかに片手落ちだろう
NTT株式は海外でも売り出されている
海外での実績も勘案しなければ意味がない
自然と連結ベースの審査となる
ところが、極めてドメスティックな公共事業の世界では、このような視点は欠けている
監督官庁は国土交通省と地方自治体などであり、グローバルな視点はない
極めて硬直的な組織であり利権の温床であることだ
外資を導入する絶対的な必要性はないし、国内大企業や中小企業を助けたいという気持ちも働く
その国土交通省が重い腰を上げたのは、昨今の談合問題だ
この問題の根の深さは、談合が民間によるものというより、官製であるように見受けられる点にある
ゼネコン不況はもう15年も続いている
過当競争を防ぐための再編は必須であるが、会社分割がしにくい
ならば、過当競争を防ぐために、官が、民が、談合を行うのである
国土交通省が入札制度の改善を検討するのは望ましいことだ
談合は国民の財産を詐取する行為であり、許してはならない
適正な競争が存在し、過当とならないような環境整備が必要だ
この国土交通省の動きに遅れることなく、地方自治体などの公共事業の事業主体が運営を改めることが求められよう
企業の側も、ひとつの大きなリスクを認識すべきである
それは、金融の世界で起こっている現象だ
つまり、外資が参入する可能性である
もしも国土交通省がグローバルな連結を許すなら、あるいは、そういう圧力が海外から加われば、将来、外資の巨大企業が参入する可能性は高まる
実は、そこからが本当の競争なのである
独占禁止法は内閣府の外局であり、純粋持株会社解禁を働きかけたのは経済産業省だろう
経済産業省は、国内産業の過当競争を避け、国際競争力を回復するために持株会社を解禁したかったのである
本日の日本経済新聞のトップ記事は、公共事業に持株会社が入札しやすくするよう国土交通省が検討しているというものだ
こんなことを今検討しているとは、国土交通省とはどういう組織なのだろう
実に、純粋持株会社を解禁してから10年目のことである
なぜ純粋持株会社が再編に役立つのか
とかく多角化が進んだ日本の大企業では、複数の事業が渾然一体となっているがゆえにM&Aを図りにくかった
大企業の一部事業を切り出し、営業譲渡の交渉を行うのは言うほど容易ではない
切り出された後の事業体の財務諸表がある程度の確度で予見できないと、買い手も売り手も買収対価などの意思決定がしにくいからである
また、多角化された事業が同一の人事制度にのっていることも、各事業分野の実態に合わない人件費を放置する原因となっていた
だから、持株会社化をして、あらかじめ事業別の会社に切り分けておく
そうすれば、その子会社を売却したり、合弁化すれば事足りるようになる
すでに会社として独立した財務成績を有しており、交渉における不透明性も少ない
ところが、ここで立ちはだかったのが行政の怠慢である
公共事業の入札に参加するためには入札資格が必要だ
これは、企業の各種業績に応じた経営審査点を取得し、公共事業の事業主体へ指名入札願いを届け出ることになる
経営審査点によって、入札できる工事のレベルが限定されるのだが、一般論として企業の規模が大きい方が有利である
このため2点の問題が起こる
まず、持株会社化の時点で、入札資格の断絶が起こること
持株会社化しても存続企業に入札資格が残るので、公共工事を業とする会社が存続会社でないと入札資格を失ってしまうのである
次に、会社を分割することで公共工事を業とする子会社の規模は元の会社より小さくなるため、経営審査点が下がること
たとえ入札資格を維持できても、経営審査点で不利になってしまう
この2つの問題を解決するために、公共工事事業の分割の際には先にノミナルな子会社を設立し、技術者などを所属させる
ある程度の経営審査点を取れれば指名入札願いを提出し、入札資格を得た上で子会社に公共工事事業を吸収分割させる
このような手立てを講じても、やはり不利に働いてしまうことに違いはない
金融の世界では、早くからこの問題に手立てが打たれていた
三公社の民営化などにおいて、国有財産である株式(例えばNTT株)が売り出しに出る場合などだ
財務省理財局は、引き受け証券会社を審査することになるが、この場合も規模や実績は重要なファクターである
このような審査においては、各金融グループは連結ベースでの審査となる
なぜ、金融の世界では先んじていたのか
それは、金融がグローバルな事業であるからだ
外資系証券会社が引き受けを営業する際に、仮に理財局が日本法人だけしか審査対象としなければ明らかに片手落ちだろう
NTT株式は海外でも売り出されている
海外での実績も勘案しなければ意味がない
自然と連結ベースの審査となる
ところが、極めてドメスティックな公共事業の世界では、このような視点は欠けている
監督官庁は国土交通省と地方自治体などであり、グローバルな視点はない
極めて硬直的な組織であり利権の温床であることだ
外資を導入する絶対的な必要性はないし、国内大企業や中小企業を助けたいという気持ちも働く
その国土交通省が重い腰を上げたのは、昨今の談合問題だ
この問題の根の深さは、談合が民間によるものというより、官製であるように見受けられる点にある
ゼネコン不況はもう15年も続いている
過当競争を防ぐための再編は必須であるが、会社分割がしにくい
ならば、過当競争を防ぐために、官が、民が、談合を行うのである
国土交通省が入札制度の改善を検討するのは望ましいことだ
談合は国民の財産を詐取する行為であり、許してはならない
適正な競争が存在し、過当とならないような環境整備が必要だ
この国土交通省の動きに遅れることなく、地方自治体などの公共事業の事業主体が運営を改めることが求められよう
企業の側も、ひとつの大きなリスクを認識すべきである
それは、金融の世界で起こっている現象だ
つまり、外資が参入する可能性である
もしも国土交通省がグローバルな連結を許すなら、あるいは、そういう圧力が海外から加われば、将来、外資の巨大企業が参入する可能性は高まる
実は、そこからが本当の競争なのである
2007年01月26日
大和総研「ドルが堅調な2つの理由」
1/19リリースの大和総研の為替市場にかかわるレポートが興味深い
米国が巨額な対外債務を抱えながら、ドル相場が堅調であることの分析が行われている
最近のドル相場を
@ 2002-2004のドル下落期
A 2005以降の横ばい期
に分けて分析している
@は経常赤字拡大のためだ
経常赤字拡大が対米債権者にとってのリスクとなり、ドル売りにつながった
Aは経常赤字が拡大したものの資産価格上昇によってオフセットされたもの
米国の超金融緩和政策により、世界的な過剰流動性が株・債券・土地に向かい、資産価格が上昇した
これにより、米国の対外資産も増価し、対外債務の増加分をオフセットしたのである
したがって、過剰流動性が拡大しなければ、ドルは弱含みになる可能性がある
しかし、大和総研では、そのリスクが顕在化しない可能性を指摘している
プラザ合意後の経済環境との差を理由にしている
現在の対米債権国は、かつてのように先進国ではなく、発展途上国の比率が大きい
そのような国では為替をドルペッグしているという指摘だ
このような状況では、米国が発展途上国からの債務を増加させても、それが債権国の外貨準備として米国債に還流する
為替レートはドルペッグであるため、この還流が為替に影響する効果は小さいというのである
正直なところ、楽観的すぎる見方であると思う
しかし、この数年のドル相場の「謎」を適切に説明していると思う
米国が巨額な対外債務を抱えながら、ドル相場が堅調であることの分析が行われている
最近のドル相場を
@ 2002-2004のドル下落期
A 2005以降の横ばい期
に分けて分析している
@は経常赤字拡大のためだ
経常赤字拡大が対米債権者にとってのリスクとなり、ドル売りにつながった
Aは経常赤字が拡大したものの資産価格上昇によってオフセットされたもの
米国の超金融緩和政策により、世界的な過剰流動性が株・債券・土地に向かい、資産価格が上昇した
これにより、米国の対外資産も増価し、対外債務の増加分をオフセットしたのである
したがって、過剰流動性が拡大しなければ、ドルは弱含みになる可能性がある
しかし、大和総研では、そのリスクが顕在化しない可能性を指摘している
プラザ合意後の経済環境との差を理由にしている
現在の対米債権国は、かつてのように先進国ではなく、発展途上国の比率が大きい
そのような国では為替をドルペッグしているという指摘だ
このような状況では、米国が発展途上国からの債務を増加させても、それが債権国の外貨準備として米国債に還流する
為替レートはドルペッグであるため、この還流が為替に影響する効果は小さいというのである
正直なところ、楽観的すぎる見方であると思う
しかし、この数年のドル相場の「謎」を適切に説明していると思う
2007年01月13日
CVSのITインフラ更新
先日、ローソンの情報システム投資について触れたところ、思わぬ反響があったので、もう少し触れておこう
今日の日経新聞に、CVS各社のITインフラが更新期を迎えたという記事があった
どうやらISDNを使っていたのはローソンだけではないらしい
光回線化して、大量データのダウンロードもできるようにするらしい続きを読む
今日の日経新聞に、CVS各社のITインフラが更新期を迎えたという記事があった
どうやらISDNを使っていたのはローソンだけではないらしい
光回線化して、大量データのダウンロードもできるようにするらしい続きを読む
2007年01月10日
病院向け情報システム産業は順風満帆
医療制度の大改正により病院経営は厳しい環境が続いているが、その病院を相手にした情報システム産業は好景気に沸いている
その様子を知るには、レラクレス上場の専業(3733)ソフトウェア・サービス(SSI)のIR資料を見ると伺われる
SSIは電子カルテや病院向けオーダー・エントリー・システム等の開発・販売・保守の会社だ
市場のトップは富士通(件数で3割超)、NEC+CSI連合(1/4)、次がSSI(13%超)という市場
大規模病院は富士通とNECが強いという構造の中、100-400床の中規模病院をターゲットにしている
病院は大規模なほど電子カルテ等のITインフラの導入が進んでいるし、今後の投資も積極的だ
富士通とNECはその恩恵を受けているが、市場への浸透が進めば、次はSSIのターゲット市場が主戦場になるのかもしれない
2002年から電子カルテは普及し始め、先進の病院の中にはそろそろ更新需要も出始めている
顧客に対する差別化はこれから本番を迎える
新規導入の顧客は、製品の質こそ吟味できても、サービスの質までは吟味できない
導入をしてから保守サービスを受けてみて、初めてわかることだ
そこから顧客満足度にばらつきが出始める
特に、病院の事務は、毎年の法改正により頻繁に変わる
これを情報システムがフォローできるかは、保守サービスのレベルによることになる
SSIは売り込みは行わず、顧客からの引き合いに応じるのみの営業だと言う
出張で全国をカバーし、保守はすでにリモート・メンテナンスになっている
業界での口コミによって、顧客からの引き合いは強く、大手からの乗り換えも多い
すでに100余りの病院に納入しているが、他社に鞍替えされた顧客はまだない
受注には困らないが、仕事をこなす人材には限りがある
自前主義をポリシーとしているから、受注を受けすぎてしまい、従業員に過度の負担がかかった
そこで、受注を抑えて、社内体制を受注の伸びに合うように変革中だ
今期は、
一部に利益率の悪い案件があったこと
先行投資としての人件費負担
により、増収減益を予定している
引き合いは強く、今後も売上高は堅調に伸びるだろう
大型案件が増加基調にある中で、
案件の採算管理をうまくこなせるか
人材などの経営資源をうまく管理できるか
大型案件の収益性を確保できるか
が注目される
PSRが4倍程度のレベルにあり、決して安い銘柄ではない
病院向け情報システム産業も、ヒトが業績の大きな要因になっているようだ
その様子を知るには、レラクレス上場の専業(3733)ソフトウェア・サービス(SSI)のIR資料を見ると伺われる
SSIは電子カルテや病院向けオーダー・エントリー・システム等の開発・販売・保守の会社だ
市場のトップは富士通(件数で3割超)、NEC+CSI連合(1/4)、次がSSI(13%超)という市場
大規模病院は富士通とNECが強いという構造の中、100-400床の中規模病院をターゲットにしている
病院は大規模なほど電子カルテ等のITインフラの導入が進んでいるし、今後の投資も積極的だ
富士通とNECはその恩恵を受けているが、市場への浸透が進めば、次はSSIのターゲット市場が主戦場になるのかもしれない
2002年から電子カルテは普及し始め、先進の病院の中にはそろそろ更新需要も出始めている
顧客に対する差別化はこれから本番を迎える
新規導入の顧客は、製品の質こそ吟味できても、サービスの質までは吟味できない
導入をしてから保守サービスを受けてみて、初めてわかることだ
そこから顧客満足度にばらつきが出始める
特に、病院の事務は、毎年の法改正により頻繁に変わる
これを情報システムがフォローできるかは、保守サービスのレベルによることになる
SSIは売り込みは行わず、顧客からの引き合いに応じるのみの営業だと言う
出張で全国をカバーし、保守はすでにリモート・メンテナンスになっている
業界での口コミによって、顧客からの引き合いは強く、大手からの乗り換えも多い
すでに100余りの病院に納入しているが、他社に鞍替えされた顧客はまだない
受注には困らないが、仕事をこなす人材には限りがある
自前主義をポリシーとしているから、受注を受けすぎてしまい、従業員に過度の負担がかかった
そこで、受注を抑えて、社内体制を受注の伸びに合うように変革中だ
今期は、
一部に利益率の悪い案件があったこと
先行投資としての人件費負担
により、増収減益を予定している
引き合いは強く、今後も売上高は堅調に伸びるだろう
大型案件が増加基調にある中で、
案件の採算管理をうまくこなせるか
人材などの経営資源をうまく管理できるか
大型案件の収益性を確保できるか
が注目される
PSRが4倍程度のレベルにあり、決して安い銘柄ではない
病院向け情報システム産業も、ヒトが業績の大きな要因になっているようだ
みずほFGの証券事業統合に見る大企業の難しさ
みずほフィナンシャルグループが、傘下のみずほ証券と新光証券を合併させ、預かり資産国内4位の証券会社が誕生する
この動きに大企業の難しさを見るのは私だけだろうか
みずほFG内の証券会社3社の統合は兼ねてからの課題だった
投資銀行業務に強いみずほ証券
中堅総合証券である新光証券
リテールに強いみずほインベスターズ証券
これら3社の統合は、銀行業務の再編とは別に棚上げされていた
今回はみずほ証券と新光証券の統合
新光証券は元興銀系だし、みずほ証券も興銀色が強い
一方、みずほインベスターズは元第一勧業系だ
なぜ、3社合併ではないのか
この統合の動きが戦略上の選択によってなされたのなら問題はない
しかし、人的つながりからなされたなら、片手落ちの再編と言われかねない
もう一つ残念なのは、新「みずほ証券」が上場するということ
これにより、みずほ証券が外資系投資銀行との間で組織を融合させる機会は遠のいたように思える
またしても日本の証券会社は「国内」の殻に閉じこもってしまうのか
大手証券の一角となり、上場企業のステータスを身につければ、人情として独自路線を選んでしまわないか
この動きに大企業の難しさを見るのは私だけだろうか
みずほFG内の証券会社3社の統合は兼ねてからの課題だった
投資銀行業務に強いみずほ証券
中堅総合証券である新光証券
リテールに強いみずほインベスターズ証券
これら3社の統合は、銀行業務の再編とは別に棚上げされていた
今回はみずほ証券と新光証券の統合
新光証券は元興銀系だし、みずほ証券も興銀色が強い
一方、みずほインベスターズは元第一勧業系だ
なぜ、3社合併ではないのか
この統合の動きが戦略上の選択によってなされたのなら問題はない
しかし、人的つながりからなされたなら、片手落ちの再編と言われかねない
もう一つ残念なのは、新「みずほ証券」が上場するということ
これにより、みずほ証券が外資系投資銀行との間で組織を融合させる機会は遠のいたように思える
またしても日本の証券会社は「国内」の殻に閉じこもってしまうのか
大手証券の一角となり、上場企業のステータスを身につければ、人情として独自路線を選んでしまわないか